第111回例会
日時:2018年12月22日(土) 13:00〜17:00
場所:広島市西区民文化センター 小会議室2
参加者:7名(関西支部1名含む)
内容:
1.事務連絡
2.話題提供
1)「”お天気おしゃべり音楽会”の実施報告と研究発表会へのエントリーについて」 山内会員
気象・防災への興味の喚起のための取り組みとして、2018年11月23日に江波山気象館にてお天気おしゃべり音楽会を江波山気象館と共催で実施した。
約400名のお客様に聴いていただくことができ、音楽を通じて気象・防災への新たな興味の喚起につなげることができた。
本コンサートの実施結果を含めた「気象・防災の意識向上に向けた取り組み」を2019年2月24日の研究成果発表会にエントリーする予定である。
今後も、お客様にお伝えする内容をバージョンアップさせながら、気象と音楽を関連づけたイベントを実施していきたい。また、開催時に必要となる費用への対処として、助成金を活用したイベントの開催等にも取り組んでいく。
2)「気象予報士会の在り方」 井澤会員(関西支部)
最近多発する豪雨。その時、気象予報士はどう対応すべきかを問うている。
鍵となるのが、グループシンキング(皆で考えよう)とラテラルシンキング(水平思考:鳥の目、魚の目、虫の目で物事を捉えよう)。
例として、2018年7月豪雨と2006年7月豪雨を、各種天気図・世界規模での流れ・海面水温から考察によって類似性を指摘。
又、西日本豪雨の死者が多発した要因について、心理学的要素を含め考察。現場に密着する予報士の取るべき態度を考えさせる。
3)「福山特別気象観測所の気温データ」 下井会員
福山特別地域気象観測所の記録する秋から冬にかけての日々の最低気温は、県内の瀬戸内沿岸の他の観測所の記録と比べて低い日が多い。
そこで、福山特別地域気象観測所の記録と広島地方気象台のそれとを比較した。
併せて、福山特別地域気象観測所の記録は、福山沿岸部の平均値又は代表値といえるかを笠岡にあるアメダス、西日本農業研究センターのそれとを比べてみた。
4)「1996.6.29豪雨と2014.8.20豪雨の発生原因について」 渡辺会員
石碑巡りを行った1999年6月と、2014年8月豪雨について、
2つの豪雨はともに広島市近郊で観測されているが、降雨量、降水分布に大きな差が見られ、発生機構が違うように思えた。
そこで、2つの豪雨の発生機構について、既存資料を基に、それらの違いを以下の様に理解・整理し話題堤供とした。
1999年6月豪雨;低気圧を伴う梅雨前線(湿舌)の中層に西側から乾燥寒気が流入し、対流不安定な成層が生じ豪雨が発生した。豪雨は、広島地域に於いても、梅雨前線(寒冷前線)の接近により、内陸(廿日市)側から呉市に掛けて発生し、前線の移動と共に終了した。
2014年8月豪雨;広島上空は、梅雨前線南側の発達した湿舌の南縁に有って、そこへ下層より豊後水道を通る南風による高暖湿な高気圧縁辺流が流入し、沿岸地形によって、非常に狭い範囲に集中的な豪雨が発生・継続した。その後、下層風向の変化により流入量が減少したことにより、豪雨は終了した。
4.懇親会
参加者4名。