第84回(2016/7/16)神奈川支部例会 かながわ労働プラザ第3会議室

第一部

菊地 会員「川崎市多摩区の気象名所巡り」
高低差があり氾濫しやすい五反田川や陸軍登戸研究所跡地、生田緑地公園にある、 川崎ローム斜面崩壊実験事故の慰霊碑などを、クイズ形式で楽しくご紹介いただきました。

永田 会員(西部支部)「大雨防災ワークショップの紹介」
西部支部Qプロが下関地方気象台や福岡管区気象台などと共に改良を重ねながら行ってきた ”大雨防災ワークショップ”。
その実際を動画を交えて作業のやり方を説明していただき、模擬形式を体験しました。
子供から大人まで幅広い年代に楽しく分かりやすい防災教育が実践できる方法だと実感しました。

佐藤 会員「地下300mで気圧を測りました」
いつも携帯気象計を持ち歩いている佐藤会員が、4月に岐阜県の地下研究施設に携帯気象計を持参し、 地上及び地下300mの研究坑道で気圧を測定しました。
実測値と計算値との比較検証が概ね一致する結果でした。
現在、地下500mまで入れるそうですが坑道に行き着くまでがとても大変だそうです。

池辺 会員「ホッケースティック曲線の虚実」
今年4月に新刊本「ホッケースティック幻想〜「地球温暖化説」への異論」 (A.W.モンフォード著・青山洋訳・桜井邦朋監修・第三書館刊)が刊行され、 関連書籍の日本語訳が出揃ったということで、ホッケースティック論争について解説していただきました。
ホッケースティック曲線はどうやら科学的な裏付けに乏しかったようですが、 IPCCや化石燃料業界などの思惑が絡み、科学的に読み解こうとしても一筋縄では行かない問題のようです。
つい最近まで巷を賑わせていた「小保方問題」が思い出されました。

野瀬 会員(東京支部)「最近の天候で考えたこと」
春季の前線帯不活発や7月上旬の天候(本邦中央地域の少雨と西日本の豪雨)を具体例に、 スケールアナリシスの大切さを説いていただきました。
気象の勉強で習ったように、大きな流れの中に小さな現象の動きがあり、 異なるスケールのものが混在しているので、区別して意味あるものを取り出す。
スケールを変えて見るとわかってくることがあるという解説でした。

第二部 招待講演

 国立環境研究所大気・海洋モニタリング推進室
町田 敏暢 室長(専門 大気科学,炭素循環)
「民間航空機でCO2を測る -CONTRAILの挑戦-」

2009年1月の例会講演の続編で、航空機(JALボーイング747, 777型機)、 成層圏観測気球によるCO2観測および上層大気観測により、 現時点でわかってきたことを分かりやすいグラフで講義していただきました。
CO2濃度の季節変化や鉛直方向分布、グローバルでの平面分布、赤道を挟む緯度・高度分布など 最新データをふんだんに盛り込んだ最新データを開示していただきました。
参加者の皆様の反響も非常に高く、時間不足がとても残念でした。
あらためてたっぷりと話を聞き、質疑応答をしたい内容でした。

集合写真

懇親会

景珍楼 新館の3階を借り切り、懇親を深めました。
3連休初日で、横浜スタジアムでオールスター戦もあり、人でごったがえす中華街へ全員歩いて移動。
中華料理特別コースを堪能し、舌鼓と会話で大いに盛り上がりました。
例会開始前に、みなとみらい上空で航空自衛隊ブルーインパルスの展示飛行があり、 それを観た後で会場にきた方も多く、話題盛り沢山で内容の濃い1日でした。
19:30の横浜トワイライト花火大会に併せて懇親会を終了し花火鑑賞などで三々五々の散会でした。

参加者数

例会56名(懇親会40名)

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