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気象実験(#30)

実験の様子を写真で紹介します。

Originated 2008-08/08 Last Updated 2008-08/30,09/30,10/24,11/22,12/25,2009-1/23, 5/26
EXPM30 積乱雲の上昇 浮力振動、密度成層の状態を破る、浮力を得た物体の運動、
EXPM31  ししおどし(ペットボトル+串+空き缶)
EXPM32  浮力の負担者は誰でしょうか?(容器+台秤+水+ボール)
EXPM33  密度成層を作る(透明な容器+油+牛乳+醤油)
EXPM34  渦の寿命(円形容器、水、割り箸)
EXPM35  ティ−バッグの不規則振動(ティ−バッグ、カップ、湯)
EXPM36  流れに吸いつくスプーン(スプーン+水道)曲がるボール(ペットボトルの風洞+ボール+実験08空気放射器の巨大なもの)、マグヌス効果、翼の実験
EXPM37  寒冷前線(水槽1m+水+牛乳)
EXPM38  ブラックホール 軌道の上昇と維持(じょうご+ビー玉)
EXPM39  遠心力を感じる(風船+ビー玉)物体の回転軌道の高度を上下させる力(回転半径と速度の効果による)

#300 実験30    泡も熱気球も積乱雲も、湯気もみな上昇します。    気泡で上昇の様子を観察し、さらに積乱雲の上昇を考えてみましょう。 #301 実験タイトル=積乱雲の上昇 #302 実験の狙い=積乱雲の上昇のメカニズムを考える
立ち上る湯気
発達中の積乱雲
気泡をスポイドから吹き出す
金魚藻から発生する気泡の上昇●==写真準備中
#303 実験装置の製作 and/or 準備 ・1.5Lのペットボトル或いはガラスのコップ、細いスポイド或いはビニールチューブ或いはストロー、水を用意します。 #304 実験の実行と結果 ・コップに水を入れ、スポイドの先端をコップの底部に届くように位置決めします。    ・空気を吹き出すと気泡が上昇します。    ・このときの気泡の上昇の様子を観察し、できれば所要時間を計測します。    ・太いビニールチューブデやってみるとなかなか難しいことがわかります。     大きい泡ができると上昇速度も速く、観察がしにくいことが分かります。    ・できるだけ小さい泡のほうが観察しやすいです。    ・金魚藻からは大小様々な泡(酸素)が立ち上ります。日光と炭酸ガスが必要です。     何より見ていて癒されます。 #305 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・気泡のサイズによって上昇速度が変わります。    ・何種類かの直径のビニールチューブを使ってみます。    ・浮沈子をボトル底部から上昇させてもよいでしょう。浮上した浮沈子は水面で上下振動を繰り返します。     浴槽のなかで実験すると実験容易です。    ・冷水の中で、着色した熱湯を容器底部から噴き出しても、上昇の様子が観察されます。    ・コップに水をいて、上部から牛乳をたらすと、上下逆向きの「積乱雲もどき」がみられます。 #306 実験の解説 and/or 関連実験    ・気泡の上昇力は、気泡の体積によって大小があるようです。     ・気泡の上昇は、浮力を得ての上昇です。空気の上昇も同じ原理が適用できます。    ・気泡が水中を上昇することと、暖気が寒気の中を上昇することとは、浮力の観点から     同じ物理的現象として説明可能です。    ・積乱雲の上昇は、上昇中に自己励起的に自分を温めながら上昇を続けます。     即ち、その温めるエネルギー源は水蒸気であり、水蒸気が液体の微小雲粒に相変化するときの     潜熱放出によるものです。 #307 【追加実験、考察等】    ・積乱雲の上昇においては、そこに不安定な大気の成層状態が生じます。そのとき、密度成層の状態が破られ、     静力学平衡の状態が崩れ、非静力学平行状態となっています。←近年、数値予報に組み込まれました。    ・浮力を得た物体は上昇し、水の表面や大気上層の逆転層のあるところなどで、物体は上下振動します。     この運動は、ブラントバイサラの浮力振動と呼ばれます。積乱雲の上端においても、浮力振動があります。     参考写真→上掲(実験#31掲載の2008年08月08日)の房総半島の積乱雲。    ・本実験では、物体に対し緩やかな力(浮力)が加えられる物体の運動でしたが、力を瞬発的に加えた場合の実験     (現象)もあります→参考:
