1.オオヤマザクラ(エゾヤマザクラ)
主に本州〜北海道に分布するヤマザクラ系の桜。淡いピンク色花を葉の展開と同時に咲かせる。ヤマザクラよりもやや大きくピンク色が目立つ。ヤマザクラと分布が重なるところではより標高の高いところに分布し、雪の多い日本海側に目立つ桜である。気温が低くソメイヨシノの生育状態が悪くなる北海道東部では桜の開花に本種が使われている。
2.ソメイヨシノ
いわずと知れた桜の開花前線に使われている桜で、桜の木の代表種であるといえる。北海道北部〜東部や琉球を除く全国に植栽されることによって分布を広げてきたが、その起源は江戸時代までさかのぼれるに過ぎない。ほぼ白色の大輪の花を咲かせるが、雑種であるためサクランボもほとんど実らず、あまり長寿にはならない。水平的な分布域だけを見ると冷温帯の代表種であるブナ林の分布とよく似ている。 3.カンヒザクラ
ソメイヨシノの生育には逆に暖かすぎる沖縄県では、桜の開花というとこのカンヒザクラによって観察される。本州のソメイヨシノのように開花前線は北上しないで、琉球地方を南下することが多い。紅色の花を釣鐘状に下向きに咲かせ、ソメイヨシノとは印象が全く違う。本州でもよく植栽されているが、ソメイヨシノよりも花期が早く、また長いのが特徴で、開花の特性はかなり違う。 |