横浜国立大学 常盤台キャンパス 教育学部講義棟6号館 102教室:対面形式
内容
招待講演
海洋研究開発機構 付加価値情報創生部門 地球情報科学技術センター 特任研究員 伊東瑠衣 様

気候変動予測研究に関する日本の取り組みと最新の動向
まず地球温暖化について、人為的なCO₂の放出により温室効果バランスが崩れる仕組みと、現在までの温暖化の急激な進行と降雨の変化をグラフで確認しました。気候の将来予測では、大気海洋結合モデルを使い複数シナリオを用いたシミュレーション結果による世界各地域の気候将来予測と、大気モデルのみを使った高解像度のシミュレーションによる日本の梅雨、台風の予測と評価を考察しました。その後、最新の研究動向ではイベントアトリビューションの確率的評価が紹介されました。さらに国際的動向をふまえ、温暖化対策の必要性を個人個人が行動で示し、社会全体で温暖化を緩和させることが重要と結びました。
横浜国立大学 筆保研究室および吉田研究室 卒論修論発表会
北野湧斗さん
雲粒数濃度の違いによる台風の強度・構造に対する感度実験
軍司大輔さん
台風経路アンサンブルシミュレーションと仮想土砂キキクル計算を用いた経路別・地域別の土砂災害危険度
大平万葉さん
台風観測塔で得られた高解像度気象データに基づく短周期風速変動の解明
持田岳澄さん
理想化台風シミュレーションを用いた海面水蒸気フラックス介入の台風強度への応答
手塚航太さん
関東平野における夏季夜間の局地的大雨発生に対する都市の影響
藤森明莉さん
Large Eddy Simulationによる東京国際空港周辺における晴天乱気流の評価
福井章真さん
説明可能AIを用いた台風の強度変化と雷活動の関係の気象学的解析
名倉あかりさん(体調不良のため吉田先生が代理で発表)
温暖化が熱帯低気圧の降水量に及ぼす影響
気象予報士会会員発表
山田俊介 会員

損害保険の風水災リスクモデルの今
損害保険・損害保険料率・損害保険料率算出機構について、そして合理的・妥当・不当に差別的でないという保険料率の原則(料率三原則)の紹介をして頂きました。次に自然災害は年々のブレが大きく統計実績のみでは安定的な評価ができないことから、データ量の不十分さを補うために、リスクモデルにより仮想的に災害を発生させるシミュレーションを行うことが必要だということです。自然災害リスク評価モデルには、風災モデル、水災モデル、雪災モデルなどがあり、極端現象を評価できるようシミュレーション回数を適切にします。ここが気象・気候モデルとリスクモデルの違いともいえます。リスクモデルを開発・運用している損保業界では、損保料率機構モデルの位置づけ、風災・水災の統合評価、リスクモデルへの気候変動影響の反映が注目されています。今後の展望としては、局所的な気象災害、個別建物のリスク評価、台風制御によるリスクについて議論されていくだろうということでした。
集合写真
参加者数 予報士会員51名、横国大関係者22名、合計73名

