第17回波浪研究会(大洗波浪観測会) | |||||
1.日時:平成22年2月13日(土)13:00〜14日(日)am | |||||
2.場所:茨城県大洗磯前神社付近の海岸および民宿旅館 白浜荘 | |||||
3.参加:合計15人 | |||||
4.勉強会概要 | <観測>大洗海岸にて波浪の実況観測 | ||||
当日の大洗はみぞれ模様のあいにくの天気でした。観測を翌日に順延する案 も出されましたが、先生の「今日の波の方がいいと思います」の一言で 決行となりました。 大洗磯前神社に参拝後、目の前の海岸へ出て観測開始です。波の状況(453kB) まずは「波向」の観測から。 コンパスを使うときは、偏角の補正を忘れないようにと注意を受けました。 沖合のうねりを見て、風向と同様に波のやって来る方位を観測しました。 次は「周期」です。 うねりの峰が通ってから次の峰が通るまでの時間をストップウォッチで計測します。 視線を決めた範囲から動かさないようにと言われましたが、次のうねりを見失 ってしまい、なかなかうまくいきません。計測結果が周りの人と一致するとホッ としました。 「波長」は、周期から計算で求めます。 L(波長)=1.56×T(周期)^2 周期が10秒なら波長は156mになるわけです。 最後に「波高」の観測です。 うねりの山と谷の差を目測しますが、比較するものがなくてよくわかりません。 すると、うまいぐあいに沖合を船が通って、船体の見え隠れから目安がつきました。 「波高」は二捨三入で0.5m単位に計測するということです。教科書には、有義波高は、 波高の高い方から1/3の数の波の平均値とありますが、人間の目は自然と高い方に 向くので、1/3を意識しなくても、目視観測は有義波高に近くなるそうです。 終了間際に「観測し始めより、うねりがよく見えるようになったはずですよ」と 先生に言われ、なるほどそうかもしれないとちょっといい気になったところで、 体も冷え切ったので宿に引き上げました。 | |||||
<例会> (1)波浪の計算方法の説明 (2)実習した波浪の予想演習 (3)波浪予想の解説 | |||||
先生から波浪推定の基礎についてパワーポイントの講習を受けた後、実習がは じまりました。 まず、1112Z〜1300ZのASASを見て波源となりそうな擾乱をさがします。 実習では、1200Zの南岸Lを波源とみなしました。 次に「海上風速」を推定します。 波源の緯度、気圧傾度、曲率半径から「傾度風速の計算図表」を用いて求めました。 そして「吹走距離」を測って、風速から「吹走時間」を算出し、SMB法の「波浪 予知曲線の図表」を用いて周期と波高を求めました。 要領を得ず、時間がかかってしまいましたが、周りの人に助けられて、なんとか次 のステップに進みました。 次は、波源と大洗の距離を測って減衰距離とし、「うねりの計算図表」からうねりの 周期、波高、到達時間を求めました。 ちょっとむずかしかったのですが「今日観測したうねりがどこからやってきたのか」 科学の目で見えたような気がしました。 その後、観測会で撮影した写真を見ながら復習の解説をしていただき、ナウファス(*) の観測データなどを皆で確認しました。 (*)ナウファス(国土交通省港湾局 全国港湾海洋波浪情報網) | |||||
5.配布資料の内容 | |||||
(1)気象庁風力階級表 | |||||
(2)波浪予報勉強会資料(波浪推定) | |||||
内容(第16回と共通) | |||||
(2)天気図 | |||||
使用した天気図 ASAS SURFACE ANALISYS 1100Z 1112Z 1200Z 1212Z 1218Z 1300Z FEB.2010 | |||||
(3)実習に必要な道具 | |||||
ストップウオッチ、コンパス(磁針) デバイダ(またはコンパス)、定規、鉛筆、消しゴム、電卓、色鉛筆 | |||||
6.懇親会 | |||||
<報告1> 懇親会については、例会会場となっている民宿にてアンコウ鍋などのお料理を 頂きました。観測を行った海岸周辺にも、アンコウがつるされているお店が複数 あったのですが、やはり、「茨城の冬の味覚」として有名なだけに、プルっとした 食感がおいしかったです。私は運転しての日帰りだったので、アルコールNGだ ったのですが、皆さま、日本酒とアンコウがよく合っていたみたいです。 初参加で、波浪のことは良く分からず、正直、「アンコウ」につられて参加してし まったのですが、今までただ単に「波」としてしか見ていなかったものにも、気象 現象との関連が高いことが分かり、有意義な例会となりました。 ★本日の茨城の雪の模様★ 今日は、天気予報を見ても「雪」の文字はどこにもなかったと思います。 (今日の例会参加者も、ここまで雪が降ると思っていたかたはいらっしゃらなかっ たみたいです。) 海岸での観測中からも、あられが降り続いていましたが、懇親会1次会終了時(19:20)、 会場周辺は5mm程度の積雪となっていました。そのため、急遽、私の帰宅経路での 雪の状態報告を追記させてください。(以下、割愛) <報告2> 宿に着くと体を温める間もなく講習開始です。 そして、勉強会が終了し、待ちに待ったアンコウ鍋の懇親会となりました。 宿泊ならではのゆったりとした時間の中、海の幸と地酒をたっぷりいただいて、 にぎやかな夜が更けていきました。 翌日、目が覚めると窓の外は銀世界でした。積雪は1〜2cm。昨日とは打って変わって晴。 仲居さんは「大洗の積雪は何年ぶりでしょう」といっていました。 朝食後、宿を後にして、凍結した坂道をおっかなびっくり下って、 海岸道路を散策。大洗マリンタワーに向かいました。 大洗港を見下ろす地上60メートルの展望台からは、離岸堤の外のうねりが止まっている ように見えました。マリンタワー(128kB) 防波堤(105kB) 上級者の人たちは、波の回折がよくわかるといっていました。 タワーを降りて、盛り沢山だった2日間の観測会も解散となりました。 解散後、アウトレットモールを抜けて、マリンタワーから見えた大洗サンビーチに行ってみました。 広い砂浜の先では、200人近いサーファーがうねりの周期と波高を読みながら波乗りを楽しんでいました。 参加者の皆さんおつかれさまでした。 観測の楽しさ、大切さを感じた2日間の旅でした。 世話人、講師の方々、色々と有難うございました。 | |||||