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キッズの気象実験(続き)

実験項目および内容は、随時追加、修正、改良しています。 Originated 2008-08/08 Last Updated 2008-08/30,09/30,10/15
#610 実験61    間欠泉を作りたいと思っていました。    間欠的に圧力を発生させる仕組みをいかに作るか、そこがポイントでした。    結局、これまでに行ってきた実験を組み合わせて行うのが、最も楽に    できる方法である、と気づきました。 #611 実験タイトル=間欠泉 #612 実験の狙い=実験を組み合わせて、新たな実験方法を創作する
ヘロンの噴水。ししおどしのA部からヘロンの噴水の
A部に水が注がれ、D部から水が噴出します。
ししおどし。このししおどしがカタンとなった時に、水が、
ヘロンの噴水のA部に注がれるように装置の位置関係を設定します
#613 実験装置の製作 and/or 準備 ・
実験14、ヘロンの噴水実験31、ししおどし。を組み合わせる。    ・このとき、ししおどしおよびヘロンの噴水装置のA部を高い位置に、ヘロンの噴水装置B、C(D)を低い位置に配置します。 ・ししおどしの設置位置は、床上1m以上にすると噴水がそれなりに高くなるでしょう。 #614 実験の実行と結果    ・給水は、高所に設置した水溜めからサイフォンで水を導き、ししおどしの注水部へ流し込む。    ・一定の流速で流出する水がししおどしに一定量たまると(通常一定時間経過後)、ししおどしのA部が傾き、     水がヘロンの噴水装置に流れ込む。    ・こうして、【一定時間ごとに】噴水が生じます。 #615 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・ヘロンの噴水装置のA部をできるだけ高く配置すると、噴水が高くなります。    ・噴出した水を捨てずに再利用するため、洗面器などで噴水を受けましょう。 #616 実験の解説 and/or 関連実験 ・ししおどしの装置は、間欠的に水を供給する機能を持ちます。    ・ヘロンの噴水装置には間欠的に水が注入され、同時的に水を噴出します。    ・この両者の連携プレーで「間欠泉」の出来上がりです。    ・この実験は、本物の間欠泉をシミュレートしていると考えられます。    #617 【追加実験、考察等】 ・この実験は、それぞれ固有の目的を持った実験を組み合わせて、新たな実験が可能となった例です。     (#317、でこういうものを作りたい、と願っていた現象を作り出すことができました。)     ・実験装置全体の配置を示します。
間欠泉1(全景)
間欠泉2(ししおどしが傾いたとき)
間欠泉3(間欠的噴水)
     ・間欠泉の噴出時間間隔は、高低差、ボトルをつなぐチューブの口径、ボトルの容積、支点の位置、     ボトル内にもともと入っていた水量、ボトル内の気圧、管路の抵抗、水の表面張力など、さまざまな     要因が影響を与えると考えられます。    ・装置を精密に作っていないので、漏水があったりしました。     このためか、ししおどしからの注水タイミングが本来規則的であるはずのものが、やや乱れています。     ・間欠泉におけるししおどしからの注水および、噴水のタイミングチャートを作成してみました。実測です。      (1)噴水の最中にししおどしからの注水があれば、噴水は継続する。      (2)噴水終了後、次の注水開始まで時間があくと、次の注水、その次の注水、さらにはもうひとつ先の         注水があっても、噴水が起こらない場合がある。    ・このように、不規則的な噴水現象を呈する間欠泉が見られた。    ・すなわち、噴水のタイミングは注水のタイミングに同期していませんが、何回かの注水ののち、噴水がありました。     しかし、別の同様装置で、実験したところ、今度は、注水と噴水が同期しました。     (この相違の理由は追試および検討中です。)    ・なお、断定的なことは何も言えないが、ヘロンの噴水装置における(中央の)ボトルBの噴水時の内圧は、     注水時点の内圧に比較して約30hPa高くなっていると推定される。     (この値は、別途のボトルを使って、噴水時の水柱を実視した結果です。)     先頭へ戻る 実験一覧表
