日時:2月16日(土) 13時〜17時
場所::二葉公民館 会議室 (広島市東区総合福祉センター 6階)
参加人数:9名
内容:
1.事務連絡
2.話題提供
・昨年の夏(まとめ)(坂本さん)
各種データから昨年の夏の気候の特徴を分析された結果が報告された。
・4つの気候要素(最高気温、最低気温、降水量、日照時間)から
みると、全般的に暑い夏であったといえる。とりわけ、おもに
7月下半期(梅雨明けから8月上旬にかけて)に安定した夏空が
広がったのが、昨年の夏の印象をかたちづくる大きな要素となった。
・過去3年分のデータを比較してみると、最高気温、最低気温とも
高いのはもちろんだが、特徴的だったのは7月下半期の水蒸気圧が
ずっと高かったことで、このことが7月下半期の安定した夏空を
もたらしたのではなかろうか。
・水蒸気圧と他のデータとの相関を見たとき、850hPa最低気温との
相関が高かった。今年南の海の水温はさほど高くなく、海水温は
水蒸気圧の高さの理由にはなっていないようだ。
・そこで、典型的な気候状況だった日を過去3年間それぞれ数日ずつ
選び、特徴を分析した。まず地上天気図から、例年は太平洋高気圧
から日本付近に連続的に高圧部が広がっているが、昨年は日本付近
の高圧部と太平洋高気圧とが切り離された形になっていることが
読み取れた。その影響により、各日の高気圧の中心をプロットして
みると、例年は散らばった分布を見せるのに今年は高気圧の中心が
日本付近に集まった状況になっていた。また300hPaでの負渦度の
位置をプロットしても、例年は散らばるが昨年は日本付近に集中
した状況になっていた。すなわち、日本付近の気団が変わらず
居座りつづけたため、安定した天候が続いたものであると推測した。
・300hPa高層解析図においても、例年は高気圧によるブロッキングの
ためジェット気流が本州上空を通っているところ、昨年はブロッ
キングが働いておらずジェット気流が北海道上空を流れていた。
このことも本州付近の気団が変わりにくかったという推測と整合
した事実である。
・北極振動の値は正だが、ブロッキング効果はきかなかったようだ。
質疑応答があり、参加者から補足の意見も出された。
Q 300hPaでの負渦度の位置は、どうやって見いだしたのか?
A 等高線のパターンから読み取る方法。計算によったわけではない。
Q 北極振動の値はどこからとったのか?
A 三重大学のHPから。
(意見)北極振動の値は緯度で平均をとるので、局部的なできごと
はわからない、ということも考えられる。
・鯉城プロジェクトについて(中野さん)
鯉城プロジェクトの概要と経過、全国の情勢について報告された。
3.ミニ天気図検討会
翌日(2/17)の広島市の天気を予想した。
Aチーム 午前中くもり時々晴れ 午後くもり 夜遅く雨
最低気温:2℃ 最高気温:9℃
根拠など:未明は晴れ間が多く、最低気温はこの値だろう。
最高気温はこう予想したが、夕方頃出るのではないか。
Bチーム 午前中晴れ時々くもり 午後くもり 夜遅く雨
最低気温:3℃ 最高気温:10℃
根拠など:予想の根拠はAチームと同じ。
Cチーム 晴れのちくもり
最低気温:0℃ 最高気温:10℃
根拠など:夜間はよく晴れて放射冷却がおこるだろう。昼間は
西南西の風が入ってきそうだ。
さて結果は、報告者は福山在住のため広島地方気象台の観測データからだけ
みると、
と読めましたが、どうでしょうか?
最高気温7.1℃は12時19分の値でしたが、この日の午後は19時まで
ずっと6度台後半の値が続いていて、午前中よりも高い値がずっと続いた、
という状況ではあったようです。また3時の実況快晴で雲量0であり、
どの時点までかはわかりませんが夜間は晴天だったようです。
4.懇親会
広島駅前(駅ビル内?)「だんまや水産」にて。
すでに参加者からMLに報告があったとおり、人数は少なかったが(3名)、
専門の話から他分野の話まで、また堅い話からやわらかい(?)話まで、
時間を完全に忘れて、大いに盛り上がった。