第112回例会
日時:2019年2月10日(土) 13:00〜17:00
場所:広島市西区民文化センター 小会議室1
参加者:9名(関西支部1名含む)
内容:
1.事務連絡
2.話題提供
1)「古文書に見る冬から春の気候と気象災害」 谷岡会員(関西支部)
広大考古学研究所から、現在の豊岡市教育委員会文化財室に至るまで、考古学、民俗学で活躍されている関西支部谷岡会員が、過去の文献(日記・歴史書などの古文書)を使って、長期的な気候変動の実態や過去の気象災害を知る方法を説明。
a.飛鳥・奈良・平安時代の干ばつ・長雨の記載年
b.遅い雪・遅い霜の記載例
c.江戸時代、但馬出石藩「御用部屋日記」・・大火の記載など
等の説明があった。
2)「クライモグラフについて」 坂本会員
本来のクライモグラフは、相対湿度と湿球温度の組み合わせで作るもので、地理の教科書にの載っているケッペンの気候区分に使われるものはハイサグラフと言う。
ハイサグラフとクライモグラフを使って、西日本の気候の区分を行ってみた。
a.太平洋型・・・夏、多雨・多湿 冬、少雨・少湿度
b.日本海型・・・冬、多雨・多湿 春に湿度下がる 例外、福岡、浜田・・冬 少雨・小湿度
c.中間(瀬戸内、盆地)型・・・夏、多雨・多湿 冬、少雨・多湿 春に湿度下がる
3)「昨年の天候を振り返って」 中野会員
広島市中区の気温、降水量、日照時間を振り返った。第一印象ではおだやかな年ではなく激烈な年だった。
・気温:年平均気温は平年より高く、高いほうから観測史上第8位だった。
3月、7月、8月の月平均気温はその月として観測史上第2位、4月は第3位だった。ただし、気温が高いのは1987年の気象台移転の影響が大きい。降水量、日照時間は影響なし。日照時間は1920年代から1980年代初めまで長くなっている。理由は?7月26日、12月4日の日最低気温は、7月、12月として高いほうから観測史上第1位。
・降水量:年降水量は平年より多くなった。3月の月降水量は3月として多いほうから観測史上第7位。
豪雨被害のあった7月6日は日降水量、月最大24時間降水量とも7月として多いほうから観測第1位。
・日照時間:年間日照時間は平年より長くなった。3月の月間日照時間は3月として長いほうから観測史上第3位。3月は降水量も多く特異な月だったようだ。
3.天気図検討会
2月11日(月)の広島市の天気を3班に分かれて予想。
4.懇親会
参加者6名。
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例会参加者