2007年の記録



【西部支部1月例会】
日時:1月13日(土) 13:30〜16:30
場所:九州大学ベンチャービジネスラボラトリ(VBL)
    福岡市東区箱崎6-10-1
参加者:9名(うち初参加1名)
内容:
●「亥年の災害について」: 弘中さん
亥年の災害は、阪神・淡路大震災、日本海中部地震、伊勢湾台風、
カスリーン台風、関東大震災、宝永地震、慶長三陸地震と
歴史的大災害が多かった。
しかし亥年であっても大災害のない年もたくさんある。

1995年(平成7年)兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)
1983年(昭和58年)日本海中部地震
1959年(昭和34年)伊勢湾台風
1947年(昭和22年)カスリーン台風
1923年(大正12年)関東大地震
1707年(宝永4年)宝永地震 M8.6 ちょうど300年前!
1611年(慶長16年)慶長三陸地震

●「季節時計の話」: 石丸
授業で学生に作らせた季節時計を紹介しました。
均時差により同じ時刻でも季節により影の位置が異なります。
この説明は難しいです・・・。

●「竜巻予報について」: 金崎さん
1面積あたりの発生率の日本の県平均とアメリカの州平均値は大きく違わない
2FスケールはF12のマッハ1の風速まである
3アメリカではFスケールを改良したEFスケールを使うようになった
4竜巻の推定風速は被害状況から大まかに推定するとともに石や車等の横転
 があればより力の釣り合いから精度のよい推定ができる
5アメリカではドップラーレーダ網が80年代から90年代に構築された
6アメリカでは平地にタワーを立て設置され商務省、運輸省、国防総省の
 共同運用である
7アメリカでは反射強度と風のパターンからトルネードの発生の兆候をつかむ
8アメリカでは低気圧が移動する場合にメキシコ高原から乾いた空気が
 寒冷前線前面に移動してきて湿潤空気の上に乗り対流不安定な成層が
 できることが多い、この付近でトルネードが発生しやすい
9アメリカではスーパーセルなど大きな雲が多く、現象が激しく被害が
  大きい反面兆候を捕らえやすく現象の継続時間も長い傾向がある
10日本では雲はアメリカより小ぶりな傾向があり、現象を捕らえること
  が難しい
11日本では現象の継続時間が短いので発生の兆候を捕らえても情報の
  迅速な伝達とあらかじめ決められた対応策が即時にとられないと意味がない
12空振りがあると思われるので、情報が外れて発生がない場合は
 被害がないのでラッキーと思うような発想の転換が必要かも

●「映像鑑賞」: 龍山さん
野鳥や花のビデオを見ました。
今の季節には珍しい花や渡り鳥の紹介がありました。
 
懇親会: 「酒楽遊膳 たかの」 17:30〜
参加者7名
防災士の話題で大いに盛り上がった・・・ような気がします。


【西部支部2月例会】
日時:2月10日 13:30〜17:00
集合:宮崎県庁正門前
会場:宮崎県国富農業改良普及センター(県庁から20分程度)
今回は、初めて宮崎県で開催しました。
会場は、宮崎県国富農業改良普及センターで
参加者 20人でした。
内容は、以下のとおりです。

向吉さん
 学科試験問題と寒帯ジェット気流(Jpn)と
 亜熱帯ジェット気流(Jps)の穴埋め問題

村岡さん
 県庁内天気予報から連休期間の天気予報
 週末の金曜日に、県庁内向けに、行事、運動
 洗濯を含めた予報を出しています。感謝されています。

根本さん
 千葉県から参加されました。
 宮崎県と千葉県の夏日や冬日、降水量などの気象比較をしました。
 悪魔の海、オホーツク海がもたらす北東気流への恨みと
 相当温位350Kへの憧れなど話されました。

荒山さん
 奥さんもご一緒に参加されました。奥さんも気象の勉強を始められたそうです。
 宮崎県日南市出身の荒山さんが幼稚園の時に体験した積雪は、
 どういう気圧配置だったのか(南岸低気圧)というお話。

宮崎気象利用研究会から6人参加
 「都市化に伴うヒートアイランド現象と今後の街づくり」
 「地球温暖化が宮崎の農業気候資源に及ぼす影響」

弘中
 2/2の震災対策技術展「身近な地震・火山の学び方
 〜エンターテイメントから探る防災へのヒント〜」から
 宮崎県の医師だった石黒耀さんの火山の話など紹介しました。

