長期予報利活用研究会 第38回例会

日 時:2012年3月31日(土) 13:00 〜 17:00
場 所:東京文化会館 小会議室1
内 容:
1.話題提供
 @イタリアの気候          根本 会員
イタリアの代表的な都市(ローマ・ミラノ・フィレンツェ・ベネチア・ナポリ・バーリ・カリアリ・パレルモ)の気温、降水量をグラフにして東京と比較した。イタリアは緯度が高い(日本の北海道付近とほぼ同緯度)のに気温が高く、サブハイに覆われる。夏は東京よりぐっと降水量が少ない。冬の気温は東京よりも高いところが多い。

 A(1)2011-2012シーズンの雨雪判定  中山 会員
この冬に12回行われた雨雪判定をwikiページにまとめ、各降雪毎にの検討分析をおこなった。関東(東海)地方の雪は下層寒気の影響が強く、寒気が筋状に吹き出す現象がかなりの頻度で捉えられた。吹き出し方向はNW-SE方向とNNE-SSW方向の2パターンに分けられそう。今後さらに解析検討を加えたい。雨雪判定図は静岡県の落合会員とともに作成をしているが、2013シーズンは関東(東海)各地の情報についてさらに担当者(雨雪ガイド)を増やして行えると有難い。

  (2)旅行者向けの天気予報を再考
旅行部会では、1か月予報→週間予報→短期予報を活用して、旅行先の天気情報や、住んでいる場所と旅行先との気温の違い等の情報を携帯に発信してきた。今年はこれまでの内容を見直して、新しいコンテンツ(旅行用雲断面図、新平年値比較グラフ等)を作成するとともに、海外旅行に対応したお天気情報を開発していきたい。

 Bこの冬の傾向(予報と実況)    藤井 会員
この冬はラニーニャの影響で日付変更線よりも東側が正偏差になりやすくまた海洋大陸付近の対流活動が活発で東経90度付近(バイカル湖〜タイミール半島)がリッジ場になった。このためシベリアの高気圧が予想以上に強くなった。また日本付近は正偏差の間の負偏差に入り、寒気が日本付近に南下しやすくなった。この影響で日本海側では大雪となり観測史上の積雪を記録した地点もあった。2月は想定外に太平洋高気圧が強まり、暖湿流の北上と寒気の南下で太平洋側で降水量が多くなった時期があり、東京などで雪が降った。

2.1か月予報検討会
3月29日初期値の予報資料を用いて今後1か月の予想をチームごとに作成した。

4週平均について
チーム@場所:東日本太平洋側
今後も負偏差であり、寒気が降りて来やすい傾向がつづく。東谷傾向で降水は少ない。


 気 温  低 い:平年並み:高い=50:30:20
 降水量  少ない:平年並み:多い=40:40:20
 日照時間 少ない:平年並み:多い=20:30:50

チームA場所:東日本太平洋側
寒気が南下しても日中は晴れて気温が上昇するが、第1週を中心に低温傾向となりそう。


 気 温  低 い:平年並み:高い=60:30:10
 降水量  少ない:平年並み:多い=30:40:30
 日照時間 少ない:平年並み:多い=40:30:30

チームB場所:関東地方
負偏差と寒気南下で低温だが、第3,4週は西谷になり降水量が多くなる可能性もある。


 気 温  低 い:平年並み:高い=50:40:10
 降水量  少ない:平年並み:多い=20:40:40
 日照時間 少ない:平年並み:多い=30:50:20

なお、今回は第1週・第2週・第3,4週についても予想した。
チーム@
 第1週  低い:平年並み:高い=80:10:10
 第2週  低い:平年並み:高い=60:30:10
 第3,4週 低い:平年並み:高い=30:40:30

チームA
 第1週  低い:平年並み:高い=90:10:0
 第2週  低い:平年並み:高い=50:40:10
 第3,4週 低い:平年並み:高い=30:40:30

チームB
 第1週  低い:平年並み:高い=70:20:10
 第2週  低い:平年並み:高い=50:30:20
 第3,4週 低い:平年並み:高い=20:50:30