■□ 第30回長利研例会 □■

日 時:2010年11月7日(日)  9:15-12:00
場 所:東京文化会館(上野)   小会議室1

内 容:
(1)田園調布学園土曜プログラム(11月6日)の報告
  「季節予報と環境家計簿〜快適なくらしのために〜」
  環境気候研 井上 葉子会員

季節予報を利用することで天候の年々変動に備え、環境家計簿をつけることで温暖化傾向の原因として可能性が高いCO2の家庭からのむだな排出をなくすことを提案した。「季節予報」を紹介するプログラムは、作成にあたり酒井会長にもアドバイスをいただいた。
天気予報と対比しながら、季節予報の特徴や間違いやすいポイントを説明。また、2010年1月東京の日毎の気温のプロットや、月平均値の計算、平年値との比較の実習も行い、天気と天候を実感できるようにした。プログラム「環境家計簿」では、各自の家庭の電気使用量からCO2排出量を計算する実習をした。
次週は、ガス・水道などの項目も計算し、自分の生活を振り返り、改善策を話し合う予定。

(2)「2011雨雪判定のための第二回ミーティング
 −Wikiマップによる雨雪判定の自動化について−」
  旅行部会  中山 秀晃会員

関東地方を対象とした雨雪判定は今シーズン(2010〜2011年冬)で3回目となる。googleMapsのマイマップ機能をベースとして、会員情報、民間気象会社の一般ユーザからの情報、twitterや2chの気象関連ページ情報から位置が特定できるものを地図上にプロットして一雪毎の雨雪分布図を作成している。例会では昨年までの結果を報告するとともに、今シーズンの取り組みについて確認した。年々データ量が増えている事もあり、協力者(雨雪ガイド)を募って複数で迅速に対応できる環境を整えたい。また、データ記入の簡略化のためにGooglemapsAPIを使った雨雪判定自動化システムを開発中。今シーズンでの試運転を目指している。

(3)この秋1か月予報の検証(9/19)と、紅葉の経過
   3か月予報資料を読もう!
  技術部会  藤井  聡 会員

紅葉は9月の平均気温と相関することが気象庁より発表されているが、1か月予報を基にして9月の気温予想を立て、紅葉予想を「じゃらん」に情報提供した。1か月予報資料から関東甲信越地方の9月気温予想を+2.3℃とし、これに比例して奥日光などのアメダスにおける月平均気温を16.9℃とした。ほか、御殿場22.4℃、河口湖20.3℃、みなかみ20.4℃などと予想した。実況では、9月前半は気温がかなり高かったが、後半は平年並みに推移し、下旬の寒気の影響が出て平均気温は予想ほど上がらなかった。関東甲信越地方の9月気温は+1.9℃で、奥日光16.1℃、御殿場21.9℃、河口湖20.0℃、みなかみ19.7℃と予想より低めだった。このため、11月後半に紅葉を予想した地域は、予想より早く紅葉したが、10〜11月前半に紅葉を予想した地域はほぼ予想通りとなった。紅葉は晴れて最低気温が低くなると進むので、3か月予報の10〜11月の気温や降水予想も参考にしたい。

関東甲信越地方の気温偏差とアメダス奥日光月平均気温         アメダス奥日光日平均気温と平年値

「3か月予報資料の読もう」では、この8〜10月の実況(海水温・熱帯の循環・中高緯度の循環など)を解析し、この期間の状況が、おおむねラニーニャ現象時の統計的な特徴と一致しているとした。そして、この3か月の予報資料では、ラニーニャ傾向が継続し、12〜1月はアジアが負偏差となり冬型が継続しやすくなると予想した。しかし、1月は北極が負偏差になる予想なので強い寒気が継続するかどうか実況の変化に注意したい。

ランチ:上野「じゅらく」で昼食をとりながら、今後の長利研の予定など決めたり、季節予報の活用方法を考えたりして会話がはずんだ。