#620 実験62    昔懐かしの糸巻き車を思い出しながら再現してみました。    小学校低学年の児童に、試行錯誤することや工夫することの体験を通して、うまく動くことを    体感してもらいます。そして、糸巻き車が動くメカニズムを考えてみましょう。    この実験は、家庭でお母さんがお子さんに見せてあげてもいいですね。 #621 実験タイトル=糸巻き車を作る #622 実験の狙い=ローテク(Low Tech.)カーを工夫しながら作ることを体験する
糸巻き車(走行中)
糸巻き車の反対側
糸巻き車(吊り下げた状態です)
ゆるい坂道を登る糸巻き車
#623 実験装置の製作 and/or 準備 ・糸巻き、つま楊枝、輪ゴム #624 実験の実行と結果 ・糸巻きの穴の中に輪ゴムを通します。    ・輪ゴムを写真のようにつま楊枝に通します。    ・長いほうのつま楊枝を数回回転し、輪ゴムに「撚り(より)」を与えます。    ・机の上におくと、輪ゴムの撚りが戻りつつ、糸巻き車が動き出します。    ・ゆるい坂でもけなげに上って行きますが、、、途中で息切れすることもあります。 #625 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・撚りをかける回数は欲張らず、多くしないこと。    ・つま楊枝の一方は、必ず床に届くように長さを調節すること。    ・つま楊枝の他方は。糸巻き車の進行の障害にならないよう、車の直径以内の長さにすること。    ・簡単な実験です。車がうまく動かないことがあります。原因を考え、いろいろ工夫してみて下さい。 #626 実験の解説 and/or 関連実験 ・輪ゴムに与えられ、蓄えられた弾力のエネルギーが解放されつつ、車の移動に使われます。    ・この実験は、気象とどんな関係があるのでしょうか。無関係に見えますね。     糸巻き車が走っても、雨が降ることとは関係ありません。この実験の表面的な姿の裏には、     重要な原理原則がひそんでいます。     それは【エネルギー=力】ということであり、【力=エネルギー】ということです。    ・例えば、台風の風のエネルギーは建物やクレーンなどを倒壊させる力を持っていますね。    ・糸巻き車のエネルギーは輪ゴムに蓄えられ、放出されました。     台風の風は、高い気圧(エネルギーレベルが高い)の空気が低い気圧(エネルギーレベルが低い)の空気     の方へ移動するとき、風になって、途中にある建物やクレーンにあたって、倒壊させる力となります。      (ふくらませた風船から空気が噴出するとき、高いエネルギーが解放されることと同様です。)      ・糸巻き車の実験はやさしいですが、そこでみられる現象の背後には自然界の原理原則があるのですね。  #627 【追加実験、考察等】 ・糸巻きがなければ、円筒形のものを探して糸巻きの代わりにして、実験してください。    ・車の前進に寄与する力はどこから生まれたかは、上述したつもりですが、容易に分かりますね。    ・では、エネルギーが糸巻き車を前進させる力に変換されるメカニズムはどうなっているのでしょうか。    ・糸巻き車の各部分の「機能」を考えてください。    ・動力の発生源、動力をスムーズに伝達する部分、それはどこでしょうか。    ・動力の伝達に関しては、【マサツを必須とする部分】と【マサツができるだけ小さいほうが良い部分】は何かを考えてください。    ・糸巻き車を吊るした写真を見てください。輪ゴムに撚りがかかっていると、糸巻きは回転します。そうです。「回転」します。     これがヒントです。
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#630 実験63    広場でフリスビーをなげると数十メートル飛んでいきます。    このときフリスビーには、投げる瞬間に回転力を与えます。    その回転力をもっと積極的に与えるように工夫します。 #631 実験タイトル=UFOを飛ばす #632 実験の狙い=強い回転を与えられた物体の飛行状態を観察する。
写真左、ボール紙を円盤状に切りぬく
写真右、円盤の縁を折り曲げてクッションとする。
#633 実験装置の製作 and/or 準備 ・ボール紙、輪ゴム    ・ボール紙を直径10cm程度の円形に切り抜く。    ・きりぬいた円盤の縁に切り込みを入れる。 #634 実験の実行と結果 ・円盤の縁の切り込みに輪ゴムをかけて、引っ張り、離す。    ・円盤が強く回転しながら飛んでいく。    ・円盤を飛ばす方向のコントロールが行いやすい。 #635 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・人に向けないこと。    ・安全のためには、円盤の縁を折り曲げ、立てるとよいでしょう(写真右)。クッションになります。    ・広い場所で、大空高く飛ばしてみよう。 #636 実験の解説 and/or 関連実験 ・回転する物体は、外乱に対する抵抗が強く遠くまで飛行できる。     (円盤を回転させずに投げても、すぐ落下してしまいます。)    ・回転していない物体は、
