晩秋〜冬(花芽の休眠)
落葉樹のさくらは秋の気温の低下に伴い落葉して休眠に入る。この頃から冬の間にある程度の寒さを経験することにより、花芽はぐっすりと眠ることができる。そして、この寒さの経験の度合が春先の開花の早晩に関係することになる。
早春(花芽の目覚め)
立春を過ぎて暖かくなり始めるころ、花芽が目覚める。まだ気温が低いので花芽の生長は目立たない。また、秋〜冬の気温が高く経過すると目覚めが悪くなり、逆に開花が遅れる原因となる。この開花の早晩に影響する秋〜冬の寒さの度合いをチルユニットといい、これをもとに補正して開花を予想している。
春が進みつぼみが膨らむ
しだいに気温が高くなり、つぼみが膨らんでくる。この頃の気温が花芽の生長にとって一番大切であり、開花の早晩に関係することになる。現在の開花の予想は、花芽の生長がある標準温度では温度変換日数(DTS)という指標で1日分生長すると仮定して、毎日の平均気温から温度変換日数を計算し、それを積算して一定の値を超えた時に開花するという考え方から行っている。
いよいよ春本番ひとつの花芽からつぼみが2〜4個
暖かくなってくると、ぐんぐんつぼみの生長が進み、1本の花柄から2〜4本の小花柄が伸びてくる。通常は木の下部ほど生長が早く進む。開花するのはいつか?最も気になってくる時期である。
春爛漫!さくらの開花
暖かな春の日、いよいよさくらが開花する。さくらの開花の基準は現在、5〜6輪の花が開いた時と決められている。また、満開は木全体の8割以上の開花を基準にしている。さくらの開花予想に必要な温度変換日数は、それぞれの地点で過去の気温データを利用して統計的に求めていて、この温度変換日数の積算開始日(起算日)も同様に統計的に求められている。 |