地元宮崎市にお住まいの澤村さんが初参加されました。
懇親会は、カウンター席まで予約で満席の「やまぢ」で地鶏料理を堪能しました。
とっても柔らかくてジューシーでした。

次回、第105回西部支部例会は、
3月10日13:30-17:00 九州大学VBLであります。
ご出席の方は、懇親会の出欠とあわせてご連絡ください。
  http://www.vbl.kyushu-u.ac.jp/map.html


【西部支部3月例会】
日時:3月10日(土) 13:30〜17:00
場所:九州大学ベンチャービジネスラボラトリ(VBL)
    福岡市東区箱崎6-10-1
参加者:12名

内容:
「半導体工場の話」: 高木さん
(1)雷による瞬時電圧降下の影響が大きい
(2)台風など、強風の影響が排気圧変動で製造装置を止める
(3)クリーンルームでは温度と湿度を精密に管理しているために
  相当温位の大きな変動が影響する
(4)クリーンルームや超純水、歩留に関すること
   「0.1μmクラス1は、山手線の中に仁丹一粒のゴミ」
いつもと違う話題で楽しんでいただけたようです。

「元寇の神風」: 松嶋さん
国定教科書の文永の役、弘安の役の記述の変遷を紹介した。
満州事変後の昭和9年の『尋常小学国史』から「神風」の表現が
使われること、敗戦色が濃厚となった昭和18年の『初等科国史』
から文永の役の神風の記述が登場することなどを紹介した。また、
終戦後の昭和21年の『くにのあゆみ』の記述の謎について自説を
紹介した。

「土佐沖低気圧の話」: 金崎さん
最近の低気圧事例から四国沖や朝鮮半島の東側で収束や山岳に
よる寒気せき止めで下層に低気圧が発生しやすいことやまた発生
した低気圧が山岳を越えにくいこと、そして上層のトラフの接近により
発達することを説明した。なお、福岡では南岸を通る低気圧の場合
に予報が外れやすく、鹿児島では四国沖で低気圧が発生する時に
外れやすい。 

「他支部・研究会の紹介」: 弘中さん
2/3に開催された神奈川支部の横浜地方気象台見学会と例会の
様子を紹介した。また2/16に開催された天気予報研究会で大門
禎広@北関東支部さんが発表された「雲断面図による時系列予報」
について紹介した。

「気象分析」: 全員
全員で翌日の気象分析をしました。

「懇親会」 益正 天神三和ビル店 18:00〜
参加者8名
いつものように楽しい時間を過ごしました。
その後、5名はラーメンを食べに街中に消えました。

【西部支部4月例会】
日時:4月14日(土) 13:30〜17:00
場所:クローバープラザ502研修室
   福岡県春日市原町3丁目1−7
参加者:13名(うち新入会員1名)
内容:
●「日本気象予報士会の紹介」: 弘中さん
新規入会者に日本気象予報士会の紹介をしました。

●「気象予報士のための気象予報士試験に出ない問題集」: 松嶋さん
「春一番」関係する話題の提供があった。
@地方によって発表の基準が異なること、北海道・東北・沖縄では「春一番」を発表していないことなどの説明があった。
A「春一番」の語源となった壱岐、郷の浦で、江戸末期に行われていた漁業について説明があった。
B2,166人が亡くなった「函館大火」について説明があった。

●「局地風解析の話」「埼玉支部の紹介」: 大門さん
○局地解析
天気現象は地形の影響などのため局地現象によって決まる場合も多いため局地解析をしてみました。
解析方法は
@Windowsマクロを組み気象庁のHPからアメダスデータを読み込むと同時にEXCELに貼り付ける。
AEXCELによりフォーマット変換及び相当温位などを計算する。
BGMTというフリーソフトにより局地天気図を描く。
という流れです。
解析事例
@平成16年9月26日 熊本豪雨
雲仙岳付近から熊本空港のラインに風の収束ラインが見られる。
A平成18年9月17日 台風13号(延岡の竜巻)
17日14時頃に南風と東風のシアーが通過したのが原因のようである。また、延岡の西には地形的に風向きが逆(西風)の部分があるのが見える。同日18時の解析では長崎県に上陸した台風の見事な渦巻きとなった。
B2004年9月29日 台風21号
21時の速報天気図では近畿地方に台風があるだけだが、局地解析をすると地形の影響で滋賀県と大阪湾の2箇所に気圧の極小及び渦があり台風が分裂したことがわかる。
C2007年2月14日 東京の春一番
速報天気図では関東地方は全域が前線の南側に入り地形を知らないと全域で南風が吹いたと思える形であるが実際は大手町付近にシアーラインがあり大手町付近までしか南風が入っていないことがわかる。

