Return Home 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表 「気象実験クラブ」入会案内。気象実験(#B0)
実験の様子を写真で紹介します。
実験項目および内容は、随時追加、修正、改良しています。 Originated 2008-12/18 Last Updated 2008-12/28, 2009-01/29, 2/08, 2010-01/12
●=EXPMB2 EXPMB0 スピンアップ (ビン、茶がら、水) EXPMB1 静力学のパラドックス (ペットボトル。ビン、台ばかり、水) ●=EXPMB2 流線 (洗面器、ストロー、水、茶がら)(コンピューターシミュレーション) EXPMB3 遠心力と重力の釣り合い (ボール、紐、針金、ボールペン) EXPMB4 台風解析(気象衛星画像) EXPMB5 台風の気流解析(T0423)(高層気象観測データ) EXPMB6 台風のベストトラック(コンピューターシミュレーション)(気象庁やJTWCのベストトラックデータを利用) EXPMB7 トラック作成ツール EXPMB8 エクマンスパイラル (コンピューターシミュレーション) EXPMB9 大気の波動 (コンピューターシミュレーション) |
静力学のパラドックス |
ボール2個を紐で結び、吊り下げる | 鉛直面内の回転 | 水平面内の回転 |
1.T0511(MAWAR:バラ[マレーシア]) (2005年08月20日発生、09月05日事後解析した。) 3.T0513(TALIM:鋭い刃先[フィリピン]) (2005年08月27日発生〜09月02日解析終了。) 4.T0514(NABI:ちょう(蝶) [韓国]) (2005年08月29日発生〜09月08日解析終了。) 5.T0515(KHANUN:果物の名前、バラミツ [タイ] ) (2005年09月07日発生〜09月15日解析終了。) 6.T0516(VICENTE:女性名称 [米国] ) (2005年09月16日発生〜09月19日解析終了。) 7.T0517(SAOLA:動物の名前 [ベトナム] ) (2005年09月21日発生〜09月27日解析終了。) 9.T0519(Longwang :龍の王 [中国] ) (2005年09月26日発生〜10月03日解析終了。) |
3.T0513(TALIM:鋭い刃先[フィリピン]) (2005年08月27日発生〜09月02日解析終了。)ドボラック法による台風解析の試行 Return to Top page 台風解析、解析手順・前提 CI数 Originated: 2005-08/29, Last Updated: 2005-09/02 |
1.台風になりそうな前からTDの雲画像を眺めておく(アーカイブしておく)。 (私は、IR画像をみて、風速17.2m/s 以上になったことを確認する手段を 持たないので、気象庁の台風発表を絶えず注意しておき、台風発生時点の画像や強度の 情報をアーカイブしておく。及び、USのNational Hurricane Center のINVEST 情報も参考になるので眺めておく。) 2.台風発生時点のCI数は、通常CI=2.0或いはこの数値の前後である。 気象庁発表の最大風速と中心気圧から、CI数をCI数の「換算表」から逆に求めることとする。 このとき、本HPでは、最大風速を基準として、CI数を定めることにする。 (気圧よりも、風速の方が信頼性が高いと思われるので。) 3.台風として発表された時点で、その1日前の状態をPT雲パターンから決定し、 そのPT数を「一番最初のMET数」とする(なお、1.0日前の時点を、MET=1.0 とするのが原則である)。 即ち、台風発生とされた1.0日前を(さかのぼって)解析スタート時点とする。 このHPにおいて、画像のアーカイブが無い場合は、半日前の画像からスタートする こともあり、この場合の発達の程度の数値は、按分する。 4.MET数は、標準的な発達では、1日につき、1.0増加するが、増減幅は±1.5 である。 (特に、外周直径の増減、スパイラルの有無(及び長さ、巻き数、スパイタル中のCb雲の存在)、 中心付近の雲頂高度の増減、濃密な雲域の拡大縮小、が発達衰弱の判断のポイントとなる。 但し、以上は大分「主観的」である。ほかにも判断のポイントがあるかも知れない。 詳細は、下記テキスト等を参照。 (なおNHCでは、客観的判断にすべくODTと言う手法を開発している。後述) 雲が無定形に広がっていて、次第に、正回転を始めたときは、TDの卵の時期である。 濃密な雲域が薄くなってきたときは、衰弱傾向にある。 NHCのMulti画像も大変参考になる。) 5.台風の中心位置は、IRやVISでは、雲の回転状況やスパイラルから 曲率中心を目算で求める。眼が形成されていれば、眼を中心と考える。 6.眼が形成された場合、DT数は少なくともDT=4.0 でなければならない。 そこでMET数も、MET=4.0以上であることを確認する。 自分の推定値が、MET=4.0以下の場合は、雲画像の見方を誤っていた可能性がある。 7.台風が、陸地に上陸した場合は、ドボラック法の採用は困難となるので、 上陸以降の強度推定は、通常(筆者は)この時点で終了する。台風が陸地から海洋上に 抜け出した場合は、地上観測を参考にして、強度の解析を再開することもある。 |
