桜の木が見つけられれば、あとは難しく考えることはありません。まず街中の公園や学校などに植えられている桜で、大形で一重の白色〜微淡紅色の花を葉が伸びる前にたくさん咲かせる桜は、そのほとんどがソメイヨシノであると考えてよいでしょう。桜の品種はたくさんありますが、ソメイヨシノは他の桜に比較すると圧倒的に個体数が多いものですから、あてずっぽうで桜の木を選んでもソメイヨシノである可能性が高いものです。しかし、それではいくら気軽にできるとはいっても開花の調査をするには心もとないので、少し見分け方を上げておきます。
実際には調査対象木を選ぶときにはまだ花や葉の様子が分からないと思いますが、まずは開花の時期から考えてみましょう。調査対象木として選んだ個体が明らかに周囲の多くの桜がまだ固いつぼみであるのに咲き誇っているとか、周囲の桜がたくさん咲いているのに明らかに全く咲く気配がないという場合は、選んだ桜がソメイヨシノでない可能性が高いと考えられます。それから、気象庁からの開花の発表も参考になります。周囲の気象官署で開花が発表されているのにまったく開花しそうにない、逆にすでに開花してよく咲いているのにまだ近くの気象官署で開花が発表されない、などの場合です。明らかに間違えであると分かった時には調査対象木を変更するのは仕方がありません。調査対象木を、近くにある他のソメイヨシノと考えられる木に変更してください。次のソメイヨシノの写真を見て、その特徴をつかんで下さい。
ソメイヨシノ
( Prunus
×yedoensis cv. yedoensis )
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花 期:3月下旬〜4月上旬
(関東地方)
花の大きさ:3〜4cm
花の色:白〜微淡紅色
花 序:散形状で3〜4花
萼 筒:筒状壺形で上部が
わずかにくびれる
萼 片:長細く鋸歯がある。
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