空気ロケットを作る白雲を作る、の実験においては、圧力エネルギーの急激な解放を利用しています。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#310 実験31    エネルギーの瞬間的な解放の実験です。 #311 実験タイトル=ししおどし #312 実験の狙い=ししおどしのメカニズムを知る
ししおどし全景(試作品1)
ししおどし(試作品2)、台座の部分をペットボトルで製作した。
#313 実験装置の製作 and/or 準備 ・ペットボトル2本、空き缶2個、だんごなどの串1本    ・1本のペットボトルAの底部をカッターナイフで切り落とす。    ・もう1本のペットボトルBをAの底部に差し込み、テープで連結する。    ・AB全体を指ではさんで持って、およその重心の位置を探る。    ・重心の位置はボトルAにあると思われる。    ・その重心位置のA側の脇腹に小穴をあける。    ・小穴に串を通す。    ・串を缶の上に置く。     試作品1では一方を缶の上に、他方をカゴの眼の間に挿入しました。    ・試作品2は、台座の部分を改良したものです。     もう少し「恒久的」使用ができるように、かつ「携行」に便利なようにしたものです。     全体は、バラバラに分解できます。 #314 実験の実行と結果 ・ボトルAに水を注ぐと、ある程度たまったら、Aの先端が傾き、水が全量こぼれる。    ・Aが空になったら、Aの先端は持ち上がり、同時にボトルBが落ちて、床にあたり音が出る。 #315 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・小穴をあける位置を試行錯誤的に決めます。    ・Aの底部を切り落とす時、切る口は丁寧に、切りましょう。    ・Bの底部に音響の良い容器などを置くと素晴らしい音を楽しめる可能性があります。 #316 実験の解説 and/or 関連実験    ・水がボトルAに注がれるとボトルAB全体の重心が串(支点)よりもA側にきます。    ・このとき、溜められた水が、雪崩を打ってAの口から流出してしまいます。 ・自然現象の中には、ギリギリまで辛抱していて、ある限界を超えると     蓄積されたエネルギーが一気に、爆発的に解放されることがあります。    ・Capping Inversion 現象に見られるように、逆転層で抑えられていた上昇気流が、     一気に爆発的に逆転層を突き破って上昇することがあります。    ・たとえば、成層圏あたりの高度まで発達した積乱雲が逆転層に抑えられていて、しばらくすると、     急に頭部が上方へ爆発的に発達することがあります。下の写真を見てください。     この写真は、2008年8月7日、自宅から撮影した60Km遠方の房総半島上の積乱雲です。積乱雲の位置はレーダー画像で特定できました。    
発達中の積乱雲
気象庁のレーダー画像です
#317 【追加実験、考察等】    ・
空気ロケットを作る白雲を作る、の実験においては、圧力エネルギーの急激な解放を利用しています。    ・気象庁の雨量計にも、ししおどしの原理が使われています。    ・工学的にはさまざまな応用例があるようですが、たとえば安全弁もエネルギーの瞬間的な解放を利用したものです。     この現象も、エネルギーの蓄積と瞬間的な解放の例だと考えられます。    ・鍋ややかんに水を入れ、加熱するとやがて、蓋が持ち上がり、カタカタ振動音が発生します。     この現象は、エネルギーの蓄積と解放が微小な周期で繰り返されている、と考えられます。 ・火山地方によく見受けられる「間欠泉」を作ってみたいと思っています。→こちらの実験を見てください→実験61、間欠泉 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#320 実験32    水を入れた容器が台ばかりの上に乗っています。    このとき、ボールを浮かべたら台秤の目盛りはどのように変わるでしょうか。    気球がビルの屋上にワイヤーで係留されて空中に浮かんでいる時、ビルの下の地面に    かかる力は気球に引っ張り上げられる分だけ軽くなるでしょうか。    もし、ワイヤーが切れて、気球が上昇して行ったら、地面にかかる力はなくなるでしょうか。    10万トンの油輸送船が東京湾を航行するとき、海底に及ぼす圧力は増加するでしょうか。        飛行機が離着陸するとき、その真下の空気の圧力は増加するでしょうか。(これは、揚力を誰が負担するか、の問題となりますね。)    浮力と重力、物体の落下と上昇、対流、空気の循環などが、次々と連鎖反応的に頭の中に「浮かんで」きます。    