実験42、紙飛行機 を作って飛ばしましたが、機体の安定性を保つためには     主翼の形状を改良する必要がありました。 #637 【追加実験、考察等】    ・狭い室内で実験するときは、低空飛行させてみよう。たとえば、椅子の脚の間を通してみよう。    ・このUFOでは、ゴムの引っ張り力を動力源としました。     実験61の糸巻き車では、輪ゴムに撚りを与えましたが、その時にもゴムには引っ張り力が与えられていました。    ・さて、それでは、多摩川の左岸からUFOを飛ばして、水の中に墜落せずに右岸に無事着陸できるだろうか。いずれやってみたい。    ・子供たちに台風の話をするとき、直径30cm弱のこんな円盤を用意しておき、回して見せます。     台風も強烈な回転をしていることや、寿命が長いことを話ます。      先頭へ戻る 実験一覧表
#640 実験64    空気は熱せられると上昇し、対流現象を呈しますが目に見えません。    ビーカーに水と茶がらを入れて下から加熱すると、対流現象が観察できます。    下の写真右の雲も対流現象によってできた雲です。この対流現象は、    ベナール対流と呼ばれますが、その様子を目に見えるようにする実験です。 #641 実験タイトル=ベナール対流 #642 実験の狙い=べナール対流を可視化する
ベナール対流(細胞状)
ベナール対流(流された状態)
ベナール対流(穏やかな日の雲)
#643 実験装置の製作 and/or 準備 ・シリコンオイル、アルミ箔、小さく平たい容器、大きい平たい容器、温湯 #644 実験の実行と結果 ・大きい容器に温湯(約40℃程度)をいれる。    ・小さい容器にシリコンオイルとアルミ箔をいれよくかきまぜる。深さは1cm程度で良い。    ・小さい容器を大きい容器の温湯上に浮かべる。    ・すぐに対流が始まり、細胞状の縞模様ができる(写真左)。    ・小さい容器を少し傾けると、細胞の形が細長い形に変わっていく(写真中)。 #645 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・この実験ではシリコンオイルを使いました。    ・ほかに、水、牛乳、醤油、スピンドル油、機械油、食用油、さまざま使いましたが、シリコンオイルが最もよく細胞を形成してくれました。    ・アルミ箔でなく、茶がらなどを使いましたが、キメが細かく流れの様子が見える、光の反射がよく写真写りが良い、     などの長所があり、アルミ箔が良かったです。 #646 実験の解説 and/or 関連実験 ・気象予報士には、おなじみのベナール対流を作る実験です。    ・小さい細胞が、細長い形に変わっていくのは、冬季日本海上できる筋状雲に似ていると思われます。    ・風がなく穏やかな日差しのある日には、朝快晴であっても、昼前には上空2000〜3000mあたりに     雲が出てきます。たいてい写真右のような雲です。この雲は、ベナール対流によって作られると考えられます。 #647 【追加実験、考察等】 ・上の写真とは、逆の形のベナール対流の実験で、細胞状対流を作る試行錯誤の過程でできたものです。     シリコンオイルでなく、スピンドル油を使いました。右の写真は、高層にできた雲です。
ベナール対流
高層にできた雲
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#650 実験65    見えない流れを見る方法:透明=不透明にする・粒子を混ぜる、              遠くにあるものも見えない=Web-cameraを使うと現状を見ることができる              小さすぎるもの・大きすぎるものも見えない     ==========準備中です============ #651 実験タイトル=流れのかたちを見る
空気の流れの可視化
流れの中に障害物があると、後方に渦ができます。
Try.
    水の中に少量のアルミ粉末を混入し、水槽で流れを作ります。障害物を
    置くと、後方に渦が見えてきます。光の当てかたを工夫し、カメラの
    シャッタースピードを適宜にするとアルミ粉末の軌跡としての渦が写
    ります。
Variation.
    障害物の形状、配置、間隔をいろいろ変えてみましょう。
Think.
