広島県支部第46回例会報告

日時:2008年2月16日(土)14時〜17時
場所:広島市江波山気象館(広島市中区江波南)   ミーティングルーム
参加者:11名

内容:

(1)「突風に注意を呼びかける新しい府県気象情報の提供開始について」(楠田さん)
 2008年3月から開始される「竜巻注意情報」について、竜巻のメカニズム、情報が発表されるまでのプロセス、予報精度、予報が発表された場合の身の守り方などについて概説いただいた。

(2)出張報告 長期予報利用研究会(2/9)、東京支部会合(2/10)(井上葉子さん:写真一番左)
 長利研・旅行部会、地球環境・気候研究部会での例会概要、東京支部で会合での概要についてレジメで報告いただいた。気象業務法の改正内容(地震動および火山活動の予報)については、再度確認必要ということで、広島県支部でもML上で確認を行った。

(3)「広島の冬の気温とイルクーツクの冬の気温の相関度」(中野さん)
  大陸側の特定地点の気温から、広島の冬の気温動向を予測できないかという試み。イルクーツクと広島の冬季12、1、2月の気温の相関をとったが、相関係数は小さく(r2=0.13)秋田でも試したがr2=0.38程度であった。大陸側の地点の選択方法についても議論された。

(4)「環境政策意見交換会」の報告(後藤)
 1月30日に広島で行われた環境政策意見交換会の報告。環境省広報課によるH20年度環境省重点施策について説明、また、 環境省中国四国地方環境事務所環境対策課からの、子どもから大人までの環境教育についてなどの説明について報告された。また、質問カードを使ったQ&A内容についても紹介された。

(5)「アメダス【4要素】の機械的な説明」(井上貞さん:写真左から2番目)
 広島県内のアメダス観測地点リストをもとに、特殊な観測地点(同じ地点名でも観測要素によって場所が違う)の紹介、気温の観測周期の変更などについて報告された。

(6)ラジオ天気図を描く会
 昨年11/3の「こども天気予報」に続き、今度は支部員自らがラジオ天気図を描くことになった。天気図用紙は、キョーハンブックス(株)発行の、いわゆる1号2号用紙が両面印刷になったものを支部で準備し、各人のレベルに合わせて使用した。
 全員、入試に臨むような緊張感で当日16時の気象通報を迎えたが......
・「南大東島の天気が読まれず」
・「浦河が読まれず、根室の天気が読まれたあと、再び根室の天気として、異なるデータが読み上げられた(ということは先のは浦河の天気?)」というハプニングがあり、一同パニック!?
 幸い、西高東低で前線もなかったので、ラジオ天気図は初めてという方も含め、何とか全員が描き上げた。

(7)天気図検討会(写真左から3番目)
・明日17日も西高東低ではあるが、日本海からの流れ雲の合間からどの程度晴れ間が出るかで各人の最高気温予想に対する開きがあった。

例会後、広島駅前の「笑笑」で懇親会。8名参加。

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広島県支部第45回例会報告

日時:2007年12月22日(土)13-17時
場所:広島市江波山気象館(広島市中区江波南)会議室
参加者:13名(うち1名は新規参加→左の写真)
内容:
(1)12/1地方支部連絡会議報告(大平さん)
(2)10/31防災・減災フォーラム基調講演の内容紹介(大平さん)
 「防災・減災フォーラム2007in広島」での大平支部長の基調講演内容を紹介。広島の降水量、気温等の近年の変化傾向を統計データで紹介した。
(3)11/3「天気予報にチャレンジ!こども天気予報」実施報告(新本さん、井上(葉)さん、後藤、久保田さん)
 広島市江波山気象館の「文化の日イベント」でボランティアとして標記を企画・実施した内容を報告。イベントでは天気のしくみの概説、気象測器の見学、ラジオ天気図の描き方実習、地上天気図と衛星写真を元に予報実習を行った。来年も引き続き実施する方向で検討中。
(4)広島市江波山気象館との打合せ
 2008年7月19日〜8月31日に広島市江波山気象館で行われる巡回展「台風がやってきた」の内容について気象館よりご説明をいただき、展示説明員協力について打ち合わせた。
(5)11/10気象学会関西支部例会での発表内容報告(大野さん)
 「広島市平野部の海風による積乱雲の発生」について、広島湾からの海風と中国山地側からの北東風によって積乱雲が発生するメカニズムを、広島市内14箇所の観測データと解析雨量を元に検証した。
(6)筋状雲の実験実演(安達さん→真ん中の写真の右側)
 ドライアイスの低温ガス流を温水浴上に走らせて筋状雲を生成させる実験を、気象館の実験室を拝借して実演。実験の文献だけではわからない、温水浴の条件、ドライアイスの性状調整など、キーとなるノウハウを説明していただいた。
(7)広島県内のアメダス見学報告(中野さん、熊谷さん)
 竹原の最高気温の動向が、他の広島県内のアメダスと異なることから、東広島、竹原、呉のアメダスの設置環境を中野さんほか4名で見学。来年は広島東部、北部の見学会も計画予定。
 熊谷さんは勤務先近くの因島アメダスを見学し、報告された。
(8)インド洋ダイポールモード(IOD)現象について(上垣内さん)
 新聞の切り抜きを元に標記現象について話題提供された。討議ではエルニーニョ/ラニーニャとIODで変化方向が逆の場合、日本への影響はどちらが卓越するか?など議論された。
(9)天気図検討会(全員)
 前回と同じく、冒頭で参加者一人一人の予想結果を申告した上で、天気図検討した。例会当日の22日は南岸低気圧の影響で朝から雨。各自の予想(21日12Z初期値で23日の広島を予想)は:
天気=朝から晴れ〜午後から晴れ
最低気温=3〜8℃
最高気温=11〜14℃
となった。またガイダンスと各自の予想の差も議論された。
天気については予想の差が大きく、南岸低気圧が抜けて北寄りの乾燥大気が流れ込むタイミングの判断で差が出た模様。