上記の問題は、頭の中で考えると分かりづらいので、とにかく実験してみましょう。 #321 実験タイトル=浮力の負担者は誰でしょうか? #322 実験の狙い=浮力を負担する人が誰であるか、を理解する 写真は#327のものと同じです。 #323 実験装置の製作 and/or 準備 ・容器(ペットボトルを半分に切ったもの)+台秤+水+ボール #324 実験の実行と結果    ・ボールの重さを、先に計測しておきます。 ・水を容器に入れ、容器を台秤に載せます。    ・次に、ボールを水にゆっくりと沈めていきます。    ・このとき、台秤の目盛りは、徐々に増加していきます。    ・ボールが沈まなくなったら、台秤の目盛りは増加しなくなります。 #325 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・静かにボールを水につけること。 #326 実験の解説 and/or 関連実験 ・ボールが沈まなくなったとき、台秤の目盛りの増加はなくなりましたが、     このとき、の目盛りが増加した値は、「浮力」に相当する力に等しくなります。 ・容器の底面は、その上にある水+浮力を負担しています。    ・従って、底面にかかっている圧力は、ボールを浮かばせなかったときよりも高くなります。 #327 【追加実験、考察等】    ・容器底面にかかる圧力の増加は、どのようにして計測したら良いでしょうか。    ・容器の底面或いは底面に近い側面において、水柱圧力計を接続し、水位の変化を観察します。 ボールを浮かせた時の水位上昇=18.0−15.5=2.5cm     容器の断面積=64cm2、ボールの重さ=150グラム、底面にかかる圧力=150/64=2.34グラム/cm2=23.4Kg/m2=2.34hPa=水柱で2.34cm。     写真左右の水柱圧力計の水位差=目分量で2.5cm でした。      ・この追加実験で、水柱の高さは 2.5cm上昇しました。この上昇は、(A)容器底面の圧力増加によるものだろうか。     それとも、(B)ボールが水を排除したことにより容器内で水位が上昇し、連動して水柱圧力計のほうも上昇したにすぎないのであろうか。    ・以下の「思考実験」を行います。     1.水柱圧力計の水位を2.5cm上昇させるためには、容器(断面積=64cm2)に水を追加し、その高さを2.5cmにすべきである。      (水位は、水位同一実験で容器の口径の大小には無関係であることが実証されています!)     2.水位を上昇させるため、2.5x64=160グラムの水が必要である。     3.160グラムの水による圧力増加を、ボールによる圧力増加に置き換えてやればよい。     4.水はボールに浮力を与える。     5.その浮力の反作用として、容器の底面は浮力に等しい力を負担する。       (浮力の反作用を無視することは、ニュートンの運動の第3法則を無視することになります。浮力と言う力を保障するためには、        必ず、その力を支える人が必要です。)     6.容器の内部の底面には「空気、水、浮力の反力」の合力がかかります。       (この合力を容器の断面積で割り算すると圧力となります。)     7.以上の1と2より、(B)の状況が説明された。       さらに、3、4、5、6により、(A)の状況が説明された。       すなわち、(A)、(B)ともに同じ原理的なことを、異なった言葉を使って表現しています。     8.思考実験の終了。    ・この実験及び追加した思考実験は、冒頭#320に書いた気球、油輸送船、飛行機が流体中に静止している場合に適用可能です。     しかし、流体中の物体が重力の方向に運動している場合には、これらの実験とは別の実験で検討する必要があります。(別の機会に。。)         ・興味深い追加実験がいくつかあります。次の場合、底面が受ける圧力はどのようになるでしょうか。     @気球を係留した場合、     A沈んだ物体が容器底面にピッタリくっついた場合、     皆さん、先ず「思考実験」してみてください。そして、その思考過程や結果(仮説)を実験で確認、実証してみてください。     実験の意義は、「仮説の検証」にありますね。    ・この実験は、実験33、密度成層を作る の内容をよりよく理解する上で、大変参考となる物です。     また、上記Aの問題の解答のヒントともなるでしょう。  先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#330 実験33    空気がじっと動かない状態、特に上昇気流や鉛直気流が無い場合の    空気の層は下層から上層に向かって、次第に密度が小さくなっていきます。    