    空気が山や建築物に衝突すると、空気の流れが変わります。その変わり方は、
    様々な形となります。以下拙著シリーズ#1からの流れの形の抜粋です。
    流れの形(層流と乱流、反流と逆流)
    流れの形(主流の変化)
    流れの形(二次的な流れ)
    流れの形(二次的な流れ)
    流れの形(都市部の気流)
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#660 実験66    子供のころ、友達同士でビー玉を当てる遊びがありました。互いにとったり、取られたり。    この実験では、同じビー玉を使って、遊びの中で運動(量)というものを体感し、いろいろ考えてみましょう。    力がかかる方向とか、直線とか、直線が形成する角度とか、さらにはビー玉の重さなどが問題となります。    子供たちにとっては、目的を成功させるため【意識を集中する中で】、一瞬のうちに総合判断し、決断する。    そんな訓練にもなるかな、と思います。 #661 実験タイトル=ビー玉でビリヤード #662 実験の狙い=運動量というものを体感する #663 実験装置の製作 and/or 準備 ・ビー玉、割りばし、テーブル #664 実験の実行と結果 ・ビー玉を3個(A、B、C)テーブルの上に離しておく。    ・割りばしをキュー(Cue)代わりにして、1個のビー玉Aをうつ。    ・打たれたビー玉Aはビー玉Bにあたり、ビー玉Bはビー玉Cに当たる。 #665 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・テーブルがなくても、やや大きい平たい菓子箱を使っても楽しめる。    ・テーブルには、テーブルクロスがかかったままでもかまいません。    ・硬い木或いは金属棒を壁として、AやBを反射させても面白い。    ・A、B、Cの相互の位置関係を変えて、当たる角度をさまざまに変えてみよう。     (ビー玉A、B、Cを直線上にならべて打ったり、壁に当ててクッションとしてみよう。)    ・ビー玉の数を4〜5個に増やして、遊んでみよう。 #666 実験の解説 and/or 関連実験 ・運動量の保存の法則を実感します。    ・一つの物体の運動が、他の物体の運動を引き起こし、そこに新たな運動が生じ、     以降、運動が連鎖反応的に伝達されます。    ・1個のビー玉が同時的に2個のビー玉に当たれば、運動が分割されることになります。    ・そして、運動は次第に減衰していくことにも気づくでしょう。 #667 【追加実験、考察等】 ・よくある実験ですが、ビー玉を2つ以上、同じ長さの糸で吊るして、カチカチ言わせてもよいでしょう。    ・物体(たとえばボール、たとえば石)を打ったり、蹴ったり、投げたりすると、その物体は運動します。     運動には、その運動の源泉となっている力や運動が存在します。mgであり、mvです。    ・この実験では物体が「直線運動」すること、させられることを見ることができます。     この直線運動から、「回転運動」を引き出すことは可能でしょうか。     そのための条件は何でしょうか。→運動の方向を変えてやる必要がありますね。    ・こういう問題意識をもつと、話は速度(v)とか加速度(g)と言う運動の本質に迫っていきます。 先頭へ戻る 実験一覧表

#670 実験67    紙風船。    大抵のものはたたくとへこんだり、小さくなります。しかし紙風船は、たたくと膨らんできます。    しかも紙の状態だと、投げても飛んでいきません。しかし、紙風船はたたくと飛んでいきます。 #671 実験タイトル=紙風船であそぶ #672 実験の狙い=紙風船を叩いて、膨らんでいく様子を観察し、さらに紙を投げることができることを実感する。
紙風船、たたく前のへこんだ状態。
紙風船、たたいて丸く膨らんだ状態。
#673 実験装置の製作 and/or 準備 ・紙風船は100円ショップなどで売っています。    ・紙風船を自作するのは少々大変です。 #674 実験の実行と結果    ・半分程度ふくらませておいて(写真左)、あとは、上方へたたきあげると丸く膨らんでいきます(写真右)。 #675 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・10回程度たたきあげます。    ・紙風船は次第に膨らんできて、丸くなります。 #676 実験の解説 and/or 関連実験 ・たたいたとき、紙風船は一瞬体積が減少し内部は一瞬高圧になり、この高圧が紙風船を広げ膨張し、     低圧になろうとします。このとき、紙風船の入口からわずかに空気が入ってくると考えられます。    ・このわずかな空気の流入が、紙風船をたたくほど紙風船をふくらませることになります。 #677 【追加実験、考察等】    ・
実験02、空気の袋実験03、空気砲も紙風船と同じく空気が一瞬高圧になって、     その時運動性能がよくなります。 先頭へ戻る 実験一覧表

#710 実験71  コンピューターシミュレーションで台風の渦巻きを描いてみましょう。    子供たちに対しては、コンピューターのプログラムで、台風の渦の形を描くことができる    ことを話します。  #711 実験タイトル=台風の渦巻きを描く     #712 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
台風の渦巻きを「線画」で描く
渦巻を点、包絡線、文字で描く
 
