第15回波浪研究会 | |||||
1.日時:平成21年5月9日(土)13:00〜17:00 | |||||
2.場所:東京都中央区佃区民館 1号室 | |||||
3.参加:合計13人 | |||||
4.勉強会概要 | |||||
(1)波浪の計算方法の説明 | |||||
講師の先生から基礎的な波浪予報に必要な知識と計算方法(グラフの読 み方、天気図の着目点など)について解りやすく丁寧に講義して頂いた。 | |||||
(2)2008年6月23日頃、千葉県沖海域の波浪推定演習 | |||||
参加者で事故当日の波浪予報で現場海域で、どのくらいの高さ、方向からの 波及びうねりが来ていたか講師の先生(含:現役の気象庁波浪研究者)に 助けられながら計算をした。 | (3)波浪予想の解説 | (4)感想 | |||
私は職業が船員で大型の貨物船や漁船、いろいろな船舶の経験があ ります、キャリアは20年以上あります、大型の船舶は波浪にあまり気を使い ませんが、漁船はけっこう注意しなければなりません、去年6月23日の事故 当日の波及びうねりは、まず、はるか東の太平洋上の亜熱帯高気圧からの東よ りのうねりが来ていた。事故海域は最初前線の南側にあり、南西の風が吹き波 向きが南よりであった。その後前線の後面に入り、北よりの風に変わり波向き も 北よりに変化した、これにより少なくても3方向からの波が来ていたと予 想される。これらのことから三角波が発生していたと考えられるが、予想の波 高は3〜4mで転覆した漁船は大型でこれ位の波は操業できないほどではない。 しかし、この漁船は漁網を積んでいて構造上重心が高くなっていた、かつパラ シュートアンカーと呼ばれる荒天用のアンカーを海中に入れていた、このアン カーは船首を風上に向け船体を安定させるために使うもであるが、そのために、 別方向からの波が来た場合船体が大きく揺れる恐れがある、このため転覆した のではないかと考えます。 今年4月14日の長崎県平戸市沖での漁船転覆事故当日の現場海域は三角波は 発生しておらず「一発大波」ではないかと考えられます、それは現場海域は島に 囲まれていることで複数の方向から波が来ない、当日は北よりの風で波高は 2〜3mでした。 ここで共通点は転覆した船は「大中型まき網船」と呼ばれる船です。形も大き さ、網を積んでいるなど同じです、またこの「大中型まき網船」は他に別の役割 の船(形や大きさが違う)2〜3隻と船団を組んでいて、いつも近くに居ます。 なのに転覆したのは同じ形の網を積んだ船です、私が考えた結論は転覆した船は 重心が高く安定感が悪かった、そこに千葉県沖の海域では三角波のために、九州 西海上では一発大波のために転覆したと考えられます。 ●このように考えられるようになったのは波浪研究会の勉強会に参加するように なってからです、海に興味がある方は是非参加してください、天気図を視る重点 が変わります。 | |||||
5.配布資料の内容 | |||||
(1)波浪予報勉強会資料(波浪推定) | |||||
内容 1.等圧線間隔による風速の推定 2.台風の風の推定 3.波の推定 4.波浪計算例 5.風向風速が変化する場合の波浪計算 6.うねりの計算(1) 7.うねりの計算(2) 8.波の合成 9.気圧の換算 付図 SMB法による波浪予知曲線、うねりの計算図 | |||||
(2)天気図 | |||||
使用した天気図 ASAS SURFACE ANALISYS 2100Z 2106Z 2112Z 2118Z JUN.2008 2200Z 2206Z 2212Z 2218Z JUN.2008 2300Z 2306Z 2312Z 2318Z JUN.2008 AWJP 2100Z 2200Z 2300Z JUN.2008 ASAS SURFACE ANALISYS 1312Z 1318Z 1400Z 1412Z APR.2009 | |||||
(3)実習に必要な道具 | |||||
デバイダ、コンパス、定規、鉛筆、消しゴム、電卓、色鉛筆 | |||||
6.懇親会 | |||||
近くの居酒屋で安くて美味しい鳥料理、飲み放題で 2時間、色々の方と知り合え楽しく過ごしました。 | |||||