密度が逆順になるとそこに鉛直の運動が生じます。空気は目に見えないので、    家庭の台所にある身近な流体で模擬的に成層状態を作ってみましょう。    (ひとつの流体中に、密度の異なる物体が入ってくると密度成層の力のバランスが崩れます。     実験32、浮力の負担者は誰か?を参照して下さい。) #331 実験タイトル=密度成層を作る #332 実験の狙い=物質の密度の違いを体感する #333 実験装置の製作 and/or 準備 ・透明な容器、醤油、牛乳、油 #334 実験の実行と結果 ・容器の中に油、牛乳、醤油をこの順で、ごくゆっくり、静かに     注ぎ込みます。    ・「油、牛乳、醤油」が分離されて、層を形成します。 #335 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・油、牛乳、醤油を注ぎ込むときには、割り箸や鉛筆などに沿わせて     ください。勢いが強いと対流現象となってしまい、成層状態に     なりにくくなります。  #336 実験の解説 and/or 関連実験 ・油、牛乳、醤油は液体(流体)であり密度が異なります。    ・密度が異なると、浮力の関係で、力学的に安定な状態になろうとします。    ・この安定な状態は、上述しましたが、「静力学平衡」と呼ばれ、気象の世界では     最も基礎的な現象を表現するものです。    ・実験では、「層を形成」しました。すなわち、鉛直方向の動きが見られないことを意味します。     その運動が見られない理由こそが、「静力学平衡」或いは「静水圧平衡」とよばれる理論で、     気象現象では最も大事な理論です。     実験装置の中には、「ミニ気象空間」が形成されている、と言っても過言ではありません。    ・なお、空気もこの実験と同様で下層ほど密度が高いです。暖かい空気が下層にできた場合や     他所から風で運ばれてきたりすると、空気全体は(浮力の増減により)安定な状態に移行     しようとして、そこに上昇気流が生じます。    ・水平方向、鉛直方向に空気の流れがあると、and/or できると、そこには天気の変化が     あることとなります。    ・積乱雲が発達している光景をみることがありますが、そこには激しい上昇気流があること     を示唆しています。その積乱雲の下や周辺では、突風、雷、大雨などの現象が生じます。 #337 【追加実験、考察等】 ・参考のため各種の物質の密度を掲載します。
身近な物質の密度 
(単位:Kg/リットル)
海水     1.01-1.05 
水(4℃) 0.99997
水(20℃) 0.99820
氷(0℃)  0.917
新     約 0.12
蜂蜜・水飴 1.5 
醤油       1.2 
ウスターソース 1.1 
牛乳       1.03-1.04
酒         1.0
酢         1.0 
油         0.91-0.92 
灯油      0.80-0.83
松         0.52
竹       0.31-0.40
木炭      0.3-0.6
味噌       1.2 
食塩       1.1 
上白糖     0.6 
小麦粉    0.5 
カレー粉   0.4 

値は、理科年表、その他
Web Sitesよりの引用。
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#340 実験34    川の流れの中に、気象衛星の雲の写真に、いたるところに空気や水の回転している様子    を見ることができます。水や空気のような流体でなくても、地球やこまのように回転する    物体もあります。さらには、物質を構成する分子や原子の世界にも回転があります。    これらの回転の寿命はどれだけあるでしょうか。寿命を決定する要素は何でしょうか。    水を使って、渦をつくり観察し、考えてみましょう。 #341 実験タイトル=渦の寿命 #342 実験の狙い=渦の寿命を決定する要素を考える
渦の寿命(水面にできた渦)
 
渦の寿命