#713 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #714 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・すなわち、パラメーター(緯度、地球の自転角速度、台風の進行速度、渦数など)の値を任意にかえてみます。    ・値に対応した図形が描きだされます。 #715 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・台風に関する予備知識を持っていると、的確なシミュレーションができるでしょう。 #716 実験の解説 and/or 関連実験 ・実際の台風の渦巻は複雑です。     ・しかし、空気にかかる力を単純化して考えるとき、空気の基本的な動きが現れます。    ・空気の動きを数式表現して、時間経過に伴う空気塊の運動の軌跡を描きます。    ・実際にはあり得ない値(速度、角速度など)を与えても、図形を描くことができます。     どんな形になるか。     こういうことが容易にできるのは、コンピューターシミュレーションの得意な技の一つです。  #717 【追加実験、考察等】    ・
高気圧性回転を加味したシミュレーションはこちらです。    ・台風の渦巻きをつくる実験を考える-その1    ・台風の渦巻きをつくる実験を考える-その2
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#720 実験72  コンピューターシミュレーションで台風が偏西風などの風に流される時の渦を描いてみましょう。    子供たちに対しては、コンピューターのプログラムで、台風の渦の形が風によって変わることの不思議さ    を見てもらいます。    このコンピューターシミュレーションで描かれる図形は、気象衛星雲画像で見るのとは、だいぶ違って見えます。    このため、視点を変えると、見え方(すなわち、現象の形)が変わってくる話をします。 #721 実験タイトル=風に流される台風の渦の軌跡を描く     #722 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
風に流される台風の渦の軌跡を描く
#723 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #724 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・すなわち、パラメーター(台風を流す風の方向や速度など)の値を任意にかえてみます。    ・値に対応した図形が描きだされます。 #725 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・台風に関する予備知識を持っていると、的確なシミュレーションができるでしょう。 #726 実験の解説 and/or 関連実験 ・実際の台風の渦巻は複雑です。     ・しかし、空気にかかる力を単純化して考えるとき、空気の基本的な動きが現れます。    ・空気の動きを数式表現して、時間経過に伴う空気塊の運動の軌跡を描きます。
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#730 実験73    台風の中心の軌跡は、トロコイド曲線になると書いてある文献があります。    トロコイド曲線を描いてみましょう。    このトロコイド曲線は、同じ数式を使って、パラメーターの値の与え方によって、    サイクロイド曲線にもなります。 #731 実験タイトル=台風の中心の軌跡 #732 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
サイクロイド曲線、トロコイド曲線を描く
#733 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #734 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・値に対応して、サイクロイド または、トロコイドとなります。    ・トロコイド曲線には、ループを描く場合と、ループしない場合があります。 #735 実験を効果的に行うための工夫、注意点等    ・特段の注意を払わなくても、容易に曲線を描くことができます。 #736 実験の解説 and/or 関連実験 ・台風の中心がなにゆえトロコイド曲線を描くのか、     筆者には残念ながら説明できません。      #737 【追加実験、考察等】 ・サイクロイド曲線は、「最速曲線」とも言われます。     斜面に沿って降りるよりも、サイクロイド曲線にそって降りるほうが早く下に着きます。
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#740 実験74    地面が回転している実証実験です。回転の角度=sin(緯度)に比例します。    回転座標系に投影される直線運動物体の軌跡=コリオリ力という力を導入して、説明されます。        「フーコーの振り子」の実験は、おもりをはりがねで天井から吊り下げて、揺らすだけです。    しかし、この実験を本当に成功させるには、素人にはとても困難なところがあることに気づきます。    一方、自然の動くままに実験しなくても、ある程度自然の動きを「制御」してやると、擬似的に    結果を見ることができます。    さらには、コンピューターを使うと、「物」に起因する実験上の障害を未然に防ぐことができ、    結果をPCスクリーン上で見ることが可能です。    問題は、この実験で地球が回転(自転)していることが納得できるでしょうか。地球は地軸の    周りに回転しているはずです。振り子がつりさげられているその振り子の鉛直軸は、その地点の緯度    に相当するだけ、地軸に対して傾いているはずです。この実験が終わったら、ぜひともジャイロの実験をみて 検討してください。 #741 実験タイトル=フーコーの振り子 #742 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