○埼玉支部の紹介
埼玉支部は参加できなくても「プロット図」と「雲断面図」が手に入るのが売りである。

「プロット図」は普通ではなかなか手に入らないが年会費3000円で取り放題である。
「雲断面図」が毎朝MLで送られてくるため時系列予報がわかる。
この図は私(大門)が作成していることもあり、データの入手から実際の描画まで実演しました。
福岡市付近を描いてみたところ大陸から寒気がやってきてT=36以降は不安定な天気となりそうということが一目でわかりました。

●「長利研の紹介」「夏の最高気温と標準偏差」: 根本さん
@長利研紹介
長期予報の研究をしています。旅行部会を立ち上げ、旅行先の天気の予想を研究しています。
A2006年秋気象学会でのポスター発表
「夏の最高気温と標準偏差」
千葉県千葉市の17年分のデータから、7月、8月の最高気温の平均と標準偏差を求め、最高気温が高い月ほど、その標準偏差が小さい。
千葉市は、猛暑日が少ないので、最高気温の高い月は、低温の日が少なく、標準偏差は、小さい。
逆に、最高気温の低い月は、低温の日が多いが、真夏日もあるので、標準偏差は、大きい。

●「オーロラのビデオ、写真鑑賞会」: 龍山さん
アラスカ・フェアバンクスで見たオーロラについて写真、ビデオで紹介。
ビデオはhttp://www.rkb.ne.jp/ana_bar/で見られます。
そのときの気温は−28℃。
もの凄い寒さと思いきや、湿度が低い、風が無いために、それほどきつくない。
日中は−15℃の中で、8歳の娘とソリ遊び。全然へっちゃら。
体感する寒さ、暑さは、気温だけで決まるものでないことを実感。

懇親会: 「鉄板くれど」
      春日市春日原東町2-2 宗野ビル1F
      9名参加


【西部支部5月例会】
日時:5月12日(土) 13:30〜17:00
場所:クローバープラザ502研修室
   福岡県春日市原町3丁目1−7
参加者:13名(うち初参加1名)
内容:
●「新規入会者のための案内会」: 川島さん
《川島さん談》
最初に新規入会の渡邉さんだけでなく参加者全員で自己紹介を
行いました。東京での案内会では参加者が40名以上であったため
ひとり当たり1分で行いましたが、参加者が13名であったため、
少しゆとりを持って自己紹介を行いました。
次に、酒井会長からのメッセージビデオを流しました。今年から
の試みで酒井会長が参加できない会場では、5分程度のビデオを
流すことになりました。
続いて、日本気象予報士会の活動紹介を私が行いました。
本会の概要、定期総会、理事会の活動、イベント紹介、外部機関・団体
との連携、地域活動、有志活動団体、会員福利、入会方法、事務センター
からのお知らせ等について説明しました。
最後に弘中さんから西部支部の活動紹介がありました。

●「長利研の紹介」: 並木さん
長利研の紹介をして頂きました。
詳細は [forum: 43151] 【募集】長期予報利活用研究会新規会員 を参照。

●「古季(記)録研究会の紹介」: 並木さん
古季(記)録研究会の紹介をして頂きました。
詳細は [forum: 43132] 【お知らせ】古季(記)録研究会設立&会員募集 を参照。


●「東村山狭山茶所を語る会」: 川島さん
《川島さん談》
私が代表をしている、有志活動団体・通称chakaiについて会の概要、
名称の由来、昨年度までの活動内容の紹介と今後の活動予定を説明
しました。しかし、西部支部のみなさんにはchakaiの活動は代表が握った
寿司を食べて、酒を飲んで騒ぐ会であるとの誤解を招いたかなと思って
います。

●「天気の問題」: 向吉さん
《向吉さん談》
「お天気なぜなぜ質問箱」(鈴木一雄原作、大蔵省印刷局発行、平成8年)
を読んで思いついた、「気象に関する一般の人から聞かれそうな質問」を
4問出題(予報士の学科試験問題の知識で解答可)。
Q1:空はなぜ青いの?
Q2:雲はなぜ白いの?雨雲はなぜ黒いの?
Q3:降水確率って何?
Q4:降水確率何パーセント以上で傘を持っていけばいいの?
Q4は聞く人の目的や状況が様々なので、答はそれぞれあると思います。
皆さんはこれらの質問を受けたとき、わかりやすく回答(説明)できますか?

