長利研 第42回例会

1.話題提供
 @ WebGISを活用した降雪情報の開発    中山 会員
 これまで旅行部会で取り組んできた雨雪判定について詳しくまとめた。グーグルMAPを活用し、関東地方から東海地方にかけての降雪(雪・雨・霙など)・積雪について、会員からの情報や「ふってきったー(あめゆき版)」、ウェザーレポート(WNI)などの情報も活用して情報をまとめた。また、PC研で作っている雪雨予想図や雲断面図も活用し、翌朝の路面凍結について予想し、昨冬の都内の雪の例を写真を撮って紹介した。この内容は、先月行われた日本気象学会で発表(中山さん・大門さん・落合さん・水谷さんの連名)された。

 A 震災から1年半、宮城・岩手の現状報告  中山 会員
 震災を受けた宮城・岩手県の現在の状況はどうか、仙台市閖上地区や石巻市(大川小学校)、東松島市、釜石市(鵜住居小学校・釜石東中学校)、陸前高田市、南三陸町(防災庁舎)などの現在の様子を写真を交えて紹介した。

 B ギリシャの気候                根本 会員
 ギリシャはケッペンの気候区分によると地中海性気候Csaにあたり、夏は気温が上がる。所によってCsbの場所もある。アテネの夏は東京と比べて湿度が低くカラッとした暑さであり、降水量も少ない。それは、地中海の海面水温が低いことに関係があるようだ。

2.3か月予報検討会
 (1)3か月予報支援図の見方           藤井 会員
 試作版として作成した「長期予報は誰にでもできる」を紹介し、3か月予報支援図(1)〜(10)の見方について説明した。今回は「冬バージョン」なので、これから他の季節にも対応できるようにしたい。また、修正箇所など指摘してほしい。

 (2)3か月予報検討会(グループ別)「この冬の寒さは?関東地方の雪は多いか?」


 3つのチームに分かれてこの冬の寒さ(東日本)について検討した。
○気温予想(低い:平年並み:高い) 降水量(少ない:平年並み:多い)
 Aチーム 12月  40:30:30   30:40:30
       1月  40:30:30   30:30:40  雪よりは雨
       2月  40:30:30   30:30:40  平年並みか多めの雪

 Bチーム 12月  40:40:20   30:30:40  下旬に雪 海水温が高い
       1月  40:40:20   30:40:30  平年並み程度の雪
       2月  40:30:30   30:40:30  平年並み程度の雪 状況で変わるので降雪量は分からない

 Cチーム 12月  30:40:30   30:40:30  大陸東岸に谷があり、寒気が西から入る(大陸からダイレクトでない)
       1月  40:30:30   30:40:30  JPCZ発生で寒気は西から入る(関東はカラッ風)
       2月  40:30:30   30:40:30  西から入る傾向で、雪が降る日は平年並みの2〜3日程度

気象庁が10月に発表した暖冬予想はフィリピン付近の海面水温低下と下層高気圧性循環偏差発生⇒暖湿流北上が主な理由だったが、今回、図からこの予想が12月以外ほとんどなくなった。また、高緯度の高度が高く、極東域で東西指数が低い予想であることは昨冬の実況と類似している。特に日付変更線付近から東シベリアにかけてリッジ場予想であり、アリューシャン低気圧が西に寄って寒気が日本付近に南下しやすくなる可能性がある(暖冬の年はこの低気圧がアリューシャンの東に寄る)。500hPa高度は、12月から日本付近は負偏差に覆われ寒気が南下しやすい。

12月は上記理由から暖湿流北上の可能性で低気圧の影響を受けやすい一方、寒気も南下しやすい範囲であり、関東南部では12月中に初雪があるのかもしれない。

懇親会:上野庄やで楽しみました。それから、兒島さんが作成された長期予報について見せていただきました。