第122回例会
日時:2021年6月26日(土)13:30〜16:45
場所:広島市西区民文化センター 大会議室C
   + Zoomによるリモート併用
参加者:14名(会場6名、リモート8名(うち岡山支部、西部支部各1名))

内容:
1.事務連絡(中野支部長)

2.近況報告(全員)

3.講演「最近の防災気象情報の改善について」
  広島地方気象台 薬師神予報官 様
1) 平年値の更新
・新平年値では、年平均気温は全国的に0.1℃から0.5℃程度高くなり、降水量は多くの地点で10%程度増えている。
・平年値の更新により、気温階級が変化した(「高い」が「平年並」に)。
・「高温に関する早期天候情報」の回数が減る可能性があるが、熱中症リスクが減るわけではないので、注意が必要。
・広島の場合も気温上昇は明瞭で、8月の日最低気温は25.1℃で、平年値が熱帯夜となっている。一方、最低気温0℃未満の冬日は減少している。
・その他、雷日数、台風、桜の開花、梅雨についても説明があった。

2) 熱中症警戒アラート
・暑さ指数(WBGT)を用いた「熱中症警戒アラート」が今年度から全国展開される。
・都道府県内のどこかの地点でWBGTが33を超える場合に、府県予報区等単位で発表される。
・昨年夏に先行実施された関東甲信地方では、26回発表された。

3) 顕著な大雨に関する情報
・「顕著な大雨に関する〇〇県気象情報」が今年度出水期から発表される。
・現状では、実況で検知したときに情報提供される。
・この情報は警戒レベル相当情報を補足する情報で、警戒レベル4相当以上の状況で発表される。
・中長期的には、線状降水帯による大雨の予測精度向上を目指し、洋上観測の強化やアメダスに湿度計導入などが順次計画されている。

4) 最高・最低気温の予想方法と留意点
・数値予報に対し、系統誤差(モデルと実際の地形の違いなど)の補正が行われている。
・ランダム誤差(前線の位置ずれなど)の修正はできないので、気温の予測が外れる場合がある。
 数値予報の天気の外れ、短時間強雨を表現していない場合なども修正できない。
・広島(瀬戸内沿岸)では、海風の入るタイミングで最高気温が左右されることがある。
・庄原(山間部の盆地)は気温の日較差が大きいが、放射冷却や天気の予測の影響を受けることがある。

4.「蔵書シェアの実施要領(案)」について意見交換(上岡会員)
・支部員が保有する蔵書の貸し借りを行えるようにするため、蔵書リスト作成に7月から着手する予定。

5.天気図検討会(全員)
・翌日(6/27)の広島市の天気を予測する天気図検討会を久し振りに実施。
・現状、グループで議論しながら検討することができないため、事前検討に基づき、3名の会員が各自の予測シナリオを発表した。



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