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気象実験(#EX)
実験の様子を写真で紹介します。
実験項目および内容は、随時追加、修正、改良しています。
Originated 2009-10/28 Last Updated 2009-10/30
#EX0 実験EX
★ 二酸化炭素が増加することによって地球温暖化が促進されるのか、それを実験で確かめたい。
次の2項目は実験を行う上での大きい問題だと思っています。
・二酸化炭素の濃度と濃度に応じた大気温度の上昇量はいかなる論理的関係にあるのか?
・100年間で、例えば、平均気温6℃上昇させることを、実験装置でいかにシミュレートすべきか?
実験の条件:
(1)二酸化炭素の濃度
(2)熱源の電磁波の波長
この2点が実験の内容、結果を評価するときに決定的に重要な事項となると思う。
そして、
(3)実験装置(実験モデル and/or 温暖化のメカニズムを含む)はいかにあるべきか、
(4)温度の計測はいかに行うべきか、
の問題がある。
さらには、
(5)人間や生物が生存できないような高濃度の二酸化炭素を使っての実験は、実験の目的如何によるが、
二酸化炭素による地球温暖化のストーリーとは無縁のものであると考えます。
(100%の濃度の二酸化炭素を使って、しかるべき波長のエネルギーを与えた場合の温度応答を
計測することは、まるっきり無意味とも思いませんが。。。)
参照情報:Web上には様々な実験例や意見がある。
様々な疑問があるが、留まって考えているより、まずモデルを作ってみよう。
不具合があれば、順次改良すればよいであろう。
★1 【実験装置の製作 and/or 準備】
・容器=0.5L、1.5L、のPETボトル、合計2種類
・計測機器(温度計)=棒状温度計、デジタル温度計2種(先端の2cmで温度をセンス)、赤外放射温度計の合計4種類、
・二酸化炭素発生方法=炭酸ガスボンベ、入浴用バブ、ドライアイスを昇華させた、の合計3種類、
・熱源=太陽光線、白熱電球、赤外ランプ、赤外線ストーブ(ファンヒーター)、ヘヤドライヤーの合計5種類。
★2【装置の様子等を写真で示します】
実験装置例(ボトルおよび熱源の配置): 熱源例(赤外ランプ、外箱) 熱源例(赤外ランプの波長)
★3【実験装置を作るに際しての、ひとつのモデル例】
・大気上端では、短波放射と地球放射が熱平衡の状態にある。
・大気の窓領域を通して、地球から放射される赤外線が宇宙に逃げて行く。
・赤外線のうち、或る種の波長(*)のものは、二酸化炭素に吸収され、また放射され、
放射の一部が、地球の方向にむかう。
・地球は、二酸化炭素を含む他の気体ともども空気に包まれていて、この空気が、地球放射の
一部を吸収し、そして放射し、地球を「保温」している、
* 波長:理科年表2001年版P.556に(気体の赤外吸収の波数/cm-1として)CO/2349、および667の
記載があります。対応すべき波長は、(この逆数であるから)、4.26μm、および14.99μm となります。
以上のモデルを頭の中に入れておき、とりあえず、モデルや地球を取り巻く大気の状況とは
かけ離れているが、下記★4の実験を実施し、★5のデータを得た。
★4【実験の手順と結果】
・同じ温度からスタートし、温度変化を経て、室温に至り、終わる。
・吸熱時、放熱時のそれぞれの温度変化曲線は、いずれの実験もほぼ同じ形をしている。
・吸熱時、放熱のグラフは、熱の移動が正負逆に行われていること、を示していると考えられる。
・温度差を個々の気体について比較すると、(二酸化炭素の場合も、空気の場合も)
いつも同じようなデータが得られるとは限らず、「科学」的実験とは言い難い。
・有意差があると見るのか、見ないのか、目下分からない。
(多少の温度差の違いはあるが、これは、誤差の範囲内かもしれない。)
・十分な時間が経過すれば(これらの実験の場合、およそ20〜30分程度で)、
いずれの気体も同じ温度(室温)に到達した。
★5【実験データ】
同じ条件下で二酸化炭素と空気に熱を与え、温度変化を記録した。結果をグラフに示す。
(結果を順番に並べていますが、結論を導き出すことを目的として
システマティックに行ったものではありません。)
実験1:
0.5Lのペットボトル、熱源=ヤードライヤー、室温での放熱:
実験2
1.5Lのペットボトル、熱源=ヘヤードライヤー、室温での放熱:
実験3
1.5Lのペットボトル、熱源=太陽光線、室温での放熱:
実験4:
1.5Lのペットボトル、熱源=赤外線ランプ、室温での放熱:
実験5:
0.5Lのペットボトル、熱源=赤外線ストーブ、室温での放熱:
実験6:
0.5Lのペットボトル、熱源=赤外線ランプ、室温での放熱:
実験7:
0.5Lのペットボトル、熱源=赤外線ランプ、室温での放熱:
★6【考察等】
