Return Home 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表 「気象実験クラブ」入会案内。気象実験(#30)
実験の様子を写真で紹介します。
Originated 2008-08/08 Last Updated 2008-08/30,09/30,10/24,11/22,12/25,2009-1/23, 5/26
EXPM30 積乱雲の上昇 浮力振動、密度成層の状態を破る、浮力を得た物体の運動、 EXPM31 ししおどし(ペットボトル+串+空き缶) EXPM32 浮力の負担者は誰でしょうか?(容器+台秤+水+ボール) EXPM33 密度成層を作る(透明な容器+油+牛乳+醤油) EXPM34 渦の寿命(円形容器、水、割り箸) EXPM35 ティ−バッグの不規則振動(ティ−バッグ、カップ、湯) EXPM36 流れに吸いつくスプーン(スプーン+水道)曲がるボール(ペットボトルの風洞+ボール+実験08空気放射器の巨大なもの)、マグヌス効果、翼の実験 EXPM37 寒冷前線(水槽1m+水+牛乳) EXPM38 ブラックホール 軌道の上昇と維持(じょうご+ビー玉) EXPM39 遠心力を感じる(風船+ビー玉)物体の回転軌道の高度を上下させる力(回転半径と速度の効果による) |
立ち上る湯気
| 発達中の積乱雲
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気泡をスポイドから吹き出す
| 金魚藻から発生する気泡の上昇●==写真準備中
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ししおどし全景(試作品1)
| ししおどし(試作品2)、台座の部分をペットボトルで製作した。
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発達中の積乱雲![]() | 気象庁のレーダー画像です![]() |
#323 実験装置の製作 and/or 準備
・容器(ペットボトルを半分に切ったもの)+台秤+水+ボール
#324 実験の実行と結果
・ボールの重さを、先に計測しておきます。
・水を容器に入れ、容器を台秤に載せます。
・次に、ボールを水にゆっくりと沈めていきます。
・このとき、台秤の目盛りは、徐々に増加していきます。
・ボールが沈まなくなったら、台秤の目盛りは増加しなくなります。
#325 実験を効果的に行うための工夫、注意点等
・静かにボールを水につけること。
#326 実験の解説 and/or 関連実験
・ボールが沈まなくなったとき、台秤の目盛りの増加はなくなりましたが、
このとき、の目盛りが増加した値は、「浮力」に相当する力に等しくなります。
・容器の底面は、その上にある水+浮力を負担しています。
・従って、底面にかかっている圧力は、ボールを浮かばせなかったときよりも高くなります。
#327 【追加実験、考察等】
・容器底面にかかる圧力の増加は、どのようにして計測したら良いでしょうか。
・容器の底面或いは底面に近い側面において、水柱圧力計を接続し、水位の変化を観察します。
ボールを浮かせた時の水位上昇=18.0−15.5=2.5cm
容器の断面積=64cm2、ボールの重さ=150グラム、底面にかかる圧力=150/64=2.34グラム/cm2=23.4Kg/m2=2.34hPa=水柱で2.34cm。
写真左右の水柱圧力計の水位差=目分量で2.5cm でした。
・この追加実験で、水柱の高さは 2.5cm上昇しました。この上昇は、(A)容器底面の圧力増加によるものだろうか。
それとも、(B)ボールが水を排除したことにより容器内で水位が上昇し、連動して水柱圧力計のほうも上昇したにすぎないのであろうか。
・以下の「思考実験」を行います。
1.水柱圧力計の水位を2.5cm上昇させるためには、容器(断面積=64cm2)に水を追加し、その高さを2.5cmにすべきである。
(水位は、水位同一実験で容器の口径の大小には無関係であることが実証されています!)
2.水位を上昇させるため、2.5x64=160グラムの水が必要である。
3.160グラムの水による圧力増加を、ボールによる圧力増加に置き換えてやればよい。
4.水はボールに浮力を与える。
5.その浮力の反作用として、容器の底面は浮力に等しい力を負担する。
(浮力の反作用を無視することは、ニュートンの運動の第3法則を無視することになります。浮力と言う力を保障するためには、
必ず、その力を支える人が必要です。)
6.容器の内部の底面には「空気、水、浮力の反力」の合力がかかります。
(この合力を容器の断面積で割り算すると圧力となります。)
7.以上の1と2より、(B)の状況が説明された。
さらに、3、4、5、6により、(A)の状況が説明された。
すなわち、(A)、(B)ともに同じ原理的なことを、異なった言葉を使って表現しています。
8.思考実験の終了。
・この実験及び追加した思考実験は、冒頭#320に書いた気球、油輸送船、飛行機が流体中に静止している場合に適用可能です。
しかし、流体中の物体が重力の方向に運動している場合には、これらの実験とは別の実験で検討する必要があります。(別の機会に。。)
・興味深い追加実験がいくつかあります。次の場合、底面が受ける圧力はどのようになるでしょうか。
@気球を係留した場合、
A沈んだ物体が容器底面にピッタリくっついた場合、
皆さん、先ず「思考実験」してみてください。そして、その思考過程や結果(仮説)を実験で確認、実証してみてください。
実験の意義は、「仮説の検証」にありますね。
・この実験は、実験33、密度成層を作る の内容をよりよく理解する上で、大変参考となる物です。
また、上記Aの問題の解答のヒントともなるでしょう。
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#333 実験装置の製作 and/or 準備
・透明な容器、醤油、牛乳、油
#334 実験の実行と結果
・容器の中に油、牛乳、醤油をこの順で、ごくゆっくり、静かに
注ぎ込みます。
・「油、牛乳、醤油」が分離されて、層を形成します。