 例会終了後、広島駅南口の「焼肉とキムチの楽匠 康」で忘年会
。気象館の方も駆けつけていただき、12名参加して今年を締めくくった。

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広島県支部第44回例会報告

日時:2007年10月20日(土)14-17時
場所:広島市安芸区民文化センター(JR海田市駅西)
参加者:14名(うち、香川県より1名参加)

内容:
(1)新規合格者案内会2007in広島
 広島県内の新規合格者が3名と少なかったせいか、今回は残念ながら参加者ゼロで流会となった。

(2)「呉市・野呂山で見られた上空の波動場に起因する雲について」(安達さん)
 2006年5月19日17時過ぎに東広島市の南側に位置する野呂山(標高839m)で観察された、山岳波に起因すると思われる笠雲について紹介した。大学校舎の窓にセットしたデジカメで撮影した動画を紹介した。南寄りの風に乗って手前に移動する下層雲とは独立して野呂山上で静止する笠雲を捉えていた。

(3)冬季日本海の筋状雲の再現実験について
 ドライアイスを用いた標記実験方法について文献を用いて紹介した。支部イベントのレパートリーの一つにすることを目標に、次回例会で実験すべく準備を進めることになった。

(4)「広島市の最高気温について」(井上貞さん、中野さん)
 最初に井上貞さんから、広島市の夏の日最高気温の傾向を今年と昨年を比較して述べた。
 次に中野さんが、過去の夏の広島市の最高気温の特徴について調べた。広島県内では日最高気温記録を更新したのは府中市一箇所だけで、広島市の日最高気温は史上10位以内にも入らなかった。最近では94年、04年が暑かったが、広島市で日最高気温が38℃を超える場合に、午後過ぎまで北寄りの風(=陸風)が吹くことが特徴として挙げられた。この点について議論が交わされ、山地を滑降するだけで昇温する広義のフェーンがあるのかどうか、今後も調べることは広島の局地気象の調査として意義深いとの意見もあった。

(5)「今年の広島県の米の作柄について」(後藤さん)
 中国四国農政局の後藤さんから報告。ことしは最初低温で穂数は少なめであったが、夏の高温で登熟が良好であったため差し引きゼロとなり、現時点での広島県の作況指数は100となった。

(6)「気象学会参加報告」(楠田さん)
 札幌での気象学会秋期大会での注目発表(400mメッシュ台風解析など)について報告した。

(7)天気図検討会
 今回から検討会のさらなる活性化のため、検討に入る前に事前準備した各自の予報(10/21の天気、最低、最高気温)を一人ずつ発表し張り出してから天気図の検討に入ることにした。あらかじめ参加者の予報の幅がどの程度あるのか、誰がどのように考えているのかがわかってお互いに議論がしやすくなった。
 予報と実際の差は最高気温は0〜3℃の差であったが、最低気温は4〜5℃外した。19日12Z初期値で予想したよりも寒気の北上が遅かったこと、放射冷却が強かったことが原因と考えられる。

例会後、広島駅新幹線口下の「おさかな市場」で懇親会。9名参加。

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