気象要素の速算方法 1997-11/30 工事中 工事中
「天気予想を行うに際し、簡単な計算で速度、温度、高度等」を求め、
現象をよりよく理解したいことがあると思います。
ここでは、そのための簡易的な計算の方法を例示します。
1. 500hPaや700hPaの高層天気図において、
2本の等高線間隔を1,000kmとして、地衡風の風速vを計算する方法。
高度差は 60m である。
緯度θ=30度、地球自転の角速度ω=7.3/10の5乗、
コリオリパラメーター=fとする。
1/ρ・dp/dl=f・v=コリオリパラメーターx速度 (1式)
=2ω・sinθxv
および、dp=ρ・gdz (2式)
v=(100000/7.3)x(9.8x60/(1000x1000))
=8 m/s
(風速は、等高線の間隔に反比例します。 上の問題で、等高線の間隔が300kmになれば
風速は25m/sを越えます。 風速の記号には「旗」のマ−クがつけられます)
2. 露点Td,地上気温T を与えて、凝結高度hを計算する方法。
戸外で晴れた日、ビールを飲みながら、ガラスコップに水滴がつくときの表面温度を測定したら5度であった。
その時の気温は15度であった。 このときの凝結高度を算出せよ。
h=125(T−Td)
=125(15−5)
=1250m
(丹沢の三角形の山 : 大山に雲がかかる高度です)
(この「露」に関して、天井の露もご覧下さい)
3. 台風や温帯低気圧による海水面の吸い上げ効果。
気象潮(気象庁ではない)と言われる潮位上昇の計算です。
水位 10m で、気圧1,000hPa相当。
50hPaの気圧差で、比例計算により、
10x50/1000=0.5m
=50cm の上昇。
(天文潮と言われる大潮のとき、これらの潮位の合成潮位が危険水位を越えることがあります)
4. 海面更正の仕方。
1995.1.10松本(ステーション#=618,標高=610m)における
現地気圧が、 936.7hPaであった。
地上天気図における松本の気圧を求めよ。
松本の気温=1.9度,気温減率=6.5度/1000m
dp=ρgdz
p=ρRT
海面上の気温=6.5x0.61
大気層を一様な温度と考えるため、近似的に平均気温を採用する。
平均温度 =273+(6.5x0.61+1.9)/2=277
R=283,g=9.8 を代入して、
dp=72.2 となる。
海面更正した気圧 = 936.7+72.2
= 1008.9 hPa
(なお、気象庁月報には、1009.9hPaと記載されています)
(厳密には、測高公式により算出します)
5. 鉛直P速度を、m/secへ換算する方法。
6. 渦度から速度シアーを推定する方法。
7. 最高気温の推定方法。
8. 凝結熱放出による、周りの大気の気温上昇を求める。
9. フェーン(山越え風)による気温上昇を求める。
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