#335 実験を効果的に行うための工夫、注意点等
・油、牛乳、醤油を注ぎ込むときには、割り箸や鉛筆などに沿わせて
ください。勢いが強いと対流現象となってしまい、成層状態に
なりにくくなります。
#336 実験の解説 and/or 関連実験
・油、牛乳、醤油は液体(流体)であり密度が異なります。
・密度が異なると、浮力の関係で、力学的に安定な状態になろうとします。
・この安定な状態は、上述しましたが、「静力学平衡」と呼ばれ、気象の世界では
最も基礎的な現象を表現するものです。
・実験では、「層を形成」しました。すなわち、鉛直方向の動きが見られないことを意味します。
その運動が見られない理由こそが、「静力学平衡」或いは「静水圧平衡」とよばれる理論で、
気象現象では最も大事な理論です。
実験装置の中には、「ミニ気象空間」が形成されている、と言っても過言ではありません。
・なお、空気もこの実験と同様で下層ほど密度が高いです。暖かい空気が下層にできた場合や
他所から風で運ばれてきたりすると、空気全体は(浮力の増減により)安定な状態に移行
しようとして、そこに上昇気流が生じます。
・水平方向、鉛直方向に空気の流れがあると、and/or できると、そこには天気の変化が
あることとなります。
・積乱雲が発達している光景をみることがありますが、そこには激しい上昇気流があること
を示唆しています。その積乱雲の下や周辺では、突風、雷、大雨などの現象が生じます。
#337 【追加実験、考察等】
・参考のため各種の物質の密度を掲載します。
身近な物質の密度 (単位:Kg/リットル) |
海水 1.01-1.05 水(4℃) 0.99997 水(20℃) 0.99820 氷(0℃) 0.917 新 約 0.12 蜂蜜・水飴 1.5 醤油 1.2 ウスターソース 1.1 牛乳 1.03-1.04 酒 1.0 酢 1.0 油 0.91-0.92 灯油 0.80-0.83 松 0.52 竹 0.31-0.40 木炭 0.3-0.6 味噌 1.2 食塩 1.1 上白糖 0.6 小麦粉 0.5 カレー粉 0.4 値は、理科年表、その他 Web Sitesよりの引用。 |
渦の寿命(水面にできた渦) | 渦の寿命 |
★渦や回転の一覧表(いろいろな渦や回転するものを作り、あるいはPC画面上に描く実験です) |
地球もまわっている。石も卵もまわります。逆立ちするコマもあります。
・低気圧や高気圧の回転の寿命を観察してみよう。
・台風やハリケーンの寿命を観察してみよう。
・水や空気のような流体の回転があると、二次流れが発現します。→実験A9スピンダウン、B0スピンアップを参照。
・さまざまな制約下、条件のもとで回転運動する物体があります(車輪、歯車、風車など)。
その原動力を考え、継続させる力は何かを考えてみましょう。→エネルギー源と力への変換
・さらには、回転運動させようとしても、回転させまいとする力もあります。→回転の慣性、すなわち角運動
・そして、回転に伴い現れてくる力もあります。→遠心力、コリオリ力
★上掲の#346に掲載した、「渦や回転の一覧表」に掲載した実験を参考にしてください。
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ティーバッグの不規則振動 |
スプーン1本の場合 | スプーン2本の場合 |
鉄の玉を、水の流れから離して、 | 鉄の玉を水流に近づけたら、 |
水槽の中を進行する牛乳(寒気)の先端形状に注目する![]() |
・この写真と実験から、ある程度想像つくかも知れませんが、2つの勢力の強い気流が衝突した
ときには、衝突付近において、激しい上昇気流、突風、雷雨が発生します。
その原理的な実験です。
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じょうごの中でビー玉を回転する。
![]() | ペットボトルの先頭部分をじょうごとして、中でビー玉を回転する。
|
| ボトルの上部を持って、下部を回転する。ビー玉の 軌道半径はそれほど大きくならず、高度も高くならない ![]() |
ボトルの下部を持って、上部を回転する。 ビー玉の軌道半径が大きくなり、上昇する ![]() |
・野球の投手がボールを手で保持したまま、腕を回転させ、適宜な位置でボールをリリースします。
その時ボールは、回転円弧の接線方向に運動(飛行)します。
・この実験でビー玉がじょうごから飛び出す時には、その時の回転円弧の接線方向に運動し
(飛び出していき)ます。
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#393 実験装置の製作 and/or 準備
・風船、ビー玉
#394 実験の実行と結果
・風船の中にビー玉を入れる。
・風船を膨らませる。
・適宜の大きさたとえば直径20〜30cm程度になったら、口元を縛る。
・風船全体を回し、風船の中でビー玉が回転していることを確認する。
・ビー玉の回転軌道上に手のひらを当てると、ビー玉が手の平を押すことがわかります。
#395 実験を効果的に行うための工夫、注意点等
・ビー玉の回転は余り強くしないようにします。
・風船が破裂したり、さらにはビー玉がどこかへ飛んで行ってしまいますので。
#396 実験の解説 and/or 関連実験
・遠心力は「見かけの力」と呼ばれますが、この実験のように「実際に」力を感じます。
・ビー玉の回転がなくなれば、ビー玉が手の平を押す力はほとんどゼロになります。
#397 【追加実験、考察等】
・実験#38、ブラックホールの#386でも書きましたが、ビー玉の速度を大きくすると
ビー玉の回転軌道が上昇します。
・実験#40、バケツを振り回すの実験で、バケツを水平に振り回すと
バケツの速度に応じて、バケツの回転軌道が上下します。軌道は3次元空間に球面を描きます。
(バケツの代わりに、おもりを糸で吊るして、水平に振り回しても同じ結果となります。)
・実験70、剛体回転1の回転する水の表面は、回転放物面を形成します。
確認してみてください。
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