フーコーの振り子による曲線を描く(バラ曲線)
#743 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #744 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・フーコーの振り子が描く軌跡がもとまります。 #745 実験を効果的に行うための工夫、注意点等    ・特段の注意を払わなくても、容易に曲線を描くことができます。    ・厳密には、回転角度に応じた半径を与える必要があります。 #746 実験の解説 and/or 関連実験    ・実際の地球の運動は目に見えないくらい遅いですが、回転速度の遅遅に     かかわらず、原理的には同じです。      #747 【追加実験、考察等】 ・フーコーの振り子による模様を「砂」で描くことができます。    ・フック、針金(or 糸 or 紐)、新聞紙、砂、ペットボトル、鉄板など用意します。    ・細かい砂をペットボトルに入れ、ボトルの蓋の部分を砂の出口とした。     出口の口径は、竜巻の実験のときの蓋を利用したので、8〜10mmであった。    ・円盤の上に鉄板を乗せ、円盤を回転し、砂を入れたペットボトルを鉛直面内に振動     させると模様が描かれる。今回の実験では、対称形の(きれいな)模様にはなっていない。    ・振り子が1往復する時間(2秒程度)の間に、円盤(鉄板)をおよそ20°程度回転     すると、ある程度「マシ」なもようが得られます。    ・振幅が減衰したり、円盤の回転が不規則になると、図形は崩れます。     (下の写真では、ほとんどの模様が崩れています。きれいな模様を得ることは、結構難しいです。)    ・砂粒の粒径、模様の継続時間、模様の太さなど、試行錯誤して最適な状態を見つけよう。
砂で模様を描く。全景図。
砂で模様を描く。拡大図。
砂の粒を揃える。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
砂で模様を描く。
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#750 実験75 気象予報士なら知らないものはないくらいお世話になるコリオリの力を    シミュレーション実験で見てみます。    「進行方向の右側に曲がっていく」と呪文のごとくそらんじていますが、    さて、本当に右に曲がっていくでしょうか。コリオリ力を納得的理解にに至る    にはどのような実験を行えばよいでしょうか。    コンピューターシミュレーションとしては実験74のフーコーの振り子と同じです。    コリオリ力は、実験71の台風の渦巻きの実験にも関係したものです。    コリオリ力の説明は、子供達にとっては難しい問題ですが、台風の渦巻きの成因などの解説において、    やさしくできるように考えねばなりません。     #751 実験タイトル=コリオリの力(コンピューターシミュレーション) #752 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
フーコーの振り子による曲線を描く(コリオリ力)
#753 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #754 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・フーコーの振り子が描く軌跡がもとまります。 #755 実験を効果的に行うための工夫、注意点等    ・特段の注意を払わなくても、容易に曲線を描くことができます。    ・厳密には、回転角度に応じた半径を与える必要があります。    ・シミュレーション荷使った、数学的方程式は、必ずしも、力学的な釣り合い状態から     導き出したものではありません。模式的にこのような図形になる、と理解してください。 #756 実験の解説 and/or 関連実験 ・直線運動と回転運動の問題です。    ・直線運動する物体を回転座標系状の観測者が見た時のその物体の運動の軌跡です。    ・この直線運動が回転運動として描かれるのは、その直線運動をしている物体に     何らかの力が作用したものではありません。見えない力が作用したものと考え、     この力が「見かけの力」、さらには、「コリオリの力」と呼ばれているものです。 #757 【追加実験、考察等】 ・回転円盤、紙、定規、鉛筆orペンを使って簡単な実験ができます。    ・紙を回転運動させておき、ペンを直線運動させます。そうすると、花びらの模様が描きだされます。    ・ペンを固定したままにしておくと、1つの円が出来上がります。    ・この方法は、実験74のフーコーの振り子の実験で砂模様を描いたのと原理的に同じです。    ・コンピューターに描かせた時のように均整のとれた模様はなかなかできません。    ・円盤を回す操作やペンを直線運動する操作は、コンピューターの中では数式で表現されています。     シミュレーション画面を操作する人は、論理を知らなくても図形を描くことが出来、頭の中で、なんとなく理解できるでしょう。     しかし、円盤を回したりペンを直線運動させたりして何度も繰り返し行うことによって、直線運動と回転運動の     相互連携プレーを体感できるのではないかと思います。 