●「人工降雨の話の紹介」: 弘中さん
《弘中さん談》
2007年3月24日(土)幕張メッセで開催された
「変わりゆく気候と水資源」
 〜人工降雨・降雪は渇水対策の決め手になるのか〜
の中から、村上正隆@気象研究所さんが
「国内外の人工降雨・降雪の取り組み」
と題して発表された内容等について紹介した。

●「T0514災害の話」: 弘中さん
《弘中さん談》
平成16年の台風14号は、宮崎県、山口県東部などで
大きな被害をもたらしたが、宮崎県で取り組まれた
「今、僕らにできること・・・」
〜台風14号災害と復興支援活動の記録〜
というDVDを鑑賞した。
また同じ頃活動していた山口県美川町
災害ボランティアセンターについて紹介した。

●懇親会: 旬菜香房「和人」 17:30〜
11名参加

【西部支部6月例会】
日時:6月9日(土) 13:30〜17:00
場所:クローバープラザ スタディールーム
   福岡県春日市原町3丁目1−7
参加者:16名(うち初参加1名)
内容:
●「日本気象予報士会総会の報告」: 弘中さん
《弘中さん談》
はじめに新設された木村賞および石井賞の各表彰式が行われ、
木村賞:高野 哲夫 会員 (山形県)、一 広志 会員 (愛媛県)
石井賞:今村 明男 会員 (埼玉支部推薦)、大門 禎広 会員 (埼玉支部推薦)
の方々が受賞されました。
理事会から9つの議案に関して説明がなされ、
途中休憩すら取れないほどの活発な質疑応答の後、採決などが行われました。
結果として、第5号議案および第8号議案は継続審議、他の議案は可決されました。
社団法人日本気象学会理事長 新野 宏 先生から、
気象記念講演「渦に惹かれて30年」を少し紹介しました。

●「大規模場から見た梅雨前線〜九州地方の大雨事例〜」: 吉田さん
気象学会で講演された内容を紹介していただきました。
IPVというパラメータで梅雨前線を解析します。
さすが学会での話とあって、私には少々難しかったです。

●「『春一番』壱岐誕生説を検証する」: 松嶋さん
《松嶋さん談》
「春一番」は、壱岐で誕生した言葉で、その誕生に、安政6年の海難事故が関係して
いるという説について、様々な図書の記述や維新期の漁業の変遷を紹介し、検証した。

1959年(昭和34)に、民俗学者の宮本常一が『俳句歳時記』に「壱岐で春に入り最初
に吹く南風」と紹介したため、「壱岐で春一番が誕生した」と誤解され、その後、気
象解説で「安政6年の海難事故」が紹介されるようになり、「海難事故がきっかけ
で、壱岐で春一番が誕生した」という話に変化したと思われる。
なお、「長崎県五島沖に出漁した」と解説した図書が多いが、これは間違いと思われる。


●「全国例会巡り」: 遠藤さん
《遠藤さん談》
以前出かけた西部支部の長崎や鹿児島の例会を挟みながら
気象予報士は何が出来るのだろうかと
主観的に幾つか箇条書きにして考えてみたりしました。
また、最近参加して見聞きしたお話として、
「緊急地震速報」、「サバメシ」について
と色々話させていただきました。

●「クラシック音楽とお天気の話」: 加藤さん
《加藤さん談》
雨の季節にちなんで、雨や嵐を表現したと言われる有名なクラシック曲3曲を
ダイジェストで鑑賞しました。
1曲目 ヴィヴァルディのバイオリン協奏曲「四季」より
   春 第1楽章、夏 第3楽章、秋 第1楽章、冬 第2楽章 それぞれ一部分
2曲目 ショパン 24のプレリュードより「雨だれ」の中間部
3曲目 ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」より
   第3楽章の後半から第5楽章前半にかけての激しい嵐の描写

