日時:2011年2月19日(土) 13:00〜17:00
場所:東京文化会館(上野)
満席の中、盛況のうちに終えることができました。出席者は講師を含めて61名と、あやうく「立ち見」が出るのではと危惧したほどでした。
1.会員からの話題提供
「テレビ防災報道の舞台裏 〜より早く正しく伝えるために〜」
渡辺保之会員
昨年10月の例会において、時間が押したため10分ほどしかお話が窺えなかったものにつき、改めて発表をお願いしたものです。
災害報道の実際、用語の議論など、動画をまじえ、かつユーモラスにお話をうかがいました。
「大津波の津波情報」「(いわゆる)ゲリラ豪雨」など、頭にフレーズが残っています。
2.講演(1)
「JAXAの気象関連衛星の現状と将来計画」
宇宙航空開発研究機構(JAXA) 宇宙利用本部地球観測センター
主任研究員 沖理子様
沖理子さんには、JAXAの気象関連衛星の動向につき、今まで見たこともない豊富な資料でお話をうかがいました。
マイクロ波放射計でのリモートセンシングについて、日本が最先端の技術で研究を進めていることなど、印象深かったです。また、沖さんは、赤道域の降水量観測を専門にしており、海洋・大陸での降水する時間の違いなど興味深い画像が満載でした。
そして、JAXAの観測データは解析が追いついておらず、いわば「宝の山」のようです。気象予報士会の会員の皆さまで、データ処理がお得意な方は是非とも、活用してみてはいかがでしょうか。
3.講演(2)
「気象衛星と数値予報」
気象研究所 岡本幸三会員
21世紀に入り、解析精度が大幅に向上しました。その理由について、スーパーコンピュータの導入、四次元変分法の全球モデルへの活用がいわれていますが、JAXA等による極軌道衛星での観測データも大きな役割を果たしているとの内容でした。
最後に、2014年の打ち上げられる次期静止衛星についての、センサーの説明がありました。
従来の気象衛星画像を抜本的に進化させるもので、こちらについても大いに期待しているところです。
(文:田家 康)
日本気象予報士会東京支部 第47回会合