色々不十分なまま実験に突入したが、得られた結果は、二酸化炭素による地球温暖化を議論するには
程遠いものであることが分かった。at randomではあるが、気付いたことなどをメモしておこう。
・熱源の電磁波の波長は適切か
二酸化炭素が赤外活性を起こすべき波長を与えないと意味がない。
理科年表その他の情報によれば、4.3μmおよび15μmの電磁波が必要なようである。
実施した実験において、いかなる波長の電磁波がでていたのか不明である。
・気体の物理化学的性質による温度変化について
理科年表によれば、空気の比熱=1.006等、二酸化炭素の比熱=0.837等 と記載されている。
空気の比熱は、二酸化炭素の比熱よりも大きいため、空気の熱容量は二酸化炭素の
熱容量よりもおおきくなり、このため、空気のほうが温まりにくいと考えられる。
また、空気の熱伝導率=2.41等、二酸化炭素の熱伝導率=1.45等 と記載されている。
それぞれの値は温度により異なるが、熱伝導率は空気のほうが二酸化炭素よりもおおきい。
このため、ペットボトルの外からの温度が温度計の感温部のある中心付近に至る速さ
については、空気の場合の方が二酸化炭素の場合に比べて、速いと考えられる。
ここで、空気を例に取って考えると、比熱および熱伝導率の違いを考えるとき、
温まりにくく、一方では、熱を伝えやすいという相反するように見える性質がある。
しかし、比熱と熱伝導率のいずれが、この実験結果★5を左右したかは判断できない。
もちろん、赤外線による赤外活性があったとすれば、そのときの二酸化炭素自身の温度上昇や
放射による温度減少を如何に見積もるのかも考慮しないといけないかもしれません。
実験に用いた気体の中には水蒸気が含まれていたはずである。
その存在と熱的な影響を議論する必要がある、と考えています。
ちなみに、水蒸気の比熱=2.051等、熱伝導率=1.58等 と記載されている。
(なお、ここで「等」を付したのは、温度によって異なる値が記載されていることによる。)
・熱源および熱の伝達による温度変化について
この実験は気体をペットボトルに入れて計測した。
このとき、一体何の温度変化が測定されたのか、断定できない。
即ち、感温部に熱を送る熱源は、数多くあり、複雑に相互影響し合っていると考えられる:
@電球等の熱源、A容器の周囲の空気も熱源となる、
B容器そのものも@とAから加熱されて、新たな熱源となる。
C容器内部の気体(空気、水蒸気、二酸化炭素など)そのものが@ABから電磁波を受けて温度変化する、
その気体は、容器の壁から熱伝導で温度を受ける、さらに容器内部で対流し温度変化する。
こうして感温部には、気体Bからの熱伝導、@ABからの電磁波が届くこととなる。
いずれがどれだけ感温部に到達し温度変化を生じさせたか、現時点では分からない。
・水蒸気の存在による温度変化について
PETボトルの中には、空気、水蒸気、二酸化炭素が入る。
温暖化を議論するとき、水蒸気の存在を抜きにしてはならないと考えます。
しかし、実験7までは、水蒸気量に関しては、その視点での実験は行っていない。
・熱源と二酸化炭素の間は電磁波のみあるべきだ
地上の実験では、空気の存在があり、そこには熱の伝導がある。
この影響を軽減するため、熱源と容器の間に小型のファンで風を送り、
熱伝導の影響を軽減することができると考えられるが、本格的な実験にいたっていない。
・容器内部に対流が生じている
PETボトルの中では、気体が対流していることが分かる、温度変化がサイクリックに変わり
全体的に上昇傾向、下降傾向となる。この対流が生じないようにしなければならない。
これを止めることは困難である。
・温度計の感温部が直接電磁波を受けないことが肝要だ
熱源と温度計の感温部の間には、電磁波を遮断する装置が必要だ。
しかし、実験7までは、この視点での実験は行っていない。
・実際の空間でないことについて
さて、実験室ではボトルを使ったが、大気空間においてはボトルというものが存在しない。
さらには、温風を出すヘヤードライヤーも、赤外ランプも存在しない。
二酸化炭素の温度変化を実験で確認するためには、いったいどうすればよいのか目下十分な
知識を持ち合わせていないし、また結果がどれだけ明瞭に出るべきなのか不明である。
・総評
分からないことだらけの実験であると自認しているし、
さらには、意味のないと思われる実験である、
との見方があることは十分承知している。
ではどうすれば、机上で実験できるのか。それを知りたい。
意味が無いなら、意味ある実験とはどんなものか知りたい。
もともと出来ないことを実験しようとしているのではないか、という疑心暗鬼の状態でもある。
出来ないなら出来ないで、その出来ないことの実証 and/or 例証になるかもしれません。
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