●「前線は途中で性格が変わることがよくあるという話」: 金崎さん
同じ前線でも上層・下層とも上昇流であったり、
下層では上昇流であるが上昇では下降流であったりと、
場所により前線の性格が違うという話。

懇親会: 焼鳥 松の湯
  12名参加
  懇親会参加率の高い宴会部長のお友達が懇親会のみ参加し、大いに盛り上がりました




【西部支部7月例会】
日時:7月14日(土) 13:30〜17:00
場所:クローバープラザ 学習室
   福岡県春日市原町3丁目1−7
参加者:5名【松嶋、木林、渡邉、河波、石丸】
内容:
「風は嵐」: 松嶋さん
京都の「嵐山」の名の由来について、さまざまな説があることを紹介した。「嵐」のもともとの意味がカスミまたはキリであったこと、『和名抄』に「山下出風也」と解説されていることなど、昔の用例を紹介した。
『百人一首』の「吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ(文屋康秀)」を「冷たい季節風で、草木が色づき枯れてゆく」と解する説があること、『枕草子』189段の「八、九月ばかりに‥‥暁に格子、妻戸をおしあけたれば、嵐のさと顔にしみたるこそ、いみじくをかしけれ」が誤った解釈をされていることなどを紹介した。

「河川情報について」: 木林さん
川の防災情報
 ・ 「川の防災情報」が都道府県のデータなどを追加してリニュアルに
 ・ インターネットを利用してリアルタイム情報提供
     パソコンから  http://www.river.go.jp/
     携帯電話から http://i,river.go.jp/
 ・ 情報は、
   レーダー  雨量   水位   ダム情報 etc

洪水時における「防災用語」が4月より新しい用語に
 ・ 発表用語をわかりやすい用語へ改善
 ・ 水位に応じた危険度レベルの設定

「旅客機の飛行計画と気象資料の活用について」: 河波さん
1、台風接近時に航空会社がとる台風対策について紹介した。
2、ジェット機の飛行高度と燃料計画について実例をあげて紹介した。
3、台風の接近している福岡空港で、航空気象予報では当日の風向風速の変化がどのように予報されているかを紹介した。

懇親会:「くれど」
台風の中、大バカ者4名が参加しました。



【8月例会】
西部支部(第110回例会)日本気象学会九州支部
「気象教室」の内容を報告します。

1 「渦をつかまえる」(中島健介)
台風や竜巻の渦がしばしば災害をもたらすだけでなく、
空気の運動つまり風や天気の変化を理解するのに
渦がたいへん重要であると示された。
循環、渦度、渦の向き、渦線、渦管の説明があり、
渦が風で流されること、渦のストレッチングにより、
竜巻が発生することなどがよくわかりました。

イタリア、エトナ山の噴煙リングというのを初めて見ました。
調べてみると、下記の様にいろいろとありました。
http://www.decadevolcano.net/photos/smokerings.htm
http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/696953.stm

また使用されていた4つの竜巻の並んだ写真がきれいでした。
http://www.astrogeo.va.it/immagini/cielo/giudici.htm

実験は、乙部直人さんが中心となり、
渦はどこにあるか、空気砲、ミニ竜巻、カルマン渦など
楽しいものばかりでした。

2 「宮崎県で発生した竜巻について」(鈴木和史)
突風災害発生時における気象台の対応の説明の後、
平成18年9月17日に発生した竜巻について詳細な説明があった。
気象官署のすぐ近くを通った竜巻であり貴重なデータが残された竜巻だった。
また停電の時間が移動する事で、地域ごとの移動時間が
ほぼ正確にわかったところが興味深かった。
これらのデータは災害時気象調査報告に詳細にまとめられていた。
余談として、五ヶ瀬川の川底に竜巻通過後に、
不思議な環が残されたことが話題になったが原因不明とのことであった。
http://www.yukan-daily.co.jp/news.php?id=9600

3 「竜巻研究の最前線」(益子渉)
竜巻の統計資料を示され、日本では平均直径98m、
被害の長さ3.26km、平均寿命12分ということなどが示された。
また竜巻発生について、おおまかに
地表付近の局所的な前線上で発生するものと
スーパーセル(ミニスーパーセル)と呼ばれる
特殊な積乱雲に伴って発生するものの二つに分類できる。
宮崎の台風を数値シミュレーションした結果と
現在進められている研究プロジェクトについて説明があった。

