気象予報士会埼玉支部主催さくら開花調査

★ソメイヨシノの見分け方  コツをつかめば見分け方は比較的簡単です!

級編 ソメイヨシノを見つけよう                      上級編へ

 桜の木が見つけられれば、あとはあまり難しく考えることはありません。まず街中の公園や学校などに植えられている桜で、大形の一重の白色〜微淡紅色の花を葉が広がる前にたくさん咲かせる桜は、そのほとんどがソメイヨシノであると考えてよいでしょう。ソメイヨシノは他の桜と比較すると圧倒的に個体数が多いものですから、あてずっぽうで桜の木を選んでもソメイヨシノである可能性が高いものです。しかし、それではいくら気軽にできるとは行っても開花の調査としては心もとないので、少し見分け方を上げておきます。実際には調査対象木を選ぶときにはまだ花や葉の様子が分からないと思いますが、まずは開花の時期と個体数から考えてみると、調査対象木として選んだ個体が明らかに周囲の多くの桜がまだ固いつぼみであるのに咲き誇っているとか、周囲の桜がたくさん咲いているのに明らかに全く咲く気配がないという場合は、選んだ桜がソメイヨシノでない可能性が高いと考えましょう。それから、気象庁からの開花の発表の状況も参考になります。周囲の気象官署で開花が発表されているのにまったく開花しそうにない、逆にすでに開花してよく咲いているのにまだ近くの気象官署で開花が発表されない、などの場合です。間違えが分かった時点で調査対象木を変更するのは仕方がありません。至急調査対象木を変更してください。

    
           ソメイヨシノ                      エドヒガン

    
           カンザクラ                       ヤマザクラ

 それでは、次に注意すべき桜の品種をいくつか紹介します。桜の品種で最も早く咲くのは、カンザクラの仲間です。開花の時期が2月中旬〜3月であるため、ソメイヨシノと判断することはないようですが、一見すると開花の時はまだ葉が伸びていないなど、ソメイヨシノによく似ているところがあります。伊豆半島で早春に咲くカワヅザクラカンザクラの仲間です。全体的にカンザクラの仲間は花期が長く、花の色もピンク色が目立ちます。うつむきかげんに咲くことも見分け方のポイントです。3月になっても咲き続けていますが、ソメイヨシノが咲く頃にはほとんど散っていて葉も展開しています。琉球地方で桜の開花に使われている紅色のカンヒザクラカンザクラの仲間と考えてください。
 次に、エドヒガンの仲間はソメイヨシノよりもやや早く咲き始めますが、大きな差はなく花期が重なります。しかも開花期にはまだ葉は展開していません。長寿の桜として大木になり、各地で観光客が集まる桜として親しまれていますので、十分に間違えてしまう可能性があります。しかし、慣れてくれば、エドヒガンは花の大きさがソメイヨシノよりも明らかに小さく、花の密度も低く華やかさはソメイヨシノにおよばないことから違うことがわかります。見分け方のポイントとしては、萼筒(がくとう)の赤味が目立ち下部が丸く膨らんでいる点を上げられます枝垂桜の仲間もその多くはエドヒガンの仲間です。
 次に花期が重なる桜として、ヤマザクラオオシマザクラを上げておきます。しかしどちらも花期には葉がすでに展開していますので、注意して見れば分かります。この2種はどちらも花だけ見るとソメイヨシノに近いので明らかに葉が出ているかどうかで判断する必要がありそうです。

 

 

早春に咲く河津桜は特にピンク色が濃い

 

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