#343 実験装置の製作 and/or 準備 ・プラスチック容器、円筒形のビン(或いはペットボトル)、水、割りばし #344 実験の実行と結果 ・容器(例えば洗面器)に水を入れ、割りばしを水中に入れ、渦を作ります。    ・このとき大小様々な渦が誕生し、しばらくすると消えてしまいます。    ・このときの渦の寿命をストップウオッチで測ります。大きさもはかっておきます。    ・次に、ビンの中に水を入れ、ビン全体を回転させます。    ・このときの水の回転数及び時間(寿命)を計測します。 #345 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・渦の寿命の計測は比較的容易ですが、直径の計測はいささか困難です。    ・このため、あらかじめ直径が分かっている円形容器を使って、その円周方向に水を回転させると、     直径の計測が楽です。    ・しかし、この決まったサイズだけでなく、割りばし(或いは棒)の直径をさまざまに変えて、渦をつくる     実験もおこなう必要がありますね。渦と物差しを同時に写真に撮り、あとから物指しと比較して決める     ことができます。 #346 実験の解説 and/or 関連実験 ・渦には寿命があることが分かります。    ・渦の寿命はその大きさ(直径)の大小に応じて、長短があるようです。 ・渦の寿命を決める要素は何なのか。それは、回転をさせまいとする力の存在です。    ・渦および渦の寿命の議論は、例えば、       地球流体力学p.42〜近傍       気象力学通論p.147〜近傍(エクマン・パンピングとスピンダウン)       気象科学辞典p.40〜数ページ       流体力学、日野p.364〜その他いたる所       流体力学、トリトンp.32〜その他いたる所     等枚挙に暇がないくらい多くの文献に記載があります。
★渦や回転の一覧表(いろいろな渦や回転するものを作り、あるいはPC画面上に描く実験です)

EXPM07 風車を作る(ペットボトル+弾力性のある紙+ストロー+ビーズ+針金)、風からエネルギーを取り出す仕組み EXPM11 竜巻2重連(ペットボトル2本+茶がら+バケツ) EXPM40 バケツを振り回す(ペットボトル+紐+水)、遠心力の実現 EXPM41 ヨーヨーを作る(コースター+糸) 角運動量の保存 EXPM64 渦の下の圧力 (円筒容器、ビニールチューブ、棒、水)     (回転流体下の静水圧実験)    EXPM65 平板斜面上のコマの運動 (平板、コマ) EXPM68 ブーメラン (コンビニ弁当の蓋+ラベル)揚力や角運動量保存の法則が背後に控えている。 EXPM70 剛体回転1 (回転円盤、円形の容器、ビー玉)および(コンピューターシミュレーション) EXPM71 台風の渦巻きを描く (コンピューターシミュレーション) EXPM74 フーコーの振り子 (コンピューターシミュレーション)および(回転円盤、フック、糸、紙、砂) EXPM75 コリオリの力 (コンピューターシミュレーション)および(回転円盤、紙、定規、鉛筆) EXPM76 方位磁石(方位磁石、回転円盤)磁針が一定方向をさす性質を利用する EXPM77 ジャイロ(地球ゴマ、その他) ジャイロを使って地球の回転を考えよう、 EXPM80 剛体回転2(回転円盤、茶碗、お茶) EXPM81 回転放物面(ビーカー、水、細い棒) EXPM84 接平面の回転(地球儀、方位磁石) EXPMA2 カルマン渦 流れの中に障害物があるとき、障害物の後方に渦列ができる EXPMA9 スピンダウン (ビン、茶がら、水) EXPMB0 スピンアップ (ビン、茶がら、水)、浮沈子救出作戦 EXPMB8 エクマンスパイラル (コンピューターシミュレーション) EXPMM2 タッチダウン (ペットボトル、プラスチックの平板)
  #347 【追加実験、考察等】    ・いろんな種類のこまがあります。回してみましょう。     そして、まわっている最長時間はどれくらいか(回転の寿命を)計測してみましょう。     地球もまわっている。石も卵もまわります。逆立ちするコマもあります。      ・低気圧や高気圧の回転の寿命を観察してみよう。    ・台風やハリケーンの寿命を観察してみよう。    ・水や空気のような流体の回転があると、二次流れが発現します。→
実験A9スピンダウンB0スピンアップを参照。     ・さまざまな制約下、条件のもとで回転運動する物体があります(車輪、歯車、風車など)。     その原動力を考え、継続させる力は何かを考えてみましょう。→エネルギー源と力への変換    ・さらには、回転運動させようとしても、回転させまいとする力もあります。→回転の慣性、すなわち角運動    ・そして、回転に伴い現れてくる力もあります。→遠心力、コリオリ力    ★上掲の#346に掲載した、「渦や回転の一覧表」に掲載した実験を参考にしてください。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#350 実験35    紅茶を入れるとき、ティ−バッグを湯に浸けて上下します。    このとき、ティーバッグを液面深く浸けて、バッグの糸をもってバッグを上下します。    この操作において、バッグが液面下深い時と、浅い時とでは、バッグの揺れ方が異なります。        カオス現象のように見えます。 #351 実験タイトル=ティーバッグの不規則振動 #352 実験の狙い=ティーバッグの上下動において、横方向の不規則振動が発生することを観察する
