第121回(2026/3/22)神奈川支部例会

横浜国立大学常盤台キャンパス S2-1 都市科学部講義棟 101室:対面形式

招待講演

気象庁大気海洋部気象リスク対策課 アジア太平洋気象防災センター所長 石原幸司 様

台風情報の高度化と最新の国際情勢
近年の計画運休や広域避難といった外部環境の変化を背景に、早期かつ詳細な台風情報に対するニーズが高まっています。こうした状況のもと、住民の主体的な行動や自治体・事業者の判断を促す情報提供について、これまでどのような検討が行われてきたのか、また今後どのような形への転換を目指していくのかをご解説いただきました。具体的には、以下の3点を中心に詳細な解説をしていただき、台風の発生可能性や風・波・高潮の分布といった情報提供の在り方から、ユーザーの利便性を高めるための具体的な情報設計に至るまで、幅広い観点から検討が進められていることがイメージできました。
 ・台風発生前の「早めの備えを促す情報」の改善
 ・台風発生後の「台風の特徴を伝えるきめ細かな情報」の改善
 ・台風情報の解説の充実に向けた取組
また、気象庁職員の間でもあまり知られていないという、台風予報における気象庁の国際的な役割について、台風委員会の位置づけや命名方法に関する意外なエピソード、さらには石原先生ご自身の関わりとあわせてご紹介いただきました。
参加した会員の関心も非常に高く、最後まで質問の絶えない、大変興味深い時間となりました。

気象予報士会会員発表

荒川知子 会員

『さいえんす茶会』という取り組み
サイエンスカフェの番外編として、「さいえんす茶会」をトライアル実施した。「茶道の季節感と気候変動」として気候変動の現状と予想、気象災害について話した後、天気に関わる道具立てで茶会を行った。この取り組みを通し、茶道関係者には、気象を身近なものとして防災意識向上に役立てることが、また茶道に初めて接する方には、その魅力を伝えることができた。今後、継続的に開催して、気象知識の普及・啓発に役立てたい。(発表者記)

池辺豊 会員

スペインの再エネ事情
2月に観光旅行で訪れたスペイン。再エネ大国として知られ、風力発電でも太陽光発電でも先進地域とされます。しかし、各地で観察したところ、風車も太陽電池パネルもほとんど見つけられませんでした。これは意外なことです。日本のほうがよほどあちこちで見かけます。ただし、EVの充電スタンドについては、同国のEVがさして普及していないのにも関わらず、高速大容量の設備が地方にあったのには驚きました。(発表者記)

卒論修論発表会

横浜国立大学筆保研究室および吉田研究室の学生の皆さんに、卒業論文・修士論文の発表をしていただきました。複雑な数値予報モデルの活用やアルゴリズムの確立などを通じて、気象予報の将来を担う最先端の研究に取り組まれており、これらがどのように実用化へとつながっていくのか、今後の発展に大きな期待が高まる内容ばかりでした。

中西希和さん(B4 筆保研究室)

定量的な雲量判別方法の開発と雲量から見た大学上空の季節変化 

東原拓哉さん(B4 筆保研究室)

超水滴法を用いた台風環境場における積乱雲に 対する数値実験

鈴木大喜さん(B4 筆保研究室)

台風の強度予測精度を向上する海表面観測に対する感度解析/OSSE

荒川真衣さん(B4 筆保研究室)

回転水槽を用いた台風内部コアにおける渦ロスビー波の再現実験

工藤有輝さん(M2 吉田研究室)

理想化数値実験を用いた雲粒核数の増加による台風構造変化メカニズムの解析

庄山翼さん(M2 吉田研究室)

大気場が関東平野における大雨の将来変化に及ぼす影響

幸崎颯斗さん(B4 吉田研究室)

気候データを用いた関東平野における6種類の海風型分類

塩濵颯和さん(B4 吉田研究室)

実大気シミュレーションにおけるKain-Fritsch積雲スキームの格子間隔依存性解析

集合写真

例会の最後には、参加者全員で記念撮影をし終了いたしました。
その後の懇親会では、講師の石原先生、横国大の筆保先生および学生の皆さんにもご参加いただき、にぎやかに交流を深める貴重な機会を持つことができました。
参加者数 予報士会員49名 横浜国立大学関係者16名
     懇親会 41名

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