・毎時の画像を連続的に観察し、「発達傾向、衰弱傾向」の「心象」を得ておくことが 大事なようです。発達と衰弱の判断を誤ると、気象庁発表の値と大きくズレてしまう ことがあります。 台風画像に慣れるためには、いろんな台風のライフサイクルの画像をよく見ることである。 すべてを網羅したものではないが、この数週間の間に発生した台風4種の画像をまとめました。 ・台風が、陸上に上陸 landfall したときの強度推定は、地上観測に任せるべきである。 ドボラック法は、地上観測が不可能な海洋上において、意味があります。 ・雲画像の面積が拡大しても、必ずしも、強度増加と判断できないことも あるようなので、注意(熟練?)を要す。 ・雲域が衰弱傾向にあるときは、注意を要する。このときは、T数の減少よりも タイムラグを設けてCI数を減少させる必要がある(経験的、統計的観点より)。 ・台風発生とする風速 17.2m/s はいかにして特定するのだろうか? QuickScatか? ・US−NavyのWeb siteでは、詳細は分かりませんが、「INVEST」の表示で ハリケーンや台風の「候補」を常にモニターしているようです。 |
■ 「台風の眼」が形成される時点の遅速に関しての考察 ほぼ同時的に誕生したT0517 Saola とT0518 Damrey のライフサイクルを比較してみるとき、 T0517の眼は、誕生してまもなく明瞭になったが、T0518 の方は、「3日遅れ」で眼が出来た。 先ず、共通して言えることは、「眼の形成」のためには、渦巻きの回転が必要であること。 逆に言うならば、赤道付近の積乱雲群は、対流現象は盛んで、雲が無定形に広がるが、 全体としては、ほとんど回転せず(組織化されず、と換言してもよい)「眼」が形成されない。 T0518の眼の形成が「3日遅れ」となった原因は、それぞれの進行した経路および海水面の 温度の違いによるものと考えます。とりわけ、緯度の相違(コリオリ力の大小)が渦巻きの形成、 したがって、眼の形成時点の遅速につながったものと推定します。 ■ 北上スピードと台風の発達の程度 この状況が示唆するところのものは(まだ断定的にはいえないが)、急速に北上する 台風と、北上せず西進する台風とでは、発達の仕方(即ち雲画像での見かけ上の形の変化)が 異なることである。 また急速に北上しても眼が形成されない台風もある→T0512(T0511と一時的に併進・北上した)。 これは、渦全体の規模・供給されるエネルギー総量の大小によるのではないかと推定するが、 推定の域を出ない。 ■ 衰弱期の台風の眼の位置と雲域の関係 台風は衰弱期に入ると、雲は上層の偏西風に流され、渦の中心軸からはなれ、先行して北東進 する場合が多い。雲域の中心と地上の最低気圧を示す中心とは数百km以上はなれることもある。 この時期の台風の構造に関しては、2005年10月02日、日本気象予報士会神奈川支部主催の 「第3回ウィンドプロファイラー勉強会」で話する予定です。 ■ 台風を動かす力と運動 低緯度で発生した台風が何故、北上するか、西進するかの議論には理解しがたいものが多いが、 断片的理解ではあるが次のことは言えるであろう: 1.低緯度にあっては、貿易風が西向きの力を与える。 2.低緯度から中緯度にかけては太平洋高気圧から吹きだす縁辺流が、西向き、北向き、東向き のいずれかの方向の力を与える。 3.転向点付近からは、偏西風が東〜北東方向の力を与える。 4.台風自体は一つのおおきな対流現象であると考えられるが、この対流は、周りの大気を吸い込み、 上層で発散する。このとき、この対流現象は、自分の重心を駆動する力を生じることはないもの と考えられる。 5.台風を巨大質量を有する物体と考え、その重心は上記の力を得て、「慣性」を持って運動する、 と考える。このとき、台風は、一旦動き出したら、容易にとまらない。進行右側に重心がずれて いく、と考えられる。 ■ 擬似射流現象 台風のライフサイクルの発達期、最盛期においては(発達初期や衰弱期には見受けられないが)、 最上層における気流の発散状況を見ると、広がりの先端にやや細い弧状かつ線状の雲がしばしば 見受けられる。→T0919-092909jstの眼から東側500Km付近の線状のやや顕著な雲の帯に注目 これは、水理学で言うところの「射流」に引き続く「跳水」現象に類似しているように考えられる。 この線状の部分は(先端付近の雲は)上昇しているものと考える。理由は、輝度温度が低く、すなわち、 上昇し温度低下となった。そして白く写っていると考えます。そして、やがて下降し、終局的には消えて 見えなくなる、と考えます。 一つの研究課題となるかも知れない。 |
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