懇親会は、講師陣を囲み、学会事務局とともに楽しく開催しました。



【9月例会】
日時:9月8日(土) 13:30〜17:00
場所:RKB毎日放送
   福岡市早良区百道浜2-3-8
13人参加
内容:
「またまたまた 文永の役の『神風』」: 松嶋さん
文永11年10月20日の夜に大風雨があり、それが原因で元の船団が撤退したとい
う神風説は、明治時代に流布し始めた説。この説を疑問視する声もあり、教科書には
登場していなかった。
戦況が悪化した昭和18年につくられた『国史概論』に神風説が登場し、その影響を
受けて、教科書にも神風説が登場した。
『国史概論』には「颶風」と記述されており、これが後に「季節はずれの台風」との
誤解を招いたのではないかと考えられる。
「クマゼミの初鳴日と気象」: 平川さん
「宇宙線と気候の話」: 身吉さん
「低気圧の話」: 金崎さん
9月1日に東シナ海北部付近に発生した低気圧について
発生時に成層圏下部だけで気温が上昇してその後全層
にわたって変化がなかったことで中心気圧の変化が
なかったことを説明した。

「ラジオスタジオ見学」 15:00〜15:30


【10月例会】
 日時:10月13日(土) 13:30〜17:30
 場所:KTNテレビ長崎会議室
【出席者】
 20名 黒田、立川、大塩、渡司、寺井、弘中、吉田、河野、高木、脇坂、山口、井手
 阿野、 金丸、小川、山口、渡邉、木林、龍山、小野
【内容】
1 「日本気象予報士会への入会案内」  弘中さん
 10月に合格になったばっかり方と、これから資格取得を目指す長崎大学環境学部の
学生さん3名が出席

2 「屋久島・世界遺産の森と種子島・ロケット打ち上げ」 渡司さん
 貴重な世界自然遺産になっている屋久島の縄文杉などの森のすがたと、月周回衛星「かぐや」
のH-IIAロケット13号機での打ち上げの様子をハイビジョンカメラで撮影した映像で報告。
例会に参加できなかった方、テーマに興味ある方は渡司さんのホームページにアクセスしてください。
http://ryo-tawn.com/memo/yakutane/01.html

3 「普賢岳と雲」 寺井さん
 11月19日から5日間の日程でアジア初の開催となる第5回火山都市国際会議が島原市で行われます。
その会議において、研究者として発表する予定の地元の高校教師の寺井さん。
 雲仙岳の噴火の初期活動から火砕流災害に至るまでのようすを説明。雲仙岳を監視する中で、
撮影した「つるし雲」などの雲の写真とその成因を解説。

4 「予報の出し方」  長崎海洋気象台予報課長 山口俊一さん
予報の現場に携わる方の「ここだけの話」を聞きました。

5 「本日天気晴朗なれど波高し」  脇坂さん
 日露戦争の中で、歴史に残る対馬沖での日本海海戦。当時の気象を探る貴重な資料をとおして
解説。海戦当日の海の気象はたいへん穏やかであったというイメージを一般的に持っていると思われますが、
実はそうではなかった。 

6 「理数科課題研究について 」  吉田さん
 高校教師として、生徒と取り組む気象の研究の経過を紹介。

7 テレビ長崎(フジテレビ系列)HD対応ニューススタジオ、ニュースサブ、編集室見学

【懇親会】10名立川、大塩、渡司、吉田、高木、脇坂、渡邉、木林、龍山、小野
 長崎駅そばの居酒屋で。


【11月例会】
11月10日大分市コンパルホールで開催した
西部支部第113回例会&案内会について報告します。

大分県での初開催となりましたが、
別府ご出身の岩田幹事長が東京からご出席くださいまして
温かい雰囲気の中で開催でき何よりでした。

当日は、初参加の方が三名もおられ、それぞれの
“気象への熱い思い”がたいへんよく伝わっていました。

サプライズは、西部支部の木林さんと身吉さんが、
当日、お誕生日だったこと!すごい偶然!

