操作のヒント Return Home 短期予報 1週間〜1ヶ月予報 数値予報モデルの説明 操作のヒント 検討事項(CFL条件、誤差) 問題点・改善点 Lorenz Strange Attractor 初期値鋭敏性の検討図 誤差の増大図 Last updated 2002-1/26,1/27,1/31,7/13,7/14
・入力する値を変えると、結果が発散したり、振動したり或いは一定の値に収束していきます。 スクロールバーで、一部の値を連続的に変化し、スムーズな Simulation が観察できます。 ・「値を変える」と言うことは、「現象の物理的状態を変える」ことに他なりません。 風速、気圧、それらの傾斜の度合い(混み具合)、緯度などの物理量をどのように変えると 結果(系の応答)としての風速がどのようになるかを Simulation し、確認してみます。
・画面では、初期パラメーターを表示しています。 風速の初期値 u0,v0、風速の傾度ux,uy,vx,vy、気圧の傾度px,py、 緯度phi、積分時間間隔dt、積分回数n これらの値は、キーイン域で、OverTypeし、変更可能です。 ・さらに、 風速の傾度 ux,uy 気圧の傾度 px,py に関しては、初期パラメーターをスクロールバーで連続的に変更できます。 ・"DRAW"ボタンを押すと、キーイン域の値のみで計算が行われます。 (このとき、スクロールバーの値は無視されます。) ・スクロールバーは、入力されたパラメーターの値を、0.2倍〜1倍〜10倍まで、 0.2倍単位で連続的に追加し、変化します。 ・スクロールバーは、少し動かす/触れることによって、その効果を発揮します。 ・スクロールバーで与える以上に、値を大きく変えてシミュレーションしたいときは、 所望のレンジの値をキーイン域に入力して、値そのものを大きく又は小さくして 入力してください。そしてスクロールバーをスライイドします。 ・スクロールバーのスライダーを動かしても、グラフが変わらない場合は、 値の変化が微小なため、「変わらないように見える」だけと思われます。 ・vx,vy,pyに関しては、スクロールバーは設置しませんでした。 ------------------------------------------------------------------------------------------- ------------------------------------------------------------------------------------------- ・キーインする値のガイド: 検討すべき項目は、次の6項目です: A=初期値 B=移流の効果もしくは影響 C=コリオリ力 D=気圧傾度力の影響 E=摩擦力の影響 F=積分時間間隔 以下、おのおのの項目について、具体的な数値をキーインして、風速の予想値の変化を見て見ましょう。 微小な数値をキーインしますが、0.00001は(ゼロが4つ入ると)、10万分の一を意味します。 ・風速では、100km につき、 1m/sec の速度差(傾度) ・気圧では、100km につき、 1hPa の気圧差(傾度) となります。 A=初期値 A1.u0=0,v0=0 とキーインしてDraw ボタンを押してください。初期値が0であるにもかかわらず、 時間経過とともに風速が現れ、かつ変動します。 A2.u0=0, v0=10.0 とした場合でも、東西方向の風速の予想値は 0 となりません。 A3.u0=50,v0=50 とした場合は、初期値が大きくなった分だけ、予想値も大きくなります。 以上において、よく言われる初期値の微小な変化が、予想時間の増大に伴って誤差が増大する と言うことの立証は無理なようです。 B=(速度の)移流 (移流の値を直接数値で与えることはできませんが、物理量の傾度を変える事により、 移流の効果を見ることができそうです.そこで、ここでは速度の傾度を定数で与えてみます) 最初は、U,Vともに10万分の一の傾斜(100km離れて、1m/s の風速差)としています。 B1.uxの欄は、du/dx の意味です。 du/dx=0 としてみてください。値はあまりかわりません。 B2.uyを1桁大きくしてください。すなわちdu/dy=0.0001 とすると、値は発散します。 東西流の南北シアーが大きいと、値は発散し易くなるようです。 以上より、移流が0であっても、速度変化が生じることがわかります。 C=コリオリ力 C1.phi=0 (赤道の緯度)をキーインすると、無表情な風速になってしまいます。 C2.phi=90 (北極の緯度)をキーインすると、それなりの締まった形となります。 C3.phi=10〜60 の範囲で緯度の値を順次大きくしてみてください。形が整ってくるようです。 以上より、コリオリ力というものが、風速の予想値に、結構寄与していることがわかります。 D=気圧傾度力の影響 D1.px=0,py=0 をキーインして下さい。風速は、少し小さくなるようです。 D2.px=0.01 をキーインしてください。風速は大きく変わります。気圧傾度力が大きくなれば、 風速は大きくなることは、考えられますが、シミュレーションでは、大きくなりっぱなしでなく、 変動することを示しています。ただし、余り大きな、非現実的な値を与えても意味がないかも 知れません。 以上より、気圧傾度力の影響もそれなりにあることが分かります。 E=摩擦力の影響 摩擦力のオーダーは、試算すると、0.001 程度以下であることが分かりました。 また、摩擦力は、コリオリ力と気圧傾度力から算出できることを思い出しました。 したがって、摩擦力の入力は、必ずしも行う必要はないことが分かりました。 近日中にプログラム及び画面を更新予定です。(2002-7/14現在、記す) 当面、摩擦力=0.0の場合の画面のみupしておきます。(自由大気だと思ってください) 摩擦力を考慮したプログラム 作成は、検討のため大分時間がかかる見通しです(7/15、記す) F=積分時間間隔dt F1.積分時間間隔は6分に設定してあります。これを、dt=1 分にしてください。 時間軸(横軸)の目盛が変わりますが、グラフに描かれた形では、全体像が分かりにくくなります。 F2.dt=12 にしてください。積分時間間隔は、倍の荒さになりました。結果もやや荒いようです。 F3.dt=60 に一挙に10倍にすると、値は、発散してしまいます。 以上より、適切な、積分時間間隔の設定が必要であることが推察されます。 →実際は、CFL条件を満たす必要があります。 以上、風速だけで、プリミティブ方程式系の性質を云々することには、無理なところがありますが、 このように数値計算を実際に行うことにより、変数の寄与の程度がある程度把握できますので、 天気図を読み、天気の予想を行おうとする場合に、局地的に気象要素の値を変化して考えたい場合の、 ひとつの参考となるのではないでしょうか。 ------------------------------------------------------------------------------------------- ------------------------------------------------------------------------------------------- 注意 ! ・短期予報では目立ちませんが、一月予報において、ux,uy,vx,vyの値を、同時に、初期値よりも 1桁小さくする(→0.000001)と、予想値は時間経過とともに大きく発散します。 ・摩擦力fxfyの値を1桁大きくする(→0.01)と、予想値が大きく変動します。 これらの現象/変動は正しいのか否か、目下検討中です。 --------------------------------------------------------------------------------------------
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