第108回例会(広島県支部設立20周年記念例会)
日時:2018年7月1日(土) 13:00〜17:00
場所:広島市東区民文化センター 中会議室
参加者:16名(本部1名、理事1名、関西支部1名、岡山支部1名、西部支部1名、学生会1名、広島県支部10名)

内容:
1.広島県支部の歩み(中野支部長)
1998年4月の初会合(第1回例会)より現在までの主な支部活動をまとめ報告した。
気象台、江波山気象館、予報士会本部並びに他支部との連携により活発な活動ができた。

2.記念講演:日本気象予報士会 大西会長
「気象予報士制度を取り巻く状況」
毎年のように防災気象情報の改善が図られてきているが最近でも多くの災害が起きている。
その理由のひとつとして防災気象情報が市区町村で有効に使われていないことがある。
住民に避難勧告、指示を出すのは市区町村長だが気象、防災の専門家ではない。地方自治体の防災担当も2~3年で交代することが多い。
そのため、気象庁は地域の防災力の向上・支援をするため
2016年度予算:「気象予報士等を活用した地方公共団体における気象情報活用支援モデル事業」〜気象庁の予算でモデル事業を6か所実施した。
2017年度予算:「気象防災アドバイザー育成のための研修プログラムを作成・実施」〜今年気象防災アドバイザーを受けたのは53名。
2018年度予算:「生産性向上のための気象データ利活用モデル構築」〜気象ビジネス推進コンソーシアムと連携。
気象庁と産業界の間に予報士が入ることが期待される。

AIで予報官、予報士が不要に?
→ AIの進歩は日進月歩。遠からずAIのほうが「あたる予報」がだせるようになるのでは?と思う。
将来的に予報士が介さないソフトウェアのみでの予報を行うケースとか、研究機関が強雨の極短時間予測実験結果を試験配信する事例に気象業務法が壁になる。
遠からず「予報業務許可制度・気象予報士」は「規制緩和」要求の矢面に立つのではと思う。

「台風に関する最近の話題」
平安時代からの日本人と台風のかかわりから、災害史に名を残す台風の話、最近の台風予測まで幅広いお話をしていただいた。

3.話題提供
1)「日本気象予報士会と私(一地方会員として)」 志摩ブロック理事
20歳で気象予報試験に合格し予報士番号は2桁。2年後に気象予報士会に入会、今日までの活動の振り返り。
本部で法人設立委員会などの委員長を務め規程作成を行った。
また、研究活動においても地元の大雪について交通障害調査をまとめて地元新聞に掲載、また予報士会定期総会の記念講演も行った。
徳島県内で気象や防災のセミナーを行い、某NPO法人の機関誌に「防災まめ知識」を連載している。
今後の予報士会については公益社団法人化についてコメントをいただいた。

2)「気象x音楽イベントの実施について」 山内会員
気象ビジネス推進コンソーシアムが発足するなど、気象とビジネスの連携は拡大しつつあるが、防災力向上の観点からは、一般市民の方への気象の益々の普及が必要と考えられる。
気象単独での普及は難しいため、他の文化との交流による普及を図っていきたいと考えている。その一環として、自身の音楽の経験を活かし、気象と音楽の新たな可能性を発見するとともに、持続可能なモデルを確立し継続的な活動を行っていきたい。
2018年11月23日に江波山気象館にて『気象』×『音楽』イベントを実施する予定である。

3)石井賞受賞報告「福山の霧」 杉原会員
福山の霧についての観察・研究で、気象予報士会2017年度石井賞を受賞した。
5年前にUターンしてから、霧との出合い、気象予報士資格取得、例会等での観察状況報告など、いままでの経緯を振り返った。
その中で、広島県支部はもちろんのこと、中国四国ブロックの各支部、よんまる会などの皆さんから様々なアドバイスや励ましがあったことを改めて感じた。
今後も、実態把握のため事例収集を続けるとともに、地域気象の理解に努めたい。

4.懇親会
参加者14名。

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