ティーバッグの不規則振動
#353 実験装置の製作 and/or 準備 ・紅茶を入れるとき、ティ−バッグを湯に浸けて上下します。     このとき、バッグを液面深く浸けて、バッグの糸をもってバッグを上下します。 #354 実験の実行と結果 ・この操作において、バッグが液面下深い時と、浅い時とでは、バッグの揺れ方が異なり、     不規則振動するように見えます。    ・特に、ティ−バッグが液面下、ある程度深い時には、振動の横方向の振幅が最大になります。 #355 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・ティーバッグの上下運動においては、振幅が最大となる上下動の周期があるようです。    ・試行錯誤するとすぐ分かります。トライしてみてください。 #356 実験の解説 and/or 関連実験    ・流れの中に生じる乱流や渦が原因になって、バッグや旗に力を及ぼし、不規則みえる運動を起こします。    ・煙の立つ様子も同様です。   #357 【追加実験、考察等】    ・ティーバッグの不規則振動に似た現象は多く見受けられます。     例えば、旗が風のなかでパタパタとハタメク様子です。    ・自然界には、
カルマン渦のように、整然とした渦の流れもあります。    ・実験16の浮沈子を作る の実験において、浮沈子が上下動する     ときの横方向の揺れ幅に注目してください。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#360 実験36    スプーンを鉛直にぶら下げても何も動きがありませんが、    水道の蛇口から流下する水流にスプーンを近づけると    スプーンが流れに吸いつけられていきます。スプーン1本の場合、    2本の場合で、水の流れ方やスプーンの傾きなどを注意深く観察    しながら実験してみよう。 #361 実験タイトル=吸いつくスプーン #362 実験の狙い=流れが力を生じる不思議を体感する
スプーン1本の場合
スプーン2本の場合
#363 実験装置の製作 and/or 準備 ・スプーン2本、水道 #364 実験の実行と結果 ・水道の水にスプーンのまるい部分(凸の部分)を近づける。    ・スプーン全体が水のほうにひきつけられる。    ・このとき、流下する水は曲面の沿って回り込むように見える。    ・今度は、スプーン2本を背中あわせにして、中間に水道水を流下させる。    ・2本のスプーンは背中あわせになって、カチカチ振動しつつ、互いに吸いつけられている。    ・流下する水の回り込みは見られない。    ・スプーンの凹部を水流に近づけると、スプーンは水流に弾き飛ばされます。  #365 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・水道の水を無駄使いしないようにすること。 #366 実験の解説 and/or 関連実験 ・流体は、凸の曲面のある物体に沿って流れる性質があり、コアンダー効果と呼ばれます。    ・左の写真で、凸の曲面に沿って流れた結果として、水流の向きがスプーンを回り込むように見えます。    ・飛行機の翼の上面も凸の曲面になっていて、空気は翼の凸の面にそってながれます。    ・このとき、翼の後上部において圧力が低下します。     ・2本のスプーンが水に吸いつけられるその力の源泉は、スプーンの凸部を流下する     水の圧力よりもスプーンの凹部を押す空気の圧力の方が大きいことによる圧力の差が     生じたものと考えられます。    ・
実験17、流れに閉じ込められたボールの実験も同様の論理です。    ・スプーンの凹部が弾き飛ばされる(押される)現象は、飛行機の主翼の下面に気流があたり揚力となる     要因になるのと同じ論理が適用できると考えられます。 #367 【追加実験、考察等】 ・台所にある、シャモジでも、箸でも、包丁でも、コップの丸い部分でも     凸になっているものは水に吸いつけられます。    ・追加実験として、鉄の玉を使ってみました。鉄の玉に細い糸を瞬間接着剤で貼り付けました。     鉄の玉を水流に近づけると、水流に取り込まれてしまい、水流から脱出できませんでした。     実験の様子を下の写真に示します。    ・なお、水道の蛇口付近よりも、下のほうが吸い付く力が幾分強いようです。    ・流下する水の速度は下方ほど速くなります。従って水の静圧は下方ほど低く、このため、     周りの空気の圧力に押されて、先細りの形状になっています。    ・水が「流線」を形成するためには、適量の水の供給が必要なようです。水の落下距離が長くなるにしたがい、     速度も増し、水の供給が不足し、水玉状になって落下します。