第一部 日本気象予報士会案内会
 ・「CAMJの組織・活動内容」 岩田幹事長
 ・「西部支部の活動紹介」 弘中さん

第二部 西部支部第113回例会
 ・「研究室・研究紹介」 西垣さん(初参加)
勤務先(大分大学教育福祉科学部)の研究紹介をされました。
 (1)海底斜面から離れる黒潮。
 (2)大分川河口付近における塩分。
 (3)大分平野の気温分布。
 (4)宇曽岳(うぞうだけ)中腹の温暖帯。
特に、大分平野の局地的な気温分布は、
大分川に沿って海陸風の影響が明瞭に見られ、
大分地方気象台の位置が、大分川に近いため、
その影響が考えられるなどたいへん興味深いものでした。

 ・「『温室効果』にみる嘘と誤魔化しと間違い」 身吉さん
 (1)実際の温室と大気の温室効果では機序が違う。
   「温室効果」は故意の誤称である。
 (2)地球の平均気温は意味がない。
   よって33℃の温室効果も無意味な数値である。
 (3)現在の「温室効果」は熱力学第2法則に違反し
   第2種永久機関である。
 (4)平均熱収支も矢印の物理学的意味が不明で、無意味である。
 (5)量子論的に再放射が起こる確率は極めて低い。
 (6)CO2倍増時の吸収増加はごくわずかである。
 (7)気候モデルでは摩擦や熱伝導を表現できない。
Gerhard GerlichさんやJack Barrettさんなどの論文等をはじめ
量子論関係の専門家の見方等を紹介されました。

・「緊急地震速報の話」 弘中さん
 (1)緊急地震速報の仕組みと事例
 (2)機器等の紹介
 (3)携帯電話新機種への導入
緊急地震速報について紹介しました。

懇親会:「こつこつ庵」 大分の郷土料理を楽しみました。


【12月例会】
平成19年12月8日(土)13:30-17:00
鹿児島市勤労者交流センターにおいて
鹿児島支部・西部支部合同例会を開催しましたので報告します。
参加者は、両支部合わせて16人でした。

はじまる前に、龍山さんの「アラスカ オーロラ観測旅行」
について映像を交えて貴重なお話を聞いた。
 3月末に行かれたアラスカ・フェアバンクスでのオーロラ観測についてのお話
内陸のフェアバンクスは、冬の降水量が非常に少なく、晴れが極端に多いため
オーロラを見られる確率がとても高い。また、観察時の気温はー28度であったが
乾燥していて、また風が無いため、体感では、そこまで寒いと感じない。
しかし、一時間外にいると死にそうです・・・。

1 「学科試験問題の復習」向吉さん
 数値予報の問題を復習した。
 解説では、選択問題におけるアウトプットセオリー法を学んだ。

2 「移入生物が鹿児島の植生に与える影響について」寺田さん
 トカラ列島の臥蛇島は、今は無人島になっているが、
 その昔ハンティングのできる島にしようとメスジカ2頭とオスジカ3頭を
 移入したところ、平成11年の調査では200〜250頭にまで繁殖しすぎ、
 植物を食べつくされて植生に多大な影響を与えていることなどをお聞きした。

3 「 今年の紅葉の遅れについて  満開になれない桜」龍山さん
 佐賀の“九年庵”は、毎年11月15日から23日まで紅葉を一般公開しています。
 公開初日は、必ずテレビカメラが入るので、1991年から今年までの17年間、
 毎年11月15日に撮影した九年庵を見せてもらいました。
 明らかに紅葉が遅れているのがわかり、今年の11月15日は、真っ青でした。
 また、冬が寒くないと咲けない桜について、満開になかなかなれない
 種子島のソメイヨシノを例に紹介していただきました。

4 「竜巻等を含む激しい突風の予測について」中鉢さん
 竜巻の基礎知識から突風関連指数等の解説があった。
 CAPE (ケイプ) :対流有効位置エネルギー
  積乱雲が発達しやすいかどうかの指標
SReH (ストーム・リラティブ・エンバイロメンタル・ヘリシティ)
  ストームに吹き込む下層風がストームの中へ飛び込む回転(渦)の大きさ
EHI (エナジー・ヘリシティ・インデックス)
  CAPEとSReHの積で定義される

5 「支部連絡会議の報告等」弘中
 会議で示された事業報告、会計報告の概要を報告した。
 また日本科学協会巡回展「台風がやってきた」の解説員募集をした。

懇親会からはさらに2人が参加され、鹿児島の黒豚や芋焼酎などを堪能しました。


























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