装置の全景
試行錯誤

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#760 実験76    フーコーの振り子の実験で振り子は、地球の回転があっても鉛直面内を運動する。    この鉛直面は、方向が不変である。この性質は、方位磁石の磁針が一定方向をさす    様子に似ている。方向を一定とさせる原理は異なるが、一見したところよく似ている。    この類似性はごく単純なことではあるが、これまで気がつくことがなかった。    フーコーの振り子の実験や、コリオリ力の実験において、関連実験として行ってみる    ことをお勧めしたい。 #761 実験タイトル=方位磁石 #762 実験の狙い=狭い範囲の「地面」が回転しても方角は不変であることを見る。
方位磁石
円盤を360°回転する。磁針の方向は一定です。

#763 実験装置の製作 and/or 準備 ・方位磁石を円盤上に乗せ、円盤を回転する。 #764 実験の実行と結果 ・方位磁石を乗せた円盤が回転するとき、方位磁石の方向は常に一定方向をさしています。    ・遊園地で、メリーゴーラウンドに乗っていても、「北」の方向は常に一定である     ことに似ています。 #765 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・方位磁石を2つ円盤上に置くと2つの磁針が平行し、かつ同じ方向を向くことがわかる。 #766 実験の解説 and/or 関連実験 ・磁針は磁力の力によって常に磁力線の方向に向きます。    ・実験規模がごく小さいので、磁針が一定方向をさすことを擬似的に     【羅針盤のコマの回転方向が一定であることとして】見ることができる。 #767 【追加実験、考察等】    ・磁力線によって磁針が一定方向を向くことを、慣性の法則に従う運動に関連付ける     ことは本来無意味であるので、ここはひとつ、
実験77、ジャイロスコープの実験を行わざるを得ない。 先頭へ戻る 実験一覧表

#770 実験77    地球が自転していることは、太陽や星の動きで分かります。    そして、フーコーの振り子の実験では、地面(接平面)が回転していることが実証されています。    しかし、なんとなく、「ピン」と来ない気がします。気象予報士の専売特許みたいな「渦度」にsinθ    を乗算する話も、しかりです。一つの回転が存在して、その回転軸Aに傾きのある別の回転軸Bを    考えるとき、回転軸Bをもつ物体も回転する、と教えられてきました。「へ〜そんなものか」、と。 そこで、もっと小さい規模で、見やすいサイズと時間で、回転体上の接平面の回転角度に与える    影響を測定しましょう。コマ(ジャイロスコープ)を使って、実験できることに気づいたのです。 なお、接平面の回転角度は、その地点の緯度に応じて変化します。この理論的証明は拙著の    シリーズ#2「天気図と気象理論」のP.114 に掲載しています。    一部写真が不鮮明なところもありますが、本文やイラストを参照してみてください。     #771 実験タイトル=ジャイロ #772 実験の狙い=ジャイロスコープを使って、接平面の回転角度に与える影響を測定する。
装置の全景
回転軸の傾きをさまざまに(90N、45N、0N)変えてみる
#773 実験装置の製作 and/or 準備 ・ジャイロ、バケツ、プラスチック容器、ペットボトル、水を用意します。    ・ペットボトルの胴体部分を切り離し、ジャイロを乗せる架台とします。    ・バケツに水を入れ、プラスチック容器を浮かべます。    ・ジャイロを回し、架台に乗せ、架台をプラスチック容器の中央部に静かに置きます。    ・ジャイロを架台に乗せるとき、ジャイロの傾きを「鉛直、45°、水平」の3種類とします。 #774 実験の実行と結果 ・ジャイロの傾きに応じて、プラスチック容器が回転します。    ・1分あたりの回転数をカウントします。5回ずつ実験し、回転数のうち、最大値と最小値を除いた     残りの3つのカウントの相加平均を求めます。以下の回数となりました。
回転軸の傾きカウント数平均値
90(°)11,12,11,11,1211.3
45(°)06,08,07,06,087.0
00(°)00,00,00,00,000.0