鉄の玉を、水の流れから離して、
糸で吊るす
鉄の玉を水流に近づけたら、
流れの中に取り込まれてしまった
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#370 実験37    寒冷前線が進行してくるとき、それは、寒気が進行してくることを意味します。    その寒気の先端を目で見ることはできませんが、模擬実験して推定できます。    寒冷前線は密度が大きく、重力流の一種です。    他にも、積乱雲からの下降気流や海陸風の海風前線、或いは冷凍庫や夏場の建物から    流れ出してくる冷気等にも見られます。気象科学事典に詳しい説明があります。 #371 実験タイトル=寒冷前線 #372 実験の狙い=寒気の流れの形を見る
水槽の中を進行する牛乳(寒気)の先端形状に注目する
#373 実験装置の製作 and/or 準備 ・水槽、水、牛乳 #374 実験の実行と結果 ・水槽に水を入れる。    ・次に水槽の端から牛乳を静かに注ぎ込む。    ・牛乳の先端部分をよく見ると流線形になっている。 #375 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・水槽は透明で、ある程度長いものがよい。    ・この実験では、アクリル板を購入し、アクリル専用の接着剤で張り合わせ、     長方形の水槽を作りました。アクリル板の値段は結構高いです。     長さ=1m、高さ=5cm、横幅=5cmでした。    ・水と牛乳を使ったのは、安価で容易に手に入るからです。 #376 実験の解説 and/or 関連実験 ・牛乳の密度は水の密度よりもわずかですが大きいです。    ・このため牛乳は、水の下にもぐりこみ、進行して行きます。    ・このように密度の相違による流体の形の形成は、その物質が何であれ、特段の化学反応がない限りは、     寒気と暖気の場合にも適用できると考えられます。 #377 【追加実験、考察等】 ・この実験は、牛乳の先端が壁に当たった時、終了します。    ・そのあと、装置全体を静かに「放置」しておくと、水と牛乳の2つの層が形成されます。    ・気象の観点からの表現としては、気層は「安定な状態」になった、と言えます。    ・この「層」の様子は
実験33、密度成層を作る と同じです。     物質の密度は、同じ実験での#337 密度表を参照して下さい。    ・2つの空気の流れが衝突した時の様子はどのようになるか。     水槽のなかで2方向から牛乳を注入してみましょう。     下の写真では、衝突した付近で全体が盛り上がり、一方が他方の上に乗ろうとしています。    ・この写真と実験から、ある程度想像つくかも知れませんが、2つの勢力の強い気流が衝突した     ときには、衝突付近において、激しい上昇気流、突風、雷雨が発生します。     その原理的な実験です。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#380 実験38    回転している物体の速度が減少すると、軌道半径が減少し、かつ軌道が低下    してきます。じょうごのなかでビー玉を回すと、速度が減少してくると穴の    中に落ち込みます。ブラックホールに吸い込まれる感じがします。   #381 実験タイトル=ブラックホール #382 実験の狙い=回転物体が軌道の高度を維持するためには遠心力が必要である          ことを体感します。
じょうごの中でビー玉を回転する。
ペットボトルの先頭部分をじょうごとして、中でビー玉を回転する。
#383 実験装置の製作 and/or 準備 ・じょうご、ビー玉    ・じょうごがなければ、円筒形のペットボトルで代用してもOKです(下記、#387参照)。 #384 実験の実行と結果 ・ビー玉をじょうごの中にいれて、回転させます。    ・適宜の速度で回転させると、ビー玉は落ちてきません。    ・速度が遅くなると、軌道の高度が低下し、やがて穴の中に吸い込まれていきます。 #385 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・強く回しすぎると、ビー玉がじょうごのそとへ飛び出してしまうので、     (周りのガラスなどを破損したりする危険性があるので)適宜の速度で回してください。 #386 実験の解説 and/or 関連実験 ・ビー玉は、遠心力と重力が釣り合った高度で回転します。関連実験→
