地球シミュレーター見学会(2011/12/2)海洋研究開発機構横浜研究所

池山 会員 体験談を引用

横浜市金沢区の海洋研究開発機構横浜研究所に行ってきました。見学会35人懇親会26人の参加のみなさまお疲れ様でした。JAMSTECに入る貴重な体験ができてよかったです!家族がパンフレットを見てうらやましがっていました。

横浜市金沢区の地球シミュレータというスーパーコンピュータを、半日かけて講義を聴き、実際に目で見て、体験してきました。スパコンが実際どのように活用されているのか疑問でしたが、3人の研究者の方からご説明をいただきました。まず、グループリーダーの新宮哲様から、産業利用として民間企業との取り組みの講義があり、エコと安全安心化の2つを軸に運用されていることをご説明いただきました。具体的には、
・車体の空気抵抗の軽減
・タイヤの開発(走行時の摩擦抵抗を軽くしつつ、ブレーキは効くために成分配合をどうするか)
・発電用大型蒸気タービン翼の設計(強力な遠心力に耐え得る翼の大きさと形状を探る)
など、研究内容は多岐に渡っていました。
新宮さんはスパコンシステムの専門家で計算速度が年2倍に向上し10年で1000倍になるという説明もありました。
次に、プログラムディレクターの高橋桂子様から、気象・気候予測の話題で、都市部の発散する熱とその行方や、海風の通り道の確保が及ぼす別の場所での空気の収束の影響などについてご説明いただきました。シミュレーションモデルを100mメッシュにすると、どういうスパコンが必要なのかも議論されているそうです。性能が今の1000倍必要、実現は10年先とのことです。
最後にプログラムディレクターの木村富士男様から、地球温暖化が農業に与える影響を、2070年代の予測モデルで解説いただきました。北陸を例に、雪国では現在5月連休の、山の雪解け水が増える頃に田植えをしているが、シミュレーションによれば温暖化で降雪量が減り、雪解けが早まることで、どのような影響が出るかというお話でした。冬の降雪量が降水量の換算で300mm減少する。雪解けが早くなり田植えの時期の水が不足する。夏の暑さが稲作に不向きな状態になるなど複数の要因で、北陸が稲作に不向きになるかもとのことです。
施設見学では、実際稼働中の地球シミュレータを見学し、たくさん並んでいる巨大な箱の中で膨大な量の計算が行われているのを見ました。参加のみなさんがたくさん写真を撮っていましたのでご覧いただく機会があると思います。見学展示のコーナーでは、計算結果の潮流モデルや、有害物質が大気と共に地球をぐるりと一周している様子を見たりしました。

懇親会

見学会のあと、横浜駅まで移動して懇親会兼忘年会に参加しました。高橋さん、木村さんの講師の参加もあり楽しい時間でした。

参加者数

例会35人、懇親会26人

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