#775 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・プラスチック容器が回転するとき、バケツの内壁にこすれることがあります。     できるだけマサツが小さくなるような容器材質が望ましいです。 #776 実験の解説 and/or 関連実験    ・回転体上の平面(接平面と言う)の回転運動を推定しようとするものです。    ・フーコーの実験で、観測地点の地面の回転角速度は、地球の自転の角速度にその地点の緯度の正弦値を乗じた値に     なることを知りました。    ・この実験では sin(45°)=0.70 ですから、11.3*0.70=7.8 の値が得られるべきでしょう。    ・しかし、マサツなどの影響のためか、実測値は、7.0 とやや少ない目でした。    ・この実験で注意すべきは、コマの回転方向とプラスチック容器の回転方向です。同じ方向であるべきですね。     さらに言うならば、接平面上を直線運動する物体を考えるとき、観測者が接平面上に立って物体を見ているとき、     その物体は、接平面の回転方向とは逆方向に回転しているように見えます。     フーコーの実験 や コリオリの実験 で見てきました。  他にも、関連実験として、方位磁石の実験を参照して下さい。 #777 【追加実験、考察等】    ・下の写真のようにジャイロを手に持って、その回転軸を傾けると抵抗する力を感じ、平行移動すると、抵抗を感じません。     コマのように回転している物体は、その回転軸を一定に保とうとする性質があり、回転軸を傾けようとして外力を加えると     元に戻ろうとします。それが抵抗する力であり、コマ自身が自分の姿勢を保とうとする性質の現れです。 ・話は飛躍しますが、「角運動量保存の法則」の実例です。     この実験においては、コマの持つ角運動量が、「コマ、架台、プラスチック容器」の3者から構成される一つの     「系」において、コマの持つ角運動量が架台を経由して、プラスチック容器に伝えられた、と考えます。
手にもって回転軸の方向を変えようとすると抵抗を感じる。
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#780 実験78    気象学者ローレンツが対流の研究で数値計算を行っていた時に発見した    カオス現象。その原点となった数式を数値計算して解を求め、図形に描いてみましょう。 #781 実験タイトル=カオス(ローレンツのストレンジアトラクター) #782 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
カオス(ローレンツのストレンジアトラクター)
#783 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #784 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・μの値に対応して、収束する図形や発散する図形などがえがかれます。    ・
操作の説明はこちらを参照 #785 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・X、Y、Zの3D図形です。画面をドラッグして回転してみてください。    ・描かれる曲線が、どんなに接近しているように見えても重なることはありません。 #786 実験の解説 and/or 関連実験    ・ローレンツモデル:       ∂x/∂t=−γx+γy       ∂y/∂t=−xz+μx−y       ∂z/∂t=xy−bz     ★μは、平行平板の上下面の温度差ΔTに比例した数字です。      この温度差が拡大して行くと、流体は安定状態から対流へと      次第に不安定かつ複雑な動きへと変わっていきます。      熱の移動の仕方は、「熱伝導→対流→沸騰」、と変わっていきます。 ・描かれる曲線と実際の対流現象との対応はなかなか困難ですが。     専門書には解説があります。 #787 【追加実験、考察等】 ・拙著「天気図と気象理論」の理論の基礎、数値予報(4)P.127に数値予報のための若干の関連記事を     掲載しています。ご参照ください。 先頭へ戻る 実験一覧表
#790 実験79 フラクタル幾何学の創始者、マンデルブロー博士はその名前を冠した「マンデルブロの図形」 で有名です。どんな図形か描いてみます。 そして、自然界の中における相似的な形をした物体や現象にはどんなものがあるか探して    見ましょう。 #791 実験タイトル=フラクタル(マンデルブローの図形) #792 実験の狙い=コンピューターシミュレーションを体感する
マンデルブローの図形を描きます。
#793 実験装置の製作 and/or 準備 ・PCスクリーン上で操作します。 #794 実験の実行と結果 ・スクリーン上の入力欄に数値をキーインします。    ・描いた図形の任意の場所をクリックすると、物と同じ形の相似的な図形が現れてきます。    ・どんどんクリックして行っても同じ図形が現れてきます。     (ただし、計算精度により限界があります。) #795 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・相似的な図形の出現に注意してください。    ・クリックする場所は、有意な画像の「縁」の付近をえらぶと、相似的な図形が     継続して現れます。 #796 実験の解説 and/or 関連実験 ・自然界の中にはさまざまな相似的な地形や現象があります。    ・たとえば、樹木の枝構造、雲の形、海岸線の形など、、。 #797 【追加実験、考察等】 ・
この他にもさまざまな相似的な図形を描くことができます。    ・PCに図形を描かせるとき、計算回数が数万回の場合は、計算所要時間が数分かかる場合     があります。画面をクリックした時、反応がなくてもしばらく待ってください。    ・関連リンクです:       未来館でのマンデルブロー博士の講演        EXCELで作ったフラクタル画像 先頭へ戻る 実験一覧表
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