実験B3、遠心力と重力の釣り合い    ・ビー玉の速度を加速、減速してみると、軌道が上昇したり、或いは低下したりします。     ・人工衛星の軌道を変更(上下)する場合も加速、減速します。     人工衛星の速度が遅くなると、軌道が低下し、やがて大気圏の中に入り、地上に墜落してしまいます。    ・実験16、浮沈子を作るの #167の記述「浮沈子救出作戦」を参照してください。 #387 【追加実験、考察等】 ペットボトルの中にビー玉を入れて回転します。
ボトルの上部を持って、下部を回転する。ビー玉の
軌道半径はそれほど大きくならず、高度も高くならない
ボトルの下部を持って、上部を回転する。
ビー玉の軌道半径が大きくなり、上昇する
   ・上の左右の写真は、ボトルの回転半径を大きくする部分を変えた時の様子を示します。    ・このとき右の実験では、ビー玉がボトル内の上部で回転することができました。     ビー玉の速度および軌道半径が大きくなったため、と考えられます。    ・ペットボトルをじょうご代りにして、しかも蓋をして回転する場合は、ビー玉が飛び出す心配も     なく安心して実験ができます。しかし、下の写真は、「安心できない」実験です。    ・ワイングラスを上下さかさまにして、グラスの中でビー玉を高速回転させます。     高速回転中は、グラス内部の最も直径の大きい部分で軌道の高度を保ちます。     回転速度が弱くなってくると、ビー玉は落下してしまいます。     ビー玉に掛かる力をもっと具体的に見るためには、 実験B3、遠心力と重力の釣り合い で、     ボールを使った実験を行ってみてください。      ・野球の投手がボールを手で保持したまま、腕を回転させ、適宜な位置でボールをリリースします。     その時ボールは、回転円弧の接線方向に運動(飛行)します。    ・この実験でビー玉がじょうごから飛び出す時には、その時の回転円弧の接線方向に運動し     (飛び出していき)ます。   先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#390 実験39    車で高速走行中に遠心力を体全体で感じますが、    自分の手の平で、遠心力の大きさを実際に感じてみましょう。     #391 実験タイトル=遠心力の大きさを感じる #392 実験の狙い=遠心力の大きさを感じ、体感する #393 実験装置の製作 and/or 準備 ・風船、ビー玉 #394 実験の実行と結果 ・風船の中にビー玉を入れる。    ・風船を膨らませる。    ・適宜の大きさたとえば直径20〜30cm程度になったら、口元を縛る。    ・風船全体を回し、風船の中でビー玉が回転していることを確認する。     ・ビー玉の回転軌道上に手のひらを当てると、ビー玉が手の平を押すことがわかります。   #395 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・ビー玉の回転は余り強くしないようにします。    ・風船が破裂したり、さらにはビー玉がどこかへ飛んで行ってしまいますので。 #396 実験の解説 and/or 関連実験 ・遠心力は「見かけの力」と呼ばれますが、この実験のように「実際に」力を感じます。    ・ビー玉の回転がなくなれば、ビー玉が手の平を押す力はほとんどゼロになります。 #397 【追加実験、考察等】 ・実験#38、ブラックホールの#386でも書きましたが、ビー玉の速度を大きくすると     ビー玉の回転軌道が上昇します。    ・実験#40、バケツを振り回すの実験で、バケツを水平に振り回すと     バケツの速度に応じて、バケツの回転軌道が上下します。軌道は3次元空間に球面を描きます。     (バケツの代わりに、おもりを糸で吊るして、水平に振り回しても同じ結果となります。)    ・実験70、剛体回転1の回転する水の表面は、回転放物面を形成します。        確認してみてください。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
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