広島県支部第40回例会報告
日時:2007年 2月17日(土)14-17時
場所:広島市青少年センター(広島市中区 広島市民球場西隣)
参加者:12名

(1)話題提供
a)「台風200514号の雨量が台風200613号と比較してなぜ多くなったか?(中野さん、前回の例会での質問対応)
 T0514とT0613は広島からみてほぼ同様のコースをたどりましたが、雨量はT0514が4倍の雨量となりました。両者の違いとしてT0514では500〜850hPaの相当温位が高く、その原因として、T0514では太平洋高気圧が隣接していてその縁辺からの暖湿流が影響したこと、またT0514の進行速度が遅かったことも影響したことが考えられます。

b)「エルニーニョによる世界の気候変化」(中野さん)
 「今年はエルニーニョだから暖冬」というのは広島の平均気温動向の当てはまるかどうかを気温データから検証しました。1989〜2006年の四季毎の平均気温の変化とエルニーニョ、ラニーニャの発生状況を比較しました。冬期(12月〜2月)の平均気温はエルニーニョで暖冬、ラニーニャで酷寒傾向といえそうです。他の季節では冬ほどの相関はありませんでした。一方で、広島の冬期の平均気温はこの10年で下降傾向であることが興味深い結果になりました。

c)「この冬の暖冬について」(井上貞さん)
 この冬の暖冬傾向を報じる新聞スクラップの幾つかを題材にした話題提供。長期的な気温の高低比較を行う際にどのような気温の統計量を用いるのがもっとも適当かについて議論されました。

d)「長利研例会参加報告、FMななみ出演報告」(井上葉子さん)
 東京帰省を兼ねて標記研究会に参加した内容について報告されました。また「全国有志親睦団体の成果発表大会2007」の聴講内容についても報告されました。さらに広島・五日市のFMななみへの出演内容についても報告。わずか3日前に広島県支部への出演者募集依頼ではありましたが、「2/16天気図の日」にちなんだ内容を朝の情報番組で話されました。

(2)2007年度の支部活動内容についてのアイデア自由討論
 来年度の活動内容(特に例会以外の部分)について討議。多数の意見が出ましたので、内容をまとめて次回4/21の例会で絞り込むことにしました。

(3)天気図検討会
=例会当日の解析については特に気温が4〜6℃程度で寒い雨降りの日となった理由について議論されました。また翌日の予想については最高気温どこまで上がるかが議論となりました。

☆懇親会☆=例会後、紙屋町の坐・和民にて8名参加。

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広島県支部第39回例会報告


日時:2006年12月16日(土)14-17時
場所:広島市青少年センター(広島市中区 広島市民球場西隣)
参加者:12名

(1)地方支部連絡会議報告、H18年の水稲の作柄、「小さい秋見つけた?」(後藤)
 H18年の広島県の水稲の作況指数は結果として97で、100を切った理由は、7月までの日照不足でモミ数が少なかったことと、登熟後の虫害(カメムシ)で収量が減ったことが挙げられるとのこと。
 「小さい秋見つけた」では、秋の訪れを、気温の特定値(15、10、5℃)を下回った初日の年々変化を示し、1961年以降、3年で約1日遅れるペースであることを示した。また、真夏日、夏日、最高気温20℃以上の夏以降の最終日についても年々変化を調べ、0.2〜0.25日/年のペースで遅くなっていることを示した。

(2)新入案内会in大阪の報告(井上[葉])
 広島での案内会に続いて大阪での案内会にも出席された井上さんから、席上で紹介のあった関西支部の活動について紹介。アクティビティの高い内容に触れ、広島でも再度活動内容について議論の必要性を感じた。

(3)この時期(初冬)の天気予報の注意点(井上[貞])
 2004年12月、中国新聞・加計支局の記者(この方は残念なことにT0613の大雨の取材中に行方不明になられています)からの「今年はいつになったら雪が降るのか」との質問に宛てた書簡を題材に標記を解説。気象に明確な興味を持って質問される一般の方に対しての答えの一例を示していただいた。

