慶応義塾大学 日吉キャンパス 来往舎2階 大会議室:対面・リモートの併用型
内容
総会議決結果報告等
総会議決結果報告
第1号議案から第4号議案まで全ての議案が可決されました。
支部表彰
新井勝也会員
神奈川支部を総括し例会・防災出前講座を推進した事による支部活動への貢献
広野守会員
企画部門を担当し例会幹事の業務軽減や写真展開催を通した支部活動への貢献
上記表彰内容によりお二人が表彰されました。
招待講演
東京大学名誉教授
環境防災総合政策研究機構 副理事長 兼 環境・防災研究所長 山梨県富士山科学研究所 所長
藤井敏嗣様

富士山噴火に備える
富士山は1707年の宝永噴火までは30年に1回は噴火を繰り返した活火山ですが、その後は300年間噴火していないことから、いつ噴火しても不思議ではありません。火山としての富士山を知って、次の噴火に備えたいです。講演では火山および噴火に関する基礎的な事項、富士山の噴火履歴とそれに基づくハザードマップや避難計画などが紹介されました。また、首都圏に広域火山灰被害をもたらす大規模噴火の影響と降灰対策の検討状況などを解説されました。
火山噴火の仕組みに関する解説の中では、爆発的噴火の原因は水であること、日本のような島弧のマグマは水を含むので爆発的噴火を起こしやすいことが強調されました。
会場参加者、リモート参加者からは複数の質問があり、丁寧なお答えを頂きました。
気象予報士会会員発表
高木育生 会員
宇宙アサガオの種子の頒布と植え付けの注意事項
宇宙アサガオは、山崎直子宇宙飛行士が2010年にスペースシャトルに持ち込み、宇宙に滞在したのち帰還したアサガオの種子から育った子孫で、神奈川支部ではお馴染みです。丁度種子の植え付け時ということで、植え付けに関する留意事項を写真で丁寧にご紹介下さいました。
発表のなかで、昨年の夏に滝のように咲き誇ったアサガオの写真もスクリーンに映し出されました。また、休憩時間に種子の配布があり、参加者は喜んで持ち帰りました。
広野守 会員
高校地学でプレートテクトニクスを習いましたか?
高校地学教科書において、古い造山論から新しいプレートテクトニクスへ移行するのに10数年かかっており、これには当時の学会の状況が影響していました。最新の高校地学教科書は地象・気象分野の現在地点を網羅的に把握するのに大変よい教材でありお勧めです。1990年代以降、観測技術の進歩により地球の内部のことが少しずつわかるようになりプレートテクトニクスも日々進化、修正が成されています。常に最新の知見にキャッチアップしていくよう心がけたいと思います。 (発表者記)
松本直記 会員
スマート望遠鏡活用ガイドブックの紹介
スマート望遠鏡は、スマートフォンで操作ができる小型で高性能の天体望遠鏡です。その進化は著しく、安価で入手できるものも登場しています。簡単に天体の写真が撮れるため、観望会に参加した際、観測した画像を持ち帰れるというメリットもあります。また、特定の天体を継続観測することは、天文学研究の入門になります。今回は、天体観測に革命をもたらしたスマート望遠鏡を、より簡単に始められるようにと作成した「ガイドブック」について、作成時の様子を交えて紹介いただきました。また、実物の回覧もあり、天文好きの参加者は熱心に見ていました。なお、スマート望遠鏡活用ガイドブックPDFは、以下の大阪市立科学館の渡部義弥氏のページからダウンロードできます。
橋本耕一 会員
大雪時の箱根新道の通行止めについて
発表者の勤務先である国土交通省の事務所は、神奈川県内の国道を管理しています。国道1号の箱根新道は標高差が大きいため、麓は雨でも峠での降雪により通行止めとなる場合があります。降雪時の通行止めの判断には、様々な資料をこまめに見ることが必要です。アメダスでは降水量しか観測していないため、降雪は把握しきれないという問題があります。降雪の判断には、箱根峠の実際の標高に相当する950hPaよりも850hPaの温度場が合致する場合があることがわかりました。今年3月の事例を挙げ、検証されました。
発表のおまけで、見事に咲いた昨年の宇宙アサガオの写真も紹介され、参加者からは歓声が上がりました。
和田光明 会員
“集中豪雨”の始まり
ジャーナリストが作った“集中豪雨”という言葉が初めて使われたのは、昭和28年8月14日から15日にかけて京都府南部の南山城周辺で発生した豪雨に対してです。昭和33年7月1日の新聞記事による浜田豪雨に対して最初という時期もありました。1994年気象7月号の宮澤清治氏による “言葉の始まり『集中豪雨』”にそれらの経緯が載っています。今回は、そこで触れられている新聞記事などを紹介しました。また、京都お天気歳時記(かもがわ出版1987年)の“南山城大水害(池田 碩)”を基に“最初の集中豪雨”の様子を紹介しました。 (発表者記)
集合写真
参加者数 対面参加者:48名、オンライン参加者:30名、計78名
懇親会(小青蓮日吉店):38名


