気象の中心的議題
気象を論ずる場合
最大の関心事は、「雨」です。この「雨・降水現象」を旗印として、
すべての理論・意識をそこへ参集させることが大事です。
Last Updated:1997-11/25,12/16,2000-3/15
基本的な図式は、この様になります。
+−−A−−−−−−−−B−−−C−−−D−−−−E−−−+
| 水蒸気を含んだ -->上昇-->水蒸気-->水蒸気-->降水 | F
+-->| 大気の移動 で飽和 凝結 |---->+
| +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |
| |
+-----------<-----------------循環する---------------------<---------+
すなわち、
降水現象は、大気循環の一連の過程の重要な部分を占めます。
A.先ず、大気の移動を考える。特に境界層よりも上空の高層大気の運動を考えます。
地上の気象状況は、上層の大気の状況の影響を強くうけるものとします。
大気の温度差、地球の回転(コリオリ力)、地球の重力(静水圧平衡)により
大気を移動させる力が生じます。
この結果、−−−>大気の南北温度差は、大気の密度差を生じ、
南北に気圧傾度が発生し、大気が南北に移動する。
これに地球の時点が加わり、
東西流の要素が入り込んで来る。偏西風波動となる。
波動は、大気に正負の回転を生じ、
高気圧・低気圧の発生につながる。
風(地衡風)が発生し、(渦度)が計算されます。
B.以上で大気の水平方向のあらましの説明は出来ると思います。
難しいのは、何故上下方向の大気の移動が生じるか、です。
−−−>傾圧不安定理論の登場となります。
この理論のお蔭で、
高気圧・低気圧からの風の吹き出し・吹き込みが(水平方向の大気の移動が)
垂直方向の上昇流(鉛直p速度)へと変化すること、につなげられます。
この時、この大気が水蒸気を上層へ運搬します。
(大気を上昇させる力として、外力によるエネルギーおよび、
内部エネルギーのいずれかを必要とします。)
寒気移流は大気の上昇のための運動エネルギーをあたえ、
暖気移流は大気に潜熱と顕熱を与える こととなりますが、
これらが大気の上下運動の発端になるものとは、考えにくいです。
この辺り、ニワトリが先か、卵が先かの議論に陥り易いところです。
ものごとを良く整理し、考えることが大事です。
((エマグラム)を描くことにより、大気の上下運動の消長のための理解が容易になります。)
C.大気の温度・圧力が低下し、ある値となれば、
その大気は含まれていた水蒸気で飽和されます。
(下層の(相当温位の移流)に着目して下さい。
水蒸気を含んだ大気の「移流」がゼロか、プラスか、マイナスか、
によって気象現象の変化の消長がきまります。)
(大気の(成層が不安定)な場合、上昇流が継続します。)
D.温度・圧力が、さらに低下すれば飽和水蒸気は凝結します。
凝結熱が上昇流を強化します。
水蒸気の補給が継続される限り、積乱雲として上方へ発達します。
(降水現象が継続することと、対流現象が継続することとは、
意味がことなりますので注意して下さい。)
E.拡散過程、併合過程を経て降水となります。
F.こうして上昇流は、大気の連続性と対流圏界の存在により
永久上昇は出来ず、下降流となり循環します。
この循環のもともとの原動力は、南北温度差と水蒸気の存在でした。
この二者の1つがかけると現象は衰退します。
あるいは、現象は「安定化」の方向へ向かう、といっても良いでしょう。
さらには、大気は静的に平衡な状態に向かう、といっても良いでしょう。
このように大気は、A−B−C−D−E−F−A と循環します。
上記のストーリーは、格別なものではないですが、
ご自分でこの様なものを作ってみて下さい。
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