(4)2005年台風14号の豪雨について(中野)
 日降水量472mmに達するところもあり、土砂災害を広島西部の各地にもたらしたT0415の大雨についての考察。この台風は広島接近時に日本海を通過したため、南寄り暖湿流を多く受ける形となった。そして、豊後水道を抜けて広島北西部の山地を暖湿流が滑昇する条件で広島西部で大雨となっている。顕著な災害地点の降水状況の例示するとともに、中野さん自ら車で災害地点を回った際の写真を示したいただいた。

(5)神奈川・遠藤さんからの話題提供
 今回、当支部を訪問された遠藤さんから、まず気象キャスターの「準備体操」と「美しい立ち姿を簡単に作る方法」をご伝授いただきました。 つづいて、天気図検討会に先立ち、遠藤さんご自身の天気図解析方法についてご披露いただきました(遠藤さん、大変参考になりました。どうもありがとうございました)。

(6)天気図検討会
 いつもは中野さんにリードしていただいている解析の部分を、今回は遠藤さんの方法も参考にして参加者全員で取り組んだ。いつも壁に貼り出している大判の天気図に全員が手分けして色塗りと解析に取り組んだ。 例会の翌日はこの冬1番の寒気流入ということもあり、広島の初雪の有無や気温に議論の焦点が当てられた。解析を皆で手分けして行ったことでいつもより参加者の議論も活発な検討会となった。

 例会後、広島県立体育館内レストラン「アリーナ」で懇親会(7名参加)。遠藤さんにもご参加いただき、今年の例会の締めくくりの楽しいひと時を過ごした。

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広島県支部第38回例会(兼・予報士会案内会広島)の報告です。


日時:2006年10月21日(土)14-17時
場所:広島市西区民文化センター 美術工芸室
参加者:7名+案内会参加3名

内容:
(1)「日本気象予報士会案内会2006秋【広島会場】」
 3名(男性1、女性2)参加。アイスブレイクも兼ねて冒頭の自己紹介は既存会員も含め全員で実施しました。(日本気象予報士会)理事会にてご作成いただいた資料(ありがとうございました)+広島県支部の紹介を大平理事が行いました。

(2)「'06/9/16の集中豪雨について」(中野さん)
 台風13号が接近した去る9月16日に広島市北西部の山間部の山間部では積算で200〜300mmの大雨となり、河川護岸崩落等が多発した。護岸崩落現場を自ら車を走らせて視察した写真レポート、および大雨の成因について論じました。今回の大雨は、風速が小さいものの南西、西南西方向からの暖湿流の収束があったことと、中国山地での大気の持ち上げがあったのではと推定しました。

(3)「Excelでチャレンジ!最高気温予測(第2報)」(久保田さん)
 第36回例会で報告した内容の続報です。多重回帰に用いたデータの範囲(SUGUDASS、気象庁Web)を2005年12月〜2006年5月から、2006年9月までに拡張しました。多重回帰の残差のばらつきは前回と同等です。今後は、さらにデータ数を増やすとともに、現在実測値を用いている日照時間、絶対湿度のパラメータをGPV等を利用して予想値に置き換え、推定精度を吟味する予定です。

(4)「広島県の今年の水稲の作柄について」(後藤)
 6月〜7月の日照不足で出穂期が2日遅れ、1平方メートル当たりの穂数も少なくなったが、1穂当たりのもみ数と登熟は梅雨明け後の高温多照で良好となりました。その結果、今年の広島県の水稲の作況指数推定は南部99(平年並み)、北部97(やや少ない)と予想されました。(その後、10/26付10/15時点の指数は南部97北部98となりました)

(5)広島県支部のホームページについて(後藤)
 予報士会より割り当てとなった広島県支部のHPサイトについて、ホームページのデザイン案を提示。コンテンツに関してはさらに内容を支部MLで詰める予定です。

(6)天気図検討会(キーマン中野さん+全員)
 10月22日(日)の広島の天気について、20日21Zのデータをもとに討論した。23日に向けて下り坂となると予想されますが、22日にどの程度雲が広がるかが焦点となりました(実際には予想よりも雲の広がりが早く、最高気温は2℃ほど低くなりました。また雨の降り出しも早まりました)。

(7)懇親会
 案内会参加者も含め、横川駅前の「鉄板居酒